東京国際映画祭 2016 の15作目は、「私に構わないで」(コンペティション)を観てきました。
ストーリーは、
病院に勤務するマリヤナの人生は、望もうが望むまいが、彼女の家族を中心に回っている。強権的な父親、障害を持った兄、無責任な母親。彼らは小さなアパートで重なりあいながら、互いにイライラして暮らしている。そんなとき、父親が倒れ、突如としてマリヤナに家族の長としての責任が押し付けられてしまう。
というお話です。
病院に検査技師として勤務しているマリヤナ。彼女は、両親と兄と暮していますが、父親は、家の中では暴君のようで、家族に有無を言わせません。母親は自分勝手で、父親の言う事を良いように解釈し怠けているばかり。兄は障害を持っていますが、普通の生活をする上では全く支障がないように見えますが、甘やかされた為に何もやる気が無く、ただ、ぼーっと過ごしているだけ。そんな家族の為に、仕事をして、家族の世話もしているマリヤナは、そろそろキレてしまうのではないかと言うほど鬱屈していて、性格も曲がってきています。
ある日、父親が倒れ、寝たきりになってしまいます。今まで、家族を支えていた父親が居なくなり、家族を経済的に支えるのはマリヤナだけになり、その上、父親の介護、兄の世話など、全てがマリヤナに被って来てしまい、その負担は最高潮に達してしまいます。家族の為に、恋愛も出来ず、好きな事も出来ず、ただ、仕事と家族の世話のみになってしまっているマリヤナ。
もう、耐えられなくなり、仕事場では陰険な嫌がらせを影ながらしたり、街をふらついて出会った男と寝たりと、彼女は、その重圧に耐えられず、壊れて行きます。そして、そんな自分にも耐えられなくなったマリヤナは、家族を捨てて、その地を離れようと決意し、家を出るのですが・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画は、マジで可哀想でした。なんなのっ!この家族っ!まず、母親が一番最低ですね。だって、障害を持った息子を溺愛していて、その上、自分は何もしないんですもん。父親が元気だった時は、まだ、食事を作ったりしていたけど、うるさかった父親が倒れると、夫の介護も一切せずに、遊んで暮らしてばかり。好きなモノを買い、食べて、ぶくぶく太るだけ。もー、マジで只のブタじゃんって思ったのは私だけだったのかしら。
お兄さんも、障害があるからって、ただふらふらすんなっつーの。今は障害を持っていたって、頑張っている人達が沢山いるんだから、甘えてんじゃないよっ!全く、母親と同じようにぶくぶく太りやがって、許せんっ!!あ、スミマセン、つい下品になってしまいました。だって、あまりにも腹が立ったんですもん。
私なら、こんな2人は捨てて、さっさと出て行っていると思うな。父親は、病院に入れて、父親の面倒だけ見ると思うけど。父親は、とても傲慢だったけど、でも家族の事を考えていたし、支える為に必死で仕事をしていたから、マリヤナも、父親にはある程度の敬意はあったと思うんです。でも、あの母親と兄はダメでしょ。いや、マジで、あれは、キイッってなって、何かで殴ってしまいそうですもん。マリヤナは良い子だったんです。
でもね、家族って、誰かが誰かの為に犠牲になるというのは間違っていると思うのよね。家族なら、まず自分が家族の負担にならないようにと考えるのが普通だと思うし、自分が犠牲になるようなら、それを埋めてくれるほどに愛して欲しいんですよね。家族なら見返りを求めないなんて言うのは嘘で、家族だって、ちゃんと見返りが欲しいんです。愛して欲しいと思うんです。だから、マリヤナは、自分が犠牲になっていることにムカついているんじゃなくて、そんなにしているのに家族が愛してくれない事に苛立っていたんだと思うんです。可哀想だったな。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。家族というものの在り方を、結構、シビアに描いていて、何気ない一言だったり、仕草だったりが、心にグサッとくるような、そんなお話でした。これ、日本公開するかなぁ。ちょっと暗い映画なんだけど、こういう事で苦しんでいる人って、日本にも居ると思うから、公開して欲しいな。公開されたら、ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
私に構わないで http://2016.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=21