「ネオン・デーモン」綺麗は汚い 汚いは綺麗、美しさだけでは頂点に上がれない。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ネオン・デーモン」を観てきました。

 

ストーリーは、

トップモデルを夢見て故郷の田舎町からロサンゼルスに上京してきた16歳のジェシー。人を惹きつける天性の魅力を持つ彼女は、すぐに一流デザイナーや有名カメラマンの目に留まり、順調なキャリアを歩みはじめる。ライバルたちは嫉妬心から彼女を引きずりおろそうとするが、ジェシーもまた自身の中に眠っていた異常なまでの野心に目覚めていく。

というお話です。

 

 

田舎からモデルになる夢を見てロサンゼルスに出てきた16歳のジェシー。地元では可愛いと評判だったらしいのですが、ロスのモデル業界には、美しい人ばかりで、田舎から出てきた新人など、誰も目に止めません。安いモーテルに部屋を借りて、慣れない都会で、怖い思いをしながら、モデル事務所に写真を持って行き、オーディションを受け始めます。

 

まだ田舎臭さの残るジェシーですが、彼女の内にある輝きに気が付いた人々が、彼女に手を出し始めます。まず、メイクのルビーは、彼女がまだ原石だと気が付き、パーティーに誘います。パーティーで、モデルのサラとジジを紹介し、美しい彼女たちが、実は整形で作られた美しさだと言う事をジェシーに教え、ジェシーのように生まれ持った美しさを有する者は稀少なのだと言う事を教えます。

 

 

有名なカメラマンに写真を撮って貰い、コレクションのモデルにも出演することになったジェシーは、段々と、その美しさに気が付き、傲慢になって行きます。まるで、卵から悪魔が孵ったように、美しく妖艶になっていくジェシー。でも、周りは、そんなジェシーに戸惑い、怖ろしいものを見るような目つきで見つめるようになります。

 

そんな事はお構いなしに、美しさに磨きがかかって行くジェシーを、ルビーやサラ、ジジは、冷ややかな目で見つめ、彼女に狙いを定めて行きます。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

これは、賛否両論あるだろうなぁと思うような内容でした。私は、このドロドロした世界の恐ろしさみたいのが観れたので、結構、楽しめましたが、ちょっとグロテスクというか、スプラッター系に傾いているので、イヤな人はイヤだろうなぁと思いました。

 

シェークスピアのマクベスに出てくる有名なセリフ、「綺麗は汚い 汚いは綺麗」をそのまま表したような内容でした。映像も、美しかったですよぉ。でも、汚い部分もあって、そのギャップが面白いと思いました。モデル仕事の部分などは、とても美しい映像なのですが、ジェシーが泊まっているモーテルは、あまりにも汚く、管理人も下品なんです。美しい世界に居ながら、汚い世界に住んでいるというのが、とても面白いと思いました。映像は、とても幻想的で良かったですよ。

 

 

美しさって、作ろうと思えば作れるんですよね。でも、本当の美しさって、やっぱり作られたモノよりも、自然に出来たモノの方が、感覚的に人間は美しいと感じるのだと思います。顔だって、シンメトリーが取れている方が美しいと感じるだろうし、目が大きくて、鼻が高くて、アゴがスッとしていて・・・と、沢山あるけど、でもね、左右非対称でも、目が小さくても、その全体のバランスとか、その人の内面から出る雰囲気で、美しいと感じる事ってあると思うんです。それが、本物の美しさですよね。

 

 

モンドリアンという画家がいるけど、彼の絵は全体のバランスで美しく見えるけど、本当なら、綺麗なマス目にした方が美しく感じるだろうけど、違うのよね。カンディンスキーも同じ様に、下手そうに見えて、全体は素晴らしくバランスが良い。人間の顔も同じなんです。美しく成形されたものは、美しそうに見えて、美しくないんです。

 

 

ジェシーは、自分が美しい事を自覚して、超!傲慢になって行くけど、甘いのよねぇ。美しいだけでは、世間は渡って行けないの。美しくて、頭も良く無いとね。この結末は、途中で予想が付きました。そうなるだろうなぁって。ちょっとネタバレになるけど、美しいものを身体に入れれば、自分も美しくなれるという、ホラー的な思想って私は解かるんだよなぁ。自分の血肉になると、その美しさが手に入るって、究極の美の追求なんだと思うんです。だから、彼女たちの気持ちも解るし、それを許せないジェシーの怨念も解るのよねぇ。ああー、怖ろしい・・・。

 

 

私には、まぁ、楽しいホラーに思えましたので、この映画、お薦めしたいと思います。でも、スプラッター系がダメな人は、辞めた方が良いかも知れません。ちょっと、グロい場面があるので、怖いかも。私は、超!楽しんじゃいましたけどね。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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