「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」を観てきました。
ストーリーは、
貧困層が暮らすパリ郊外のレオン・ブルム高校。様々な人種の生徒たちが集まる落ちこぼれクラスに、厳格な歴史教師アンヌ・ゲゲンがやってくる。情熱的なアンヌは、生徒たちに全国歴史コンクールに参加するよう勧めるが、「アウシュビッツ」という難解なテーマに生徒たちは反発する。そこでアンヌは、強制収容所の生存者を授業に招き、彼らの経験を語ってもらう。その壮絶な話を聞いた生徒たちは、その日を境に変わっていく。
というお話です。
パリ郊外のレオン・ブルム高校は、貧困層が住む地域にあります。その地域には、難民など、多種多様な民族が集まっていて、それぞれに宗教が違い、色々な問題が多々ある地域なんです。そんな地域に立つレオン・ブルム高校には、沢山の民族の子供たちが集まり、それぞれに宗教が違うので、諍いが絶えません。
そんなブルム高校の教師、アンヌ・ゲゲン先生は、とても真面目で厳格な先生なのですが、自分の担任クラスの成績が悪く、何をやっても、まとまりが在りません。このままでは、クラスの大半が退学となったり、落第となったりしてしまいます。そこで、ゲゲン先生は、全国歴史コンクールにクラスで出場し、「アウシュビッツ」に関しての発表をしましょうと話します。
もちろん、そんな面倒な事は嫌だとクラスの生徒たちは騒ぎますが、やりたい人間だけで良いからと言われ、真面目な生徒たちと、少し興味がある生徒たちが資料を集め始めます。人種も宗教も違う生徒たちは、考え方も何もかもが違います。ですが、アウシュビッツというところで、戦争時代に酷い虐殺が行われ、罪もない人々が殺されることになったと言う事を知り、その真実を知りたくなって行きます。
アウシュビッツから逃れられた人の話を聞いたり、歴史博物館で勉強をしたりと、生徒たちは、1人また1人と増えて行き、発表資料はどんどん増えて、沢山の歴史の真実を明らかにして行きます。そして発表コンクールに出場し・・・。後は、映画を観て下さいね。
とっても良い映画でした。バラバラのクラスが、一つにまとまって、コンクールというものに向かって突き進んでいくというお話で、この間までやっていたTBSドラマ「仰げば尊し」にとっても良く似ています。うーん、どうしても、学校ものっていうと、こうなっちゃうのかな。だって、クラスの構成とか、先生とか、ほとんど被ってましたもん。これ、学園ものというと、王道なんでしょうね。これも実話なのですが、たまたま、クラスに多種多様な生徒が居て、先生が熱血だと、こんな風にまとまって、良い話になるのかな。不思議です。
多種多様な生徒が居ると言う事は、そのクラスの中で、一つの世界が出来上がっているということだから、やり方さえ間違えなければ、必ず、上手く育つのかも知れません。その中だけで、上手く循環出来るから、外からの影響が少なければ、上手く生徒が育つんだろうなぁ。
それにしても、たくさんの宗教が集まる学校というのは、大変そうでした。だって、お祈りも違うし、食べ物も違うんでしょ。服装だってそれぞれだろうし、面倒でしょうね。映画の最初に、イスラム教の女性が、頭に布をかぶって学校に入って来て卒業証書をくださいと言うと、その被っているモノを取れば卒業させますと突っぱねるんです。多種多様な宗教があるので、みんな平等ということで、学校内でヒジャブを被るのは禁止になっているので、学校の校則に従えないなら渡せないと言う事らしいのですが、素晴らしいと思いました。学校では、自分の宗教を押し通しちゃダメだよね。みんな一緒に生活してるんだから、同じようにしないと。ま、校則は守らないこともあるけどね。(笑)
アウシュビッツをテーマに発表というのは、上手いなぁと思いました。それなら、どの宗教の生徒も取り組めますもんね。今、ナチス党は無いと言う事になっているし、アウシュビッツの虐殺は歴史的な事件であり、宗教を抜きでも考えられる事なので、先生、イイとこ突いてるなぁと思いました。でも、そろそろナチスを悪者扱いにして、他の問題を片づけちゃうっていうスケープゴート的な使い方は止めて欲しいなぁ。ドイツの人達だって、可哀想じゃん。彼らが悪い訳では無いし、産まれてくる子供に罪は無いんだから。ユダヤ人も、いつまでもアウシュビッツで同情を買うのは辞めた方が良いんじゃないの?事件はあった事だから、良い教訓として語り伝える必要はあると思うけど、そろそろイイっしょ。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。王道の崩壊学校再生ドラマなので、楽しめると思いますよ。私は、そろそろ、ちょっと鼻に付いてしまっていますが、それでも、観ると、感動しちゃうので、ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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