イタリア映画祭、12作目は「地中海」を観ました。
ストーリーは、
ブルキナファソで娘と暮す若いシングルファーザーのアイヴァは、より良い暮らしを夢見て、憧れの地、ヨーロッパに働きに出る事を決意する。広大な北アフリカの砂漠を縦断する徒歩の旅についたアイヴァと親友のアバスは、途中、盗賊団の略奪に遭いながらも、どうにかリビアの港に到着する。そしてさらにボートで地中海を渡る危険な船旅の末に、南イタリアのロサルノの町にたどりつく。
しかし、命がけの旅の果て、異郷の地で彼らが得た職は、オレンジ農園での過酷な労働と、地元の若者たちからの敵意に満ちたまなざしだった。男は低賃金での日雇い労働、女は娼婦として働くしかない現実を前に、内向的なアバスは失望と不満を募らせていく。一方、アイヴァは、その仕事ぶりが認められ、次第に雇い主から親しく接して貰えるようになるが、それも束の間、警察が市街地からの移民たちの立ち退きを強行したことがきっかけで暴動が勃発する。そして・・・。
というお話です。
これ、私も解説を書こうと思ったのですが、内容が上記と全く同じ事しか書けないので、省きますね。あらすじ通りの話で、それ以上のものがありません。イタリアでは、移民の問題が大きくなっているようですね。まぁ、今、ヨーロッパ全体がそうなんだと思うけど、でも、本当に困ってしまいます。だって、その国の人々だって、生活が大変だっていう時に、移民にまでお金を回すことが出来ないですよね。日本だって、もし、大陸続きだったら、同じ問題が起きていた訳で、続いていなくても、これから、問題が大きくなって行くかもしれない。

移民の方々は、可哀想だから無条件に受け容れてあげたいけど、移民してくる人達も、その国のルールに従わなくちゃいけないですよね。元々住んでいる人達が居るんだから、その人達に合わせることが必要だと思うし、もちろん、その国で犯罪をしようなんて事は、絶対に許されないと思います。飼い主の手を噛むみたいなもんでしょ。それって、ダメだよね。

この映画の中で、移民のアイヴァは、真面目に必死で働いて、お金を娘に送るんです。雇い主にも好意を持たれて、上手く行きそうなんだけど、でも、雇用契約は結んでもらえないんです。この雇用契約というのは、まぁ、正社員になれるかアルバイトかという感じですかね。アルバイトだと、イタリアでは、家を借りることが出来ないんです。だから、正社員になりたいんだけど、雇い主は、正社員にしてしまうと、色々な制約が出て来てしまうし、もし、経営が辛くなってもクビに出来ないから正社員にしたくないでしょ、それと同じなんです。

移民のアイヴァは、家が借りられず、不法占拠的な感じで空部屋に住んでいて、で、ご近所の方たちと問題になって行くんだけど、これ、どうしようもないよね。だって、雇用主は、契約を結びたくないでしょ。契約が無くちゃ、部屋が無いでしょ。空き部屋に勝手に住んだら、不法占拠になる訳でしょ。治安も悪くなるから、元々の住民は怒るよね。かと言って、行政は何もしないんでしょ。そりゃ、問題だよ。
でも、行政が何かするには、税金が必要で、税金は市民が払っている訳で、何で移民の為に税金を使わなくちゃいけないんだって事になるわなぁ。私だって、納得いかないもん。そうなってくると、じゃ、移民に出て行って貰おうって事になるよね。でも、移民も、国に帰っても、仕事が無いんでしょ。

出来れば、自分の国で解決して欲しいんだけど、難しいのかしら。他の国からの経済援助とかで何とかならないのかしら。労働者が沢山いるなら、そこに工場でも立てて、生産をさせれば良いんじゃないの?簡単じゃないのかな。アフリカ全土が、治安が悪い訳じゃないと思うんだけど、難しいのかしら。
この問題は、何処まで行っても、解決が付かない感じなのよね。どれ程、問題定義をしても、既にこう着状態に陥っていて、難しそうだなと、この映画を観て思いました。

私は、この映画、まぁ、問題を提議するには、良い映画かなと思います。でも、解決のつかない事なので、観ていて辛かったです。途中で眠くなっちゃうし、うーん、辛かった。日本公開は判りませんが、もし、観られる機会があったら、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんでくださいね。

イタリア映画祭 2016 http://www.asahi.com/italia/2016/