「素晴らしきかな人生」の試写会に連れて行って貰いました。フィルマークスさんの試写会で、友人が当たって、連れて行ってくれたんです。
ストーリーは、
ニューヨークの広告代理店で成功を収め、華やかな生活を送っていたハワードだったが、最愛の人を失ったことで大きな喪失感を抱く。完全に人生を見失ってしまったハワードを同僚たちも心配していたが、そんなある時、ハワードの前に年代も性別も異なる3人の奇妙な舞台俳優たちが現れる。彼らとの出会いにより、ハワードの人生に徐々に変化が起こっていく。
というお話です。
広告代理店を立ち上げ成功を収めたハワード。仲間にも恵まれ、これからという時に、娘が病気になり、無くなってしまう。まだ6才だった。あまりにも早く、最愛の娘を亡くし、心が崩壊してしまい、会社に行っても仕事をせずに、ドミノを並べて倒していくだけ。さすがに会社も傾きかけてしまいます。一緒に会社を盛り立ててきた仲間は心配し、ハワードを立ち直らせる手を探し始めます。
ハワードを心配する同僚たちは、街外れの小さな劇場で、舞台稽古をしている俳優3人と出会い、彼らにハワードを回復させる手助けをして貰おうと話し合いに行きます。ハワードは、以前、スピーチなどをする時に「愛・時間・死」というワードを使う事を好んでいましたが、今、彼は、「愛・時間・死」という3つに対して、届くはずも無い手紙を書いており、それを見た同僚たちは、俳優たちに、この3つを演じて貰い、現実に引き戻すか、又は、無いものに対して問い掛けていると言う事で心神耗弱として会社の役員を解任するか、どちらかをして、会社を守ろうと計画します。
役者は、まず、”死”としてハワードに近づき、話をしますが玉砕。次に、”時間”が話をしますが、玉砕。”愛”も他と同じように玉砕してしまいます。しかし、ハワードの心の中には変化が訪れ、自分でもこのままではいけないんだと思い始め、集団セラピーの会に参加を始めます。
一方、同僚の3人も、それぞれに悩みを抱えていて、行き詰まっていました。その行き詰まりを、役者と出会って、会話を繰り返す内に、告白させられて、良い方へ導かれます。ハワードを助ける為の作戦を立てているつもりが、自分も助けられていたんです。
ハワードは、娘の出来事を受け容れる事が出来るのか。会社はどうなってしまうのか、そして、役者3人は、一体何者なのか・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、ネタバレしないと解説が出来ないし、感想も上手く書けないのよね。でもね、最後まで観ると、観た人によって、解釈が違うだろうなぁと思いました。だってね、3人の役者の描き方が、とても不自然な部分があるんですもん。あれ、ワザとだろうけど、どちらとも取れるんです。
まず、1つは、3人の役者が、本当に「愛・時間・死」かも知れなかったと言う事。2つ目は、本当に役者だったけど、ある時点でハワードの中にも、役者とは別に3人が現れ始めたかもと言う事。3つ目は、全く最初からハワードの想像だけで、同僚が役者に頼んだというのも自分を解任したいだろうという思いからのハワードの思い込みだったかもと言う事。この3つを私は可能性として考えたのですが、やっぱり、3人は「愛・時間・死」だったと思いたいな。ハワードが苦しくて苦しくて、彼らを呼び寄せて、自分を心配してくれている同僚も助けてくれたと思いたいです。
子供が亡くなるって、本当に辛いですよね。自分が死ぬ方がどれだけ楽だろうと思います。でも、運命は変えられないし、自分で立ち直るしか無いのだろうと思います。でも、思うんだけど、無理に立ち直ることも無いんじゃないかな。生活が出来るなら、もう、娘の事だけを思いながら生きて行くことだって、選択なんじゃないの?周りは色々言うだろうけど、私は、想いながら死んだように生きて行くというのも、それはそれで良いのかなと思っちゃいます。精神が壊れていると言われようと、現実じゃないと言われようと、娘を思う事が幸せなら、どう思われようと関係無いと思うけどね。生きている人を思うのも、死んだ人を思うのも、人それぞれで良いと思います。
愛・時間・死が現れますが、どれも人間は持っているんですよね。わざわざ探さなくても、自分の中にあるんだから、自分の中に話しかければ良い。答えは自分の中にあるんです。そんな事を教えてくれているような映画でした。
キャストがとても豪華な顔ぶれで、驚きました。ヘレン・ミレンを筆頭に、ケイト・ウィンスレット、キーラ・ナイトレイ、エドワード・ノートン、などなどが脇役で、ウィル・スミスが主演なのですが、マジ、豪華でした。キャストを見るだけでも見っけもんですよ。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。飛びぬけて面白いというような作品ではありませんが、苦しむ一人の男を助ける為に、自分の苦しさを抑えて動いてくれる友人が居るという、何とも心温まる内容でした。それぞれ、色々な矛盾点は、自分で解決して観て下さい。それも楽しいですよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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コンカッション (字幕版)
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