東京国際映画祭 2016 の16作目は、「アズミ・ハルコは行方不明」(コンペティション)を観てきました。
ストーリーは、
突如、街中に拡散される、女の顔のグラフィティアート。無差別で男をボコる、女子高生集団。OL安曇春子(28)の失踪をきっかけにひとつの街で交差する、ふたつのいたずら。なぜハルコは姿を消したのか?
というお話です。
OLの安曇春子、28歳は、この年になるまで、それ程の恋愛経験も無く、今も、実家で両親と認知症の祖母と同居しています。仕事は、小さな会社の事務員であり、30代後半の先輩女性を行き遅れと言って罵る男性上司たちを横目で見ながら、不満を募らせています。
ある日、久しぶりに会った同級生・曽我と何となく良い雰囲気になり、LINEの交換をします。何となく流されるまま、曽我と寝てしまった春子でしたが、大して盛り上がりも無く、付き合うでも無く、淡々と過ごし、時々会って寝るという関係でした。ある日、他の同級生と会うと、噂で曽我が先日結婚をした同級生の女性と不倫をしていて、夢中になってしまい、仕事も辞めたらしいという話を聞きます。驚いた春子は、曽我と会い、自分と付き合って欲しいと願いますが、曽我はその言葉を無視して、消えて行きます。思いを断ち切られ、呆然となった春子は何処へともなく消えて行くのか・・・。
キャバクラで働いていた愛菜は、成人式で同級生のユキオと学と久しぶりに会い、ユキオを好きになり、付き合って欲しいと告白し、付き合い始めます。学は大人しい性格でしたが、デザインの才能があり、カッコいい落書きをユキオと始めたら楽しくなってしまいます。そして、アズミハルコの行方不明の張り紙からインスパイアされたデザインの落書きを街中に描いて、街を騒がせることになります。ある日、学が女子高生に狩られた事により、落書き犯として捕まってしまいますが、ユキオと愛菜はバックレてしまいます。
一人で責任を負った学でしたが、そのデザインを認められ、デザイナーとして話題になって行きます。それを見たユキオは、学に乗っかって儲けたいと思い、ちゃっかり学に取り入り、おこぼれを貰おうと一緒にデザインユニットとして働き始めます。一緒に落書きをしていた愛菜は、ユキオにウザがられ、振られてしまい、街で有名になった学とユキオを見て、とうとうブチ切れてしまいます。そして・・・。
春子と愛菜のいる街では、少し前から、若い男性を狩っている女子高生集団が現れ、一人の男性をボコボコにして楽しむという犯罪が横行していました。狩っている姿を見た春子は、驚きますが、彼女たちは”男に復讐しているだけだ。”と言って去っていきます。
同じ時系列で進む、春子と愛菜と女子高生による暴行事件、3つが絡み合い、どうなって行くのか。アズミハルコは、何処へ行ってしまったのか。後は、映画を観てくださいね。
この映画、説明するのが難しいんです。時系列が行ったり来たりするので、時間的には、女子高生暴行事件が起きている期間中の最初の方で春子の出来事が、後の方で愛菜の出来事が関わってきています。春子と愛菜の関わりは、春子の同級生であり、愛菜のキャバクラの先輩の女性で繋がっていました。
女性がどうしても上手く生きて行けないイライラ感が良く描かれていて、解るなぁという感じがしました。生きて行くのが上手い女性と、上手く行かない女性と、二通り居るのよねぇ。私、自分は、どっちかと言うと、調子良く生きて行ってしまうタイプなので、そんな男、捨てちゃえよって思うんだけど、彼女たちにとっては、そうじゃないのよね。
春子の会社の上司にしても、女は20代で結婚しなければ売れ残りのカスみたいな言い方をしていたけど、こんな奴らが私の周りに居たら、殴っていると思います。おめぇらがカスなんだよってね。レベルの低い人間の言葉なんて気にする必要無いのですが、目障りだからね。
愛菜は、確かにウザいと思ったけど、ユキオの態度はムカつくよね。ウザいと思ったら、それを言ってちゃんと別れるとか、説明が必要でしょ。女子を低く見るなっつーの。誰にでも良い顔をして、美味しい所だけ取ろうと思っても、それを見ている人はいるから、ユキオみたいな男は成功しないですよ。
とにかく、この映画、最低男しか出てこないから、女子高生たちが復讐してくれているんだけどね。気持ちイイですよ、あれだけボコッてくれて。私も混ざりたいと思ったけど、きっと、誰もがそう思うんだろうな。やっぱりさぁ、女性も男性に対して言う事は言おうよ。男なんて宛てにして、媚びを売っても、何の得にもならないよ。自分は自分で強くなって、その上で、好きな男が出来たら、守ってやるくらいの気持ちで付き合わないと、楽しくないでしょ。守って貰っているように見せて、肝心なところで守ってやれば、男も逃げられなくなるんだから。若い頃は、そんな事に気が付かないんだろね。
そんな女性への応援歌のような映画でしたね。男のダメな姿も良く描いていると思いました。そうそう、春子の父親も、自分の母親が認知症なのに、全ての世話を妻に任せっきりで、最低男だなって思いました。曽我もユキオも、会社の上司たちも、最悪な男だったな。でも、こういう奴、多いですよ。もし、周りに居たら、ぜひ、ボコってやってください。(笑)
私は、この映画、お薦めしたいと思います。ぜひ、女性は観るべきじゃないかな。アホな男を血祭りにあげる女子高生を応援してあげて下さい。そして、大笑いしてね。これは、今年の年末に公開予定だから、ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
アズミ・ハルコは行方不明 http://2016.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=15
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