「誰かが本気で編むときは、」を観てきました。
ストーリーは、
11歳の女の子トモは、母親のヒロミと2人暮らし。ところがある日、ヒロミが育児放棄して家を出てしまう。ひとりぼっちになったトモが叔父マキオの家を訪ねると、マキオは美しい恋人リンコと暮らしていた。元男性であるリンコは、老人ホームで介護士として働いている。母親よりも自分に愛情を注いでくれるリンコに、戸惑いを隠しきれないトモだったが……。
というお話です。
小学生のトモは、母親のヒロミと二人で暮らしているのですが、ある日、母親が突然に出て行ってしまい、叔父さんの所に行きなさいとの書置きが置いてあります。以前にも同じような事があり、またかと思ったトモは、叔父・マキオを訪ねます。マキオは、またかと言い、トモを家に連れて帰ります。マキオは彼女と暮しており、トモに紹介するのですが、彼女・リンコは元男性のトランスジェンダーであり、今は女性として暮らしています。ただ一つ、戸籍だけは、まだ男のままなんです。
最初は、物珍しそうに見ていたトモですが、段々とリンコの優しさに触れ、毎日が楽しくなって行きます。リンコは、子供の頃から身体と心の違いに苦しんでおり、唯一の味方が母親で、長い間、母と二人で頑張ってきて、やっと女としての幸せを掴んだのでした。
リンコは介護士として働いていて、彼女の働いている施設にマキオの母親が痴呆症で入院し、そこで二人は知り合い、付き合うようになったのでした。リンコは、空いた時間にいつも編み物をしていて、トモは、何を編んでいるのか不思議に思って聞いてみると、自分が取ってしまったペニスを編んでいるのだと言うんです。そして、それが108個編めたら、戸籍を女に替えようと思っているという告白をトモにします。なんで108個?と聞くと、煩悩の数だから、それを全て焼いたら、生まれ変わるのと言うんです。
ある日、リンコと一緒にトモも買物に行くと、クラスの男の子が母親と来ているのと会ってしまい、友人の母親は、あんな変な人と一緒に居てはいけないとトモに言い、それに怒ったトモは、友人の母親に乱暴をしてしまいます。大事になってしまい、リンコが謝るのですが、トモは絶対に謝りません。トモは、必死でリンコを守ろうとしていたんです。そんなトモがかわいくてしょうがなくなったリンコは、マキオに、お姉さんが帰って来なかったらトモを養子にしたいと話します。しかし・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、良かった・・・、本当に良かったです。なんか、友人と被ってしまって泣きそうになっちゃいました。なんであんな、言われも無い偏見を受けなくちゃいけないのか、やっぱり腹が立ちます。たまたま、人と違っただけで、なんであんな風に言われなくちゃいけないんだろう。自分たちは、個性が大切とか言っておきながら、自分と違うものは間違っていると決めつけてしまう、そんな人間が多くて、マジで、この映画の中のトモちゃんや、リンコのお母さんと一緒に守ってあげたいと思いました。何故、理解しようとしないんだろう。
そりゃ、最初は戸惑うだろうと思います。でも、直ぐに排除するんじゃなくて、まず、話を聞くべきでしょ。「失礼かも知れないけど、初めてそういう方に会うのでお話を聞いても良いですか?」くらい言いなさいよ。私なんて、久々に会って女になってた友達に、「何よ、突然、そんなになっちゃって。どこ工事したの?戸籍は変えたの?胸触らせろ!」って言っちゃった。そんなんでいいんじゃないの?ちゃんと向き合おうよ。
この映画では、リンコのお母さんが、本当に息子を理解して、子供の頃から、ずーっと守るんです。ちゃんと学校とも戦って守ってくれたから、リンコが居るの。今、ここまで子供を必死で守ってくれる母親って、素晴らしいです。いつも、何があっても子供の味方で、絶対に諦めないの。凄くステキでした。
トランスジェンダーの問題と、母子の問題と、色々な事を描いている作品で、上手く作ったなぁと感心してしまいました。トモ役の女の子も上手くて良かったし、みんな良かったなぁ。生田さん、なんか、とんでもなく上手くなりましたね。これ程に”演技派”という域に達して来たかと驚きました。何度か舞台も経験して、表現の仕方が上手くなりましたね。特に、今回、難しい役なのに、本当の女性のように演じられていて、驚きました。ここ暫くは、ダークヒーロー的な役が多かったけど、こういう優しい役は良いですね。彼に合っていると思いました。
私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。これは、ぜひ、沢山の人に観て貰うべきだと思いました。世の中には、色々な人が居て、色々な人を私たちは受け入れて行かなければいけないし、一緒に生活をして行かなくちゃいけないんです。もっと広い目で世界を見なければと思う心と、一番大切な身近な人を大切にしようよっていう気持ちが描かれていて、本当に良かったな。私、また観に行きたい作品です。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
彼らが本気で編むときは、
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映画「彼らが本気で編むときは、」サウンドトラック
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