「太陽」太陽の下で不健康に生きるか、電灯の下で健康に生きるか、どちらが幸せ? | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「太陽」を観てきました。


ストーリーは、

21世紀初頭、ウイルスによる人口激減から、なんとか生き残った人類は、心身ともに進化しながらも太陽の光に弱くなり夜しか生きられなくなった新人類「ノクス」と、ノクスに管理されながら貧しく生きる旧人類「キュリオ」という2つの階層に分かれて生活していた。ある日、村でノクスの駐在員をキュリオの男が惨殺する事件が起こった。この事件により、ノクスから経済制裁を受け、キュリオはますます貧しくなっていった。

というお話です。


太陽

近未来、ウィルスにより人口が激減し、わずかに残った人類は、ウィルスに対抗できる身体を持った「ノクス」と、旧人類と言われるウィルスに対する抵抗が無い人間の「キュリオ」の二つに分かれていました。「ノクス」は、ウィルスに対抗は出来ているのですが、光りに弱くなり、光りの無い夜に活動をするようになり、日中は室内で生活を余儀なくされ、完璧な健康管理の下で生きるようになりました。「キュリオ」は旧人類として、以前と同じように昼に働き、夜に寝ると言う生活を送っているのですが、科学的進歩は無く、古い生活様式から変わる事が出来ず、貧困な生活を送り、「ノクス」に施しを受けるような生活をしています。

太陽

この「キュリオ」に生まれ育った鉄彦と結。子供の頃から、同じ村で一緒に生きています。鉄彦の母方の叔父が、その昔、「ノクス」を殺してしまったことから、この村は「ノクス」から制裁を受けていて、物資の補給などが制限され、貧しい生活を送っていました。


鉄彦が19才になったある日、「ノクス」からの使いが来て制裁を解くといい、それに伴い、20才以下の子供から年間1人だけ「ノクス」になりたいと希望する者を、「ノクス」に変身させるという制度があり、鉄彦は、こんなに貧困なまま生活をして行くのを嫌がり、「ノクス」への変身に応募します。結は、「ノクス」になる気は無かったのですが、ある出来事により、この場所に居る事が嫌になり、「ノクス」を希望します。結の母親は、実は、父親との離婚後、「ノクス」になり、あちらの世界で再婚をして、良い生活を送っていました。そんな母親の元に行く事を希望したんです。


太陽

「ノクス」と「キュリオ」の世界の境界の監視員である森繁は、そこに鉄のマスクを持って訪ねてきた鉄彦と出会います。鉄彦は、太陽の光の元でも「ノクス」が生活を出来るように、鉄でマスクを作り、「ノクス」に被って貰って、一緒に生活が出来ないのかと考えていて、森繁と仲良くなり、彼にマスクを付けさせて、アイディアを貰っていました。2人は仲良くなり、鉄彦は、「ノクス」になりたいと森繁に話すのですが、森繁は、「ノクス」は良い事ばかりでは無く、全て遺伝子で判断されてしまい、仕事から結婚からを管理されてしまうということを話します。


太陽

どちらの世界にも、それぞれに問題があるので、もっと広い世界を見るために、2人で旅に出れたら良いと、夢のような話をしているのでした。そんなある日、鉄彦の叔父が村に戻って来て・・・。後は、映画を観て下さいね。

私は、舞台「太陽2068」という、蜷川版「太陽」を観たんです。ストーリーは同じなのですが、やっぱり、ちょっと雰囲気が違ったかなぁ。下記が、舞台の感想です。

「太陽 2068」   http://ameblo.jp/yukigame/entry-11901430421.html


太陽

話としては、こんな世界だったら、どちらが幸せなのかという事を問い掛ける内容で、展開も上手く、面白かったです。人間らしい生活って、何なんだろうと思いました。人間は、便利になると良いと思い、色々な開発をして、病気も治るような研究をして、何処までも幸福を追求して行くという姿勢である事は良いと思うのですが、人間としての自由を温存する為には、どこかで手を止める必要があるだろうし、人としての”心”を持ち続けるということを大切に思わないといけないんじゃないかなと思いました。

「ノクス」という新人類は、感情が薄くて、何をやるにも、淡々と進めていくような傾向にあるようでした。だから、「ノクス」の中でも、森繁は、珍しく感情を持っていて、夢を持てる人間であったんです。それが境界線の警備員になっていると言うのも良かったんでしょうね。というか、感情を持っているからこそ、警備員という職に就かされていたのかも知れません。

太陽

この話の中で、四国にだけ、「キュリオ」が自由に生活が出来ている地域があるという話が出てきて、鉄彦の叔父は村から逃げ出し、そこへ向かうのですが、その試みは失敗したようで、四国は無法地帯になっていて、沢山の死人が出ているようでした。人間って、誰か、統率する人が居なければ、こうなってしまうんですかね。人間って、マジで最悪だなって思っちゃいました。自分もその1人なんですけどね。

この世界に生きるなら、私は、やっぱり「キュリオ」かな。生まれた時に、自分の人生が全て決まってしまうなんていう「ノクス」だったら、生きる意味が無いような気がするんです。自分で道が選べないなんて、息苦しくて、死んでしまいます。ただでさえ、息苦しいのにさ。(笑)貧困でも、「キュリオ」でもがきながら生きたいと思った私でした。

太陽

私は、この映画、お薦めしたいと思います。本当は、舞台の方がお薦めしたいけど、いつもやっている訳では無いし、映画でも、十分、話の面白さは伝わります。キャストも良かったですし、まず、映画で押さえておくべきだと思いました。その内、舞台で観れる機会があったら、行ってみても良いと思いますよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




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