東京国際映画祭 2016 の20作目は、「空の沈黙」(コンペティション)を観てきました。
ストーリーは、
侵入者から妻への暴行を止められなかった男が、自責の念に苦しみ次の行動を思い悩む。妻も暴行された事実を隠し、二人の間には重い空気がたれこめる。極限状態に置かれた人間心理の奥底を見つめるスリラー。
というお話です。
2年何か月かを別居していたマリオとディアナの夫婦。元に戻る事になり、マリオは自宅へ帰って生活をする事になります。近日中に引っ越しをするというマリオと、彼を迎え入れるディアナ、そして子供達は何となく嬉しそうです。マリオはスペイン語を話し、ディアナはブラジル人でポルトガル語を話し、ちょっとの違いはありますが、また、夫婦としてやっていけるようになりました。
ある日、引っ越しなどで行ったり来たりしていたマリオが、家に帰ると、家の中で物音がして、妻の声がします。何だろうと家を覗くと、妻が男2人にレイプをされています。踏み込もうとするのですが、大きな男が2人なので、飛び込んでもやられてしまうと思い、石を持って踏み込もうとするのですが勇気が無くて入れません。レイプをして逃げて行く2人の男。妻は泣きながらシャワーを浴びて、マリオに電話をして、子供達を迎えに行って欲しいと頼みます。マリオは、それをこっそり外で見ながらも、言われるままに、子供達を迎えに行き、普通に振る舞いながら、家に帰ってきます。
ディアナは、レイプされたことをマリオに言えず、自宅のセキュリティー設備を増やし、何も無かったように振る舞うのですが、やはり心に傷を持ってしまい、夫にもよそよそしくなります。マリオは、ある日、写真の整理をしていると、レイプ犯の顔を見つけ、驚いて一緒に写っている息子に聞くと、知り合いの男性だという事が判ります。苦しむ妻の姿を見て、レイプされた時に踏み込めなかった自分を責め、レイプ犯に復讐をしようという気持ちになり、息子にその男が誰なのかを問い正し、男をつけ回し始めます。
男の行動を把握したマリオは、男たちに復讐を始めます。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、結構、最後の方で、衝撃的でした。まさか、そこまでやっちゃうの?っていうくらい、復讐をするので、驚いてしまいました。そこまでするなら、なんで、レイプされている時に踏み込まなかったのかと、どうしても思ってしまうのですが、それが出来なかったからこうなってしまったんでしょうね。
妻がレイプされていたら、大騒ぎして、警察を呼ぶのが普通じゃないの?コソコソ覗いているのって、おかしいでしょ。私なら、大騒ぎして、近所で銃でも借りて、その時に撃退するけどね。それが、普通ってもんじゃないの?なんで大人しくやられるままにしていたの?男たちが強そうだったから踏み込まないっていうのはおかしいでしょ。信じられませんでした。
女の立場から言うと、夫にそんな姿を見られていたと知ったなら、一緒に居られませんよ。まぁ、この夫婦は、別居していて、それぞれに恋人も居たんだろうから、もし、元カレとか元カノが犯人だったなら、別れるのに揉めたということで許されるのかな。でも、自分の気持ちとしては、耐えられないような気がしました。
それにしても、なんでお互いにもっと近寄ろうとしていないのかしら。折角、元鞘に戻ろうとしているのに、どちらもよそよそしくて、お互いに信頼して話をしているという感じには見えませんでした。夫婦なら、出来るだけ秘密は減らした方が良いし、私なんて、全部開けっ広げで、夫がこうした方が良いとか指示をしてくれるくらいなんです。夫にも悩みとかはあると思うけど、困ったら話して欲しいと言ってあるし、些細な事は、お互いがちょっとカバーすることで助かっていると思いますけどね。
スミマセン、そんなに感想にパワーが出ません。何故なら、妻がレイプされているのに、相手が強そうだからという理由でレヴィック
人種の壁、言葉の壁もあるのかも知れないけど、ここまで来たら、夫婦が分かり合って、お互いに助け合うようにしない事には、どうしようもないですよね。全てにおいて嘘をつくなとは言いませんが、やっぱり大切なところでは、真実を話し合う必要があるんじゃないかな。
私は、この映画、まぁ、お勧めして良いかなと思います。この分かり合えない夫婦が、どうやって、それを克服しようとしたのか。それが成功したのかという事を描いていて、悪い教訓となってくれるのではないかと思います。相手の事を思うなら、やっぱり話し合うべきだと思うので、それが出来ないのであれば、二人で考え直した方が良いのではと思う内容でした。日本公開は、ちょっと難しいかな。もし、観る機会があったら、ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
空の沈黙 http://2016.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=27