「五日物語 -3つの王国と3人の女-」不思議な世界に美しい映像、残酷なファンタジーへようこそ! | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「五日物語 -3つの王国と3人の女-」を観てきました。

 

ストーリーは、

17世紀にイタリアで書かれた民話集「ペンタメローネ 五日物語」から3つの異なる物語を選り抜き、1編の物語として再構成したファンタジー作品。「母となること」「若さと美貌」「大人の世界への憧れ」、3つの王国に住む、それぞれの世代の3人の女たちが、自身の欲望を抱いていた。やがて彼女たちの願いはかなえられるが、その結果、彼女たちは運命に翻弄されてしまう。

というお話です。

 

 

3つのファンタジー作品で構成されています。まず、一つ目は。

ある王国の国王夫妻には子供が居ません。女王は子供が欲しいと願っているのですが、いつまで経っても妊娠の兆しが見えず、苦しんでいました。ある日、魔術師らしき男が現れ、女王に海獣の心臓を取ってきて、誰にも見られずに処女に調理をさせて、それを食せば直ぐにでも妊娠するでしょうと話します。付け加えて、何事にも犠牲が付き物だと言います。

 

 

国王は、女王の為に海へ潜って海獣を倒しますが、その時の怪我が元で亡くなります。女王は心臓を食べて、めでたく妊娠し、息子を産みますが、その時に心臓を調理した処女も、処女懐妊をし、息子を産みます。産まれは違えど、そっくりな2人の息子。2人は成長し、女王に会ってはいけないと言われても、コッソリ会っています。しかし・・・。後は映画を観て下さいね。

 

 

二つ目の話は、

ある王国の王は、快楽への依存が大きく、色々な所から女性を連れてきては自分の城のハーレムに侍らせていました。ある日、町へ降りると、美しい歌声が聞こえてきて、その女性に魅了されます。王が、その女性を望むのですが、実は、声は美しいのですが、女性は老婆であり、姿を見せる事が出来ず誤魔化していたのですが、とうとうどうしようもなくなり、王の前に出て行きます。

 

老婆を見た王は驚き、お前じゃないと言って、彼女を城の窓から放り投げてしまいます。落とされた老婆は木に引っかかり助かり、それを見た魔女が、老婆に言葉をかけると、老婆は若い姿を取り戻します。若くなり驚いた老婆が森を彷徨っていると、またも王と出会い、王は彼女を直ぐに召し抱えて城へ連れて行き、自分の妻とします。

 

 

老婆には妹が居て、若くなった姉を羨んだ妹は、姉にどうしたらそうなったのかを聞くと、姉は魔法だとは言えず、全身の皮を剥いで若くなったと話してしまいます。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

3つ目の話は、

ある王国の王には、美しく可愛い王女が居ました。早くに女王を失くした王は、王女を大変可愛がっていたのですが、早熟な王女は早く結婚して、色々な経験をしたいと思っていました。そんな王女を見て、王は、自分がコッソリ飼っていた巨大な蚤が死んだのを期に、誰も解らないだろうと、その蚤の皮を剥いで、何の皮だか当てた者に、娘を嫁がせると約束してしまいます。

 

 

蚤の皮だとは解らないだろうと思っていたのですが、山の岩場に住む巨人がやってきて、蚤の皮だと当ててしまいます。王が約束を破る訳にはいかず、王女を説得し、巨人に王女を嫁がせます。巨人は優しいのですが、王女は怖くて泣いて暮らし、岩場から助けを求めていると、崖の向こう側に居た女性が気が付き、王女を助けようとしてくれます。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

グリム童話とかアンデルセン童話とかの原作のように、とっても残酷なお話なのですが、とっても美しく描かれているので、ファンタジー好きには、好まれると思いました。私も、結構、楽しめました。一番お気に入りは、老婆が美しい若い女性に変身するお話です。これには、ヴァンサン・カッセルが出ていて、傲慢な変態王なんだけど、良く合っているんです。そんな王に見初められて、王妃になる老婆が凄かったな。皮を剥ぐと若くなるとか嘘ついちゃって、大変な事になってるんだけど、いくらなんでも、それはダメだよねぇ。

 

 

巨人の妻になった王女のお話なんだけど、巨人が怖いっていうのも解るけど、王女が我が儘過ぎて、同情出来なかったな。勝手に逃げないで、ちゃんと話しをして、説得をすれば良かったのになぁと思いました。だって、巨人は悪くないんだもん。可哀想でしょ。酷いなぁって思いました。

 

子供が出来ない女王が、魔法の力を使って妊娠する話ですが、どんな望みにも犠牲が必要と言われていて、確かに、どんな事でも犠牲って必要だよなぁとしみじみ感じてしまいました。大きな望みがあればあるほど、犠牲も大きくて、最後には自分に跳ね返ってくるんですよ。当たり前だからこそ、強欲は罪だと言われるんだと思うんです。小さな望みと、後は努力で手に入れることが一番なんです。苦労をせずに手に入れようなんて、無視が良すぎる。犠牲は当たり前だと解らせてくれる作品でした。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。ファンタジーが好きな方には良いのですが、ファンタジー系が受け入れられない方には、ちょっと難しいかも知れません。不思議なおとぎ話なので、理屈に合わなくても、受け入れないと楽しめません。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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