舞台「BENT」を観てきました。

ストーリーは、
1930年代。ドイツの首都ベルリンは、退廃を主張する街と化している。独裁と暴力の影は、そんな享楽の都にも忍び寄りつつあった。
不穏な空気に気付かぬかのように、マックスは、クスリをさばくなど、アヤしげな小遣い稼ぎをしては日々をしのいでいた。夜になれば妖艶な女装のオーナー・グレタが経営し、恋人のダンサー・ルディが働くクラブに入り浸り、泥酔しては好みの男を持ち帰る。まるで欲望と快楽が自分の生きる証とでも言うように。
その日、マックスが連れ帰った男は、ウルフと名乗る金髪のイケメン。翌朝目覚めて記憶が無い事にうろたえるマックスに、ルディは皮肉まじりの対応をする。3人の間にぎこちない空気が流れる中、突如、激しくドアを叩く音が。なだれ込んできたのはナチスの親衛隊。間一髪でマックスとルディは部屋を脱出するが、それは長い逃亡生活の始まりだった。
ナチスは同性愛者を自党の政治に害をなす疫病患者として徹底的に狩ろうとしていた。国内を転々と逃げ隠れする2人。マックスは、叔父フレディに助けを求めるが果たせない。やがてルディの油断から2人はとうとう捕えられてしまう。
強制収容所への輸送列車の仲、ルディはナチスから激しい暴行を受ける。動揺し、恋人を救おうとしたマックスを制止したのは、同性愛者を示すピンクの星をつけさせられたホルストだった。輸送列車の地獄を生き抜いたマックスは、収容所で最下層の同性愛者のピンクではなく、ユダヤ人を示す黄色の星を付けていた。生きる為にマックスが行った取引の結果だ。
マックスは、自分の持てるもの全てを使い、所内でも比較的安全な「石運び」の仕事に就き、そこへホルストを呼び寄せる。彼らの仕事は、ひたすら岩を右から左へ、またその逆へと移し続けるものだった。単調な仕事と過酷な環境が肉体と精神を苛むなか、2人は少しづつ互いの距離を縮めていく。
触れることも、視線を交わす事も出来ない2人。それでもそこに、確かに「愛」はあった。収容所での苛烈な日常は、2人をさらなる極限状態へと追い詰めて行く。マックスとホルスト。死を突きつけられた彼らの選択とは・・・。
という内容です。
この舞台を観て、初めて、同性愛者が、こんなにも虐げられていたことを知りました。ユダヤ人よりも酷かったんですね。本当に驚きました。ユダヤ人を迫害するというのは、まぁ、そういう宗教を排除するということなので、分からないでも無いのですが、同性愛者を排除するって、おかしいでしょ。それって、好みの問題だけじゃん。まるで、言いがかりのような感じで、マジで許せないなぁと思いました。
マックスは、育ちが良かったのだと思いますが、何か困難な事になっても、誰かが助けてくれると思っているような男性です。お金が無くても、何とかなるくらいにいつも思っていて、自堕落な生活を送っているんです。その時は、ナチスの親衛隊の中にも、同性愛者が多数居て、その時は、全く、逮捕されるなどは無かったのですが、親衛隊の同性愛の隊長か何かが失脚したのを皮切りに、同性愛者は、すべて粛清されるようになるんです。昨日までは、大切に扱われていた人達は、次の日には、殺されるようになるんです。ナチスって、マジで狂っていたとしか思えません。でも、それが現実だったんですよね。
そして、どんどん追い詰められていくマックスは、酷い収容所の中でも、何とか生き残ろうと頑張るんです。自分を押し殺してでも、生き抜くために、色々な手を考えつくのですが、それが長引いていくと、さすがに、段々とおかしくなっていくんです。恐ろしいでしょ。
自分の働き場所にホルストを呼んで、せめて、気が狂わないように、こっそり会話をしながら、仕事を続けるのですが、それでも、どんどん苦しくなって行くのが目に見えて解るんです。そして、ある事件が起こるんです。辛かったなぁ。
そんな酷い状況の中でも、必死で生きぬこうとした人々が居た事が、この舞台で判りました。ユダヤ人の収容所よりも、もっと酷いんだから、こちらをもっと描けば良いのに、今までは、あまり描けなかったのかしら。でも、誰かが伝えて行かないとね。
私は、この舞台、お薦めしたいと思います。酷い迫害を受けながらも、必死で生き抜いた同性愛者の真実が描かれています。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
BENT / PARCO STAGE http://www.parco-play.com/web/play/bent2016/
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