【演劇】「世界」精一杯の自分の世界が幸せであるように、人は守り続ける。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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舞台「世界」を観てきました。

 

ストーリーは、

 

千葉県船橋市。どこにでもありそうな、うら寂れた町の一角に足立家はある。家長の義男、妻・節子、健二と美紀の長男夫婦4人が暮らす家は、隣接した父子の職場である工場同様に古び、長きに亘る生活に疲れたかのように、くすんだ色彩を帯びている。従業員の服部も同様に、人は良いもののくたびれた風情の男。義男が知人の親に頼まれ、預かった引きこもりまがいだったという新入りの若者・辺見だけが、周囲にそぐわぬ不穏な空気をまとっている。

 

誰彼構わず噛みつく義男、ひとり言のように愚痴や噂話をしゃべり続ける節子。最近、節子は義男に離婚を切り出し、家を出る準備を進めている。苛立つ健二と見守るしかない美紀をよそに、二人は互いの存在を視野に入れぬように暮らしている。

 

 

彼らが仕事終わりにたむろするのは、ちょっとした土地持ちである坂崎と妻・宏子が営むスナック。安酒にカラオケ。何度も聞いたはずの話が、行き場の無いまま無数に吐き出される。

 

美紀がパートで働くスーパーには、役者を目指す諸星が働いている。彼は、馴染みのデリヘル嬢あずみに純粋な恋をしているようだ。

 

繰り返しばかりの退屈な毎日。ちっぽけで下らない彼らの日常は、けれど細い糸で結び合いから待って・・・。

歩道橋に上って、少しだけ高見から見下ろせば、何か、見えて来るものがあるだろうか。

 

というお話です。

 

 

赤堀さんらしいお話でした。何人もの登場人物がいるのですが、その人達、一人一人に自分の世界があって、それが相手に伝わって、上手く交差出来れば良いんだけど、そう簡単には行きませんよね。長年連れ添った夫婦でも、段々と差異が生じてきて、考え方が違ってしまう。相手が必要だと思っていても、それを告げられない。それに気が付かない。そんな事って、良くあるよなぁと思いました。

 

それぞれが、一生懸命考えて、きっと間違ってないだろうと思って、自分の世界で生きているんですけど、他人から見ると、「こいつ、トンデモナイ奴だなぁ。」と思われてしまったりするもんなんです。早乙女くんが演じる辺見は、若者の典型っぽく描かれていて、自分では正直に生きているつもりなんだけど、周りから見ると、ハズれているのよね。自分の世界と外の世界が違う典型みたいに描かれていて、面白いと思いました。

 

 

父親を演じる風間さんも、長男を演じる大倉さんも、普通のオッサンなんだけど、思うようにいかない毎日を持て余していて、何か変化を求めているんです。でも、その勇気が無いんですけど、ある時、少しづつ崩れていってしまう。そして、元の世界に戻るのが一番だと気が付くんです。戻っても、同じ様には戻れないのにね。

 

うーん、面白かったです。深くて、人間の弱さが伝わってきて、何とも言えず、良かったです。私は、好きだったなぁ。やっぱり、上手い役者さんが揃っていたからというのもあるのかしら。その表情と動きに、何とも言えない哀愁を感じるんです。

 

 

私は、この作品、超!お薦めしたいと思います。実は、この舞台、始まって直ぐの頃のチケットを購入していたのですが、公演中止になってしまい、追加公演を間近に購入したんです。買えて良かった。観れて良かった。東京公演は、今日までだったから、大阪なら観れると思います。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「世界」   http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/17_sekai.html