「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」の試写会に連れて行って貰いました。
ストーリーは、
イギリス軍の諜報機関で働くキャサリン・パウエル大佐は国防相のベンソン中将と協力し、ナイロビ上空を飛ぶドローンを駆使してロンドンから英米合同軍事作戦を指揮している。そんな中、大規模な自爆テロ計画の存在を突き止めた彼らは、アメリカ国内の米軍基地にいるドローン・パイロットのスティーブに攻撃命令を下すが、殺傷圏内に幼い少女がいることが判明。キャサリンは、少女を犠牲にしてでもテロリスト殺害を優先させようとするが……。
というお話です。
イギリス軍の諜報機関のキャサリン・パウエル大佐は、国防相のベンソン中将からの命令で英米合同作戦の指揮をしています。今は、ナイロビ上空を飛ぶドローンを使っての監視をしており、不穏な動きを見つけたら、直ぐに攻撃出来るように準備をしています。
ある日、大規模な自爆テロ計画を突き止め、指名手配されているテロリストを見つけ、追って行くと、ナイロビの町の一つに入って行きます。その家では、自爆テロ犯が集まっており、これから自爆テロに向かうために準備をしています。身体に爆弾をいくつも巻き付け、その身体で、犯行声明のビデオを撮影するんです。
そんなテロリストたちを殲滅すべく、ドローンで攻撃を仕掛けようとするのですが、その家の近所にパンを売る女の子が店を開き始めます。今、攻撃をすると、その女の子までもが爆破に巻き込まれてしまい、命を失う可能性が大きいんです。
攻撃をすれば無関係の女の子が死ぬことになり、攻撃をしなければ自爆テロにより何十人の罪も無い人々が死ぬことになります。キャサリンは、上司の指示を仰ぎ、国防相は司令部の合意を取り発射指示をするのですが、米軍基地のドローン操作官は、もう一度、審議をして欲しいと差し戻します。
キャサリンは国防相に差し戻し、審議は荒れて、法務担当が攻撃は止めた方が良いと言います。合意が出ず、外務相に支持を仰ぐのですが、外遊中で具合が悪いと言われ、引き伸ばされて行きます。しかし、今、テロリストを攻撃しないと、テロが実行され、沢山の犠牲者が出る事になります。このままでは埒が明かないと思ったキャサリンは、攻撃する位置を変更して、その少女に被害が出る確率を50%以下に抑えて欲しいと計算をやり直させます。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、凄かったです。密室の話なのですが、緊迫感が凄くて、大物俳優が凄いんですよ。これだけ揃って、この一瞬の判断をして行くっていう内容に痺れました。みんな責任を取りたくないんだけど、でも、どこかで決断しないとテロが起こる訳だし、この苦渋の決断を誰がするかっていうのが、押し付け合って、何か理由付けをしたくて、実際にこんなもんなんだろうなぁと思って、真剣な話なのに、笑いそうになってしまいました。
どんな仕事でもそうですよね。責任を誰もが取りたくないから、何とか言って、人に押し付けようとする。どの世界でも同じなんです。でも、この場合はどうなんでしょうか。私は、直ぐにスイッチを押すべきだと思いました。何故なら、彼らは職業軍人な訳で、彼らの顧客は国民な訳ですよね。ナイロビの女の子が顧客では無い。仕事とは、客の利益を追求するもので、損を与えないようにするべきなんです。
でも、ここに倫理観ってものが出てくる訳ですよ。倫理的にどちらを優先するべきかって事ですよね。私は、それでも、テロで沢山の人が死ぬよりも、その場にいる女の子一人を犠牲にする方が良いと思ってしまいました。普通の女の子で、良い子なんですけど、強欲という罪を犯すんですもん。
パンを売っているんだけど、彼女を家に帰す為に英米側の刺客がパンを全部購入するんです。お金を渡して立ち去ろうとするところに、テロリストの仲間が怪しい奴だと言って追いかけて来て、パンを落とすんです。そしたら、その女の子、拾って、また売るんですよ。既にお金を貰って、その人に売ったパンなのに、またそのパンで儲けようとする。それ強欲という罪ですよね。7つの大罪の一つだから、天罰が下ります。
ま、そんな事もあって、私は、スイッチを押しちゃえと思ったのですが、これは、難しい問題だと思います。簡単には結論が出ないですよね。そんな究極の選択を、この映画では描いているんです。本当に面白い映画でした。
そしてアラン・リックマンの最後の姿が観れます。やっぱりスネイプ先生、良いわ。とっても残念です。もっと観たかったです。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。この映画の副題「世界一安全な戦場」とあるのですが、世界一安全な場所でぬくぬくしているのが日本人です。戦いが起こっても、アメリカの兵士が戦ってくれるからと言って、お金だけ出しているんですから、、そりゃ、トランプさんだって怒るわなぁ。命はお金では買えません。そこら辺を、良く理解しないと、甘えている日本は、苦しい立場に立つことになると思います。そんな事を考えさせてくれる素晴らしい映画なので、ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場|映画情報のぴあ映画生活
2015年の東京国際映画祭で上映された「フル・コンタクト」も同じような作品です。
http://ameblo.jp/yukigame/entry-12087251969.html
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