「世界一キライなあなたに」ラブストーリーというだけで無く、人間の尊厳とは何かと考えさせられる。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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涙活の試写会で「世界一キライなあなたに」を観せて頂きました。

 

ストーリーは、

性格は前向きなだが、夢にチャレンジすることに躊躇し、仕事を転々としながら、なんとなく毎日を過ごしているルー。彼女の働いていたカフェが閉店してしまい、職を失ったルーは半年限定で介護の仕事に就く。ルーが担当することになったのは、快活でスポーツ好きだったが、バイクの事故で車椅子生活を送ることとなった青年実業家のウィルだった。当初、ウィルはルーに冷たく当たるが、ルーの明るさがウィルの心を溶かし、やがて2人は互いに最愛の存在となっていく。

というお話です。

 

 

26歳のルーは、父親が失業し、家族を支えるためにカフェで働いています。しかし、イギリスの田舎の町は不況が広がり、カフェも閉店する事になってしまい、失業してしまいます。必死で仕事を探すルーでしたが、やる気だけはあるのですが、手に職が在る訳でも無く、仕事は見つかりません。そんな時、職安に6ヶ月間限定の介護の仕事が入ります。その介護の仕事は、資格も、特殊な技術も必要無く、身の回りのお世話と話し相手で良くて、男性の介護士が既に居るので、その補助的な仕事だけで良いものでした。お給料も良いので、ルーは、直ぐにその仕事に飛びつき、面接に伺う事になります。

 

 

キュートな衣服が大好きなルーですが、その時だけは、真面目な服装をして面接に行くのですが、スカートが裂けたりと散々な出来事があったにも関わらず、採用されることになります。面接してくれた女性の息子であるウィルの介護をする事になるのですが、ウィルは、お金持ちの御曹司であり、容姿端麗、頭脳明晰であり、仕事にも成功して、これからという時に事故に遭い、脊椎損傷してしまい、首から下がほとんど動きません。唯一、指だけが少し動きます。彼は車椅子生活を送っていて、治る見込みはありません。

 

身体の動かない自分に絶望し、性格も捻くれてしまっていたウィル。そんなウィルの手伝いをする事になったルーは、彼のあまりの意地悪さにちょっと辟易してしまいます。それでもルーは、持ち前の明るさで仕事を投げ出さず、そんな彼女の一生懸命さに、ウィルも少しづつ心を開いていきます。

 

 

そんなある日、ウィルの恋人だった女性が、ウィルの親友と結婚するという報告を受けて、平気な顔をしながらも、落ち込んでしまうウィル。でも、自分の身体がこうなってしまったから仕方ないのだと諦め、吹っ切れているような態度を見せるのですが、彼の辛さを理解しているルーは、彼の為に出来る事を考え、行動し始めます。

 

実は、ルーは、ウィルの御両親がウィルについての話をしているのを聞いてしまうんです。その話は、ウィルが6ヶ月後に自分の人生にピリオドを打とうと、スイスの安楽死協会に連絡して、その手続きをしているという事でした。ルーは、あと半年の内に、ウィルに生きる選択をして貰おうと、彼の為に、色々な楽しい事を探すことでした。

 

 

ルーは、ウィルと一緒に、沢山の初めてのやりたい事を探して出かけて行く内に、段々とウィルに惹かれてしまい、彼のことが好きになってしまいます。何としても、自分と一緒にウィルにも生きて欲しいと思い、頑張ってしまうルーですが・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

この映画、すっごく良かったです。好きになった人が、死を選ぼうとしている時、どうやって生きる事を選択させようかと奮闘するのですが、それは、大変な事ですよね。だって、ウィルは、セレブで容姿端麗、スポーツ万能、頭も良くて会社経営も成功していたんです。だけど事故で首から下が動かないとなったら、もう、絶望しかないでしょ。美しい彼女と付き合っていたのに、もう、下半身は動かないしね。脳は正常なのに身体が動かなかったら、性欲とかどうなっちゃうんだろう。これは辛いだろうなって思いました。

 

 

ルーは、あまり考えて無い、元気な女性って感じでした。天然ぽかったけど、でも人の気持ちは、とっても良く解ってあげられる人なんです。だから、誰からも好かれる女性です。そんな彼女が好きになったウィルは、自分の前から消えようとしていて、彼女は、どうしても自分と一緒に居て欲しいと思うんです。そりゃ、こんなに優しいウィルと出会って、一緒に生活をしていたら、一緒に居たいと思うよなぁ。私だって、そう思うもん。

 

 

ま、でも、色々あるんですよ。だけどね、身体が動かなくて、自分がやりたいと思っていた事が全て打ち砕かれたら、もう、何も自分の中に残っていなくて、死んでしまいたいと思う気持ちも解るんです。人に迷惑をかけたくないし、不自由な自分を見られたくないと思うと思います。だって、それまでの自分は、完璧に輝いていたんですから。人間の尊厳って、そういうところだと思うんですよ。無理をしてでも生きるという選択と、美しい自分を覚えていて欲しいと思う選択と、それは、本人しか決められません。周りが色々言っても、無理ですよ。だけど、好きな人が出来たら、ちょっと考えて欲しいよね。

 

「最強のふたり」というフランス映画があったでしょ。それもウィルのように脊椎損傷で身体が動かない男性と介護をする人の話なんだけど、それとはちょっと違う方向に行きましたね。最後は、本人が決める事であり、決めてしまったら、それを尊重して、助けて行ってあげるようにするのが、生きている人間の務めなのかなって思います。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。自分が、何かの拍子で障害を負ってしまったら、どんな選択をするだろうかという事を考えさせられました。ただ、生かされれば良いという選択では無く、”生きる”のか、”終わる”のか、それを選ぶ事が出来るのかということを考える映画だと思います。女子は泣けるよぉ~!カップルで!ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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