「みかんの丘」アブハジア紛争を知らなかったので、チェチェン辺りはどこも問題なんだと知りました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「みかんの丘」の試写会に連れて行って貰いました。

 

ストーリーは、

アブハジア自治共和国のエストニア人集落。この集落ではみかん栽培が盛んだったが、ジョージアとアブハジア間の紛争により、多くの人が帰国してしまった。しかし、みかんの収穫が気になるマルゴスと、みかんの木箱作りのイヴォの2人は集落にとどまっていた。ある日、マルゴスとイヴォは戦闘で負傷した2人の兵士を自宅で介抱する。1人はアブハジアを支援するチェチェン兵、もう1人はジョージア兵で、彼らはお互い敵同士だった。同じ家に敵兵がいることを知った兵士たちは殺意に燃えるが、イヴォは家の中では戦わせないことを告げ、兵士たちは戦わないことを約束する。数日後、事実上アブハジアを支援するロシアの小隊が集落にやってきた。

というお話です。

 

 

グルジアが独立を宣言し、アブハジアも統合すると主張したため、アブハズ人たちは統合されることを拒み、アブハジア自治政府として独立を宣言したのですが承認は得られず、一度はグルジアに攻め込まれ負けたものの、北コーカサスなどの義勇軍に助けられ、再びグルジアとの交戦に入りました。アブハジアに秘密裏に支援していたのがロシアであり、勢いづいたアブハジアは優性になり、グルジアを押し始めます。

 

 

グルジアの西部にあるアブハジア自治共和国のエストニア人の住んでいる地区では、みかん栽培が盛んでした。そこでは紛争が絶えず起きていて、いつどちらが襲って来るか分かりません。みかんの収穫時期なので、気になって逃げる事が出来ずにいるマルゴスと、みかんの木箱作りのイヴォは、その土地を離れられず、留まっていました。

 

 

ある日、自分たちの家の前で諍いが起こり、戦闘になってしまいます。アブハジアを支援するチェチェン兵とグルジア兵の戦いでした。何人かの兵士たちが死に、負傷したものの、生きていたチェチェン兵のアハメドと、グルジア兵のニカを、マルゴスとイヴォは助けます。家に運び込み、手当をし、介抱をするのですが、お互い敵同士でいがみ合ってしまいます。

 

マルゴスは2人に、家の中では戦わせないという約束をさせて、身体が戻るまでは助けることに同意します。しかし、数日後、アブハジアを支援するロシア軍がやって来て、家にいるのは誰だと問い正します。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

 

ロシア、グルジア、チェチェン、アルメニア、アゼルバイジャンなど、コーカサス地方と呼ばれる場所は、マジでいつまで経ってもまとまりがつきませんね。何なんでしょ。色々な民族が混在しているからと言いますが、上手く折り合いが付かないもんですかね。いつまでも紛争のニュースばかりで、そろそろいいんじゃないのかなぁと思ってしまうのですが、どうなんでしょ。民族の問題って、そんなに簡単な事じゃないとは思いますが、住んでいる人同士がいがみ合うのもどうかと思うんですよ。問題だなぁ。

 

 

マルゴスは、みかん農園をやっていて、何も無ければ、普通に収穫して出荷するという、何処にでもある農家だと思うんです。それなのに、いつも紛争を恐がりながら作業をしなければならないし、家族も紛争によって引き裂かれてしまっているんです。そんな彼が、最後まで守っているみかん畑で、戦いを始めるなんて、許せなかったと思います。それでも、耐えて、怪我をした兵士たちを介抱し、匿うなんて、本当に、何とも辛い事だと思いましたが、怪我人をほおっておく訳にはいきませんもんね。

 

 

怪我をした兵士たちも、最初はいがみ合っているのですが、一緒に暮らす内に、お互い、人間であり、普通の生活を持っているのだという事を知ると、敵とは見なせなくなるんです。そりゃ、そうですよね。敵だと思うから倒したいと思うけど、人間だと認識すれば、そこには人生があるのだから、無下に殺せなくなりますよね。戦争になったら、相手を人間だなんて思っていないですから。というか、人間だと思っていたら戦えないでしょ。

 

酷い紛争の中、敵同士でも人間という事を理解し合うことが出来たのは、本当に良かったのではないでしょうか。その結末は言いませんが、戦争は起こしてはいけないと思いました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思いますが、全体に暗くて、途中、眠くなります。淡々と話しが進みますし、何とも言えない暗くて重い空気がずーっと流れているので、私も、途中、ウトウトし掛けました。でも、紛争が起きてしまうので目が覚めましたけどね。暗い単館系映画なので、そういう映画が好きな方にはお薦めしたいかな。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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