「エゴン・シーレ 死と乙女」彼が求めていたのは女性なのかモデルなのか。その生涯は描くことばかり。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「エゴン・シーレ 死と乙女」を観てきました。

 

ストーリーは、

1910年、美術アカデミーを退学したシーレは画家仲間と「新芸術集団」を結成し、妹ゲルティの裸体画で頭角を現す。ゲルティも16歳でヌードモデルを務め、敬愛する兄を献身的に支え続けた。グスタフ・クリムトから17歳のモデル、ヴァリを紹介されたシーレは、彼女と同棲を開始。幼児性愛者などと世間から誹謗中傷を浴びながらも、シーレはヴァリをモデルに数々の作品を発表。シーレが時代の寵児ともてはやされる中、第1次世界大戦が勃発。シーレとヴァリは時代の波に翻弄されることとなる。

というお話です。

 

 

1910年、若きシーレは、クリムトを指示し、彼に美術アカデミーなど辞めてしまえと言われて退学してしまいます。そして、仲間と新芸術集団と称して各地を周りながら作品を描いていきます。妹のゲルティをモデルとして裸体画で注目を集め、次に娼館に居たモアをモデルとして裸体画を作成し、その存在は大きくなって行きます。しかし新芸術集団は、シーレ以外がほとんど絵画の作成をせずに遊び惚けるばかりになってしまい解散してしまいます。

 

 

その後、シーレはクリムトに17歳のモデルのヴァリを紹介され、彼女にのめり込み、彼女ばかりを描くようになっていきます。そして、ヴァリと同棲を始めるのですが、周りの厳しい目が注がれ、仕方なく田舎の家から街へ移り住みます。移り住んだ家で裸婦像を描いていたのですが、近所の家の娘に気に入られて、何故か、いわれのない”未成年との淫行”を訴えられ、投獄されてしまいます。しかし、一緒に住んでいたヴァリが証言に立ち、無罪を証明して解放されます。シーレは、絵の才能もあったのですが、容姿が優れていたので女性に好かれることが多かったんです。

 

 

シーレは、アトリエの向かい側に住む姉妹・アデーレとエディットに知り合い、妹のエディットと結婚する事になります。それから直ぐに戦争が起こり、シーレも徴兵され、ヴァリは看護士として戦争に行き、みんな散り散りに別れてしまいます。戦争から帰ってきて、直ぐに絵の制作に取り掛かり、いくつかの絵画を描き上げるのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

エゴン・シーレは、生きている内に認められていたから、もっと裕福に暮らしていたのかと思っていたのですが、最後の方は、貧しかったようでしたね。まぁ、戦争があったからとは思うのですが、あまりにも可哀想な死に方で、驚きました。

 

 

それにしても、シーレって女の人が好きだったのか、絵に描くためのモデルが好きだったのか、本当に不思議な人物でした。この映画の描き方が強烈だったのかも知れませんが、女性の裸体を描いていても、欲情とかしていたんだろうか。いや、欲情していても、それが性的なものなのか、芸術的なものなのか、なんだか、不思議な人物でした。絵を描くことで性的に満足していたのかしら。妹の裸体から始まって、若い娘を何枚も描いていたから、ちょっとロリコン的なものはあったと思うけど、どっかの変態ジジイみたいな、触りたいとかいう感じでは無く、目で見て描くことに官能を抱いていたのかも知れません。本当に不思議でした。

 

 

ヴァリとの関係も、もちろん性的な関係はあったけど、結局、彼女とは結婚しないで、全く違う人と結婚したんです。普通、一緒に住んでいて、どう見ても愛しているようにしか思えない女性とは別の人と結婚して、でも、ヴァリの事を最後まで気にしていたって、この複雑さは理解出来ませんでした。お互いに愛していても、どちらかが背負うような事では無く、一緒に並んで歩きたい人だったのかも知れませんね。それならちょっと解ります。夫婦では無く、戦友でありたかったのかも。それってステキだけど辛い選択だったと思います。

 

死と乙女という絵には、愛していたヴァリが戦地で亡くなった事を聞き、この題名にしたようで、死に絡めとられる女性の姿が描かれています。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。エゴン・シーレを演じているノア・サーベトラが、超イケメンで、ステキですよ。映画としても、大人しい映画ですが、複雑な愛のカタチを描いていて、とても楽しめました。エゴン・シーレという人物を知ってから、再度、彼の絵画を観たくなりました。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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