「二重生活」誰もが一人の自分で無く、いくつもの面を持って生活している。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「二重生活」の試写会に行って来ました。

アメブロのAmeba Meister運営局より、体験会のプレゼントで試写会が当たり、行って来ました。トークショー付きでしたよ。楽しかったです。


ストーリーは、

ある大学院生が近所に住む既婚男性を尾行することで、他人の秘密を知ることに興奮を覚えていく。大学院の哲学科に通う珠は、担当教授のすすめから、ひとりの対象を追いかけて生活や行動を記録する「哲学的尾行」を実践することとなる。最初は尾行という行為に戸惑いを感じる珠だったが、たまたま近所に住む石坂の姿を目にし、石坂の姿を追う。一軒家に美しい妻と娘と暮らす石坂を、珠が尾行する日々が始まった。
というお話です。


二重生活

大学院生の珠(タマ)は、修士論文のテーマで悩んでいました。担当教授・篠原に相談していると、ソフィ・カルの「本当の話」を元に、身近に住む他人を尾行して、その行動を観察して、人とは何かという哲学を文章にしてみたらどうかという提案を受けます。悩んだ末、自分のアパートの前の家に住む、裕福な家庭の夫を備考することに決めます。

近所の石坂は、妻と小さな娘が一人。出版会社に勤めており、親から譲り受けた大きな家に住んでいます。尾行を始めた珠は、彼の何をやっていてもそつなくこなしている姿を見て、尊敬するように見ているのですが、彼が、妻以外の女性と不倫をしている現場を見てしまいます。浮気相手は、デザイン事務所をしているようなクリエイターらしく、とても情熱的に見えました。

二重生活

石坂には、妻に見せる完璧な夫の姿と、浮気相手と情熱的に求め合う姿の二つの面があることに気が付き、驚くとともに、どんどん興味が出てきてしまい、尾行が辞められなくなってしまいます。尾行を続けていると、今度は、妻が石坂の浮気に気が付いたらしく、夫を責めて、浮気相手を追っていく姿を目撃します。全てをずーっと影から目撃していた珠でしたが、既に石坂に見つかってしまっていて、妻に頼まれて尾行していたんじゃないかと疑われ、必死で違う事を説明します。

一方、教授の篠原は、年老いて末期がんの母親を抱えていました。独身で、母親を安心させていないことに気を病んでいた篠原は、ある女性を母親に紹介して、安心させるのですが、そこには深い秘密が隠されていました。

二重生活

珠は、石坂に尾行がバレてしまい、対象者に気づかれない事という制約に反してしまったので、今度は篠原教授を尾行することにするのですが・・・。後は、映画を観てくださいね。


この映画、面白かったです。人って、正直に生きたいとは思っていても、自分の中でも矛盾が生じているし、何事も完璧になんて無理ですよね。だから、どうしても、息抜きが必要になってくるし、もちろん、一人になりたい時だってある訳でしょ。だけど、それを正直に夫に話したり、妻に話したりすると、私と居るのが息苦しい訳?とか言われちゃって、気まずくなったりするのよね。そうなるのを避けるために、ちょっと嘘をついてしまったりするじゃないですか。そういう嘘って、人を傷つけない為の嘘だと思うから、私は、良い嘘だと思うんだけど、そういう嘘だって、嘘は嘘でしょって思っちゃう人も居るのよね。世の中、上手く行かないよなぁ。

二重生活

何でも正直に言い合おうとか、どんなに好きでも無理でしょ。誰にでも秘密はあるし、例えばそれを知ってしまっても、知らない振りをしてあげる優しさもあると思うし、その人にどんな顔があろうと、ある程度は許してあげようよ。ま、浮気は良くないから許せないなぁと思うけど、ま、ちょっとなら良いじゃないですか。

女性にありがちなんだけど、何処までも相手を疑って、スマホをチェックしたり、財布をチェックしたりってあるでしょ。自分は、平気で浮気をするくせに、相手には許さないっていう、何とも自己中心的な考え方なんだけど、それって、スゴイ束縛ですよね。相手は、自分だけじゃないと許せないけど、自分はたくさん欲しいって言う事でしょ。


二重生活

何処までも強欲で、そういう人ってストーカーになりやすいと思うんだけど、この珠ちゃんも、尾行を始めたらもっと知りたくなるって、スゴイ欲望ですよね。やっぱり、尾行って、お金を貰ってやる人以外は、ストーカーの要素があると思います。いくら論文の為でも、あり得ないと思いました。


追われる方になったら、気持ち悪いですよね。どこに行っても、同じ奴が付いてくるなんて、恐いし気持ち悪い。まして、男を女が、女を男が、尾行していたら、そりゃ、何かあるかと思うでしょ。この石坂さんだって恐かったと思うよ。まして、浮気していたんだから、妻が気が付いて調査を依頼しているんじゃないかって思うよなぁ。可哀想でした。うふふ、ちょっと笑っちゃうけどね。


二重生活

石坂に対して、篠原教授の二面性は、とっても興味深いものでした。こんな男性って、きっと居るだろうなって思える様なシチュエーションで、なんで誰も彼を助けてあげなかったんだろうって思ったけど、彼も助けて欲しいって言える人じゃなかったんでしょうね。プライドばかり高いのはダメですよ。辛い時は辛いって言えるようにならないと、誰も助けられないの。何でも正直に話すのは無理でも、辛い時に辛いって言う一言は、言おうよ。それはプライドを捨てることじゃなくて、素直に救助を求める言葉だから、恥ずかしくはありません。

二重生活

あー、なんか、この映画、スっごく面白かったから、感想が長くなっちゃって、菅田くんの事とか、全然書けなかったわ。また、他の時に書こうかしら。私は、超!超!超!お薦めしたい映画です。これは、ぜひ観てみて欲しいと思います。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




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