イタリア映画祭、11作目は「俺たちとジュリア」を観ました。
ストーリーは、
ディエゴ、ファウスト、クラウディオは、冴えない40代男。現実を打破し、新たな人生の「プランB」を実行すべく、ホテルを開こうと南イタリアの農場付き物件を訪れる。見ず知らずの3名は、共同経営者として物件を買い、農場に移り住む。共産主義の夢に敗れた元活動家セルジョは、ファウストに借金の取立てに来て、そのまま共同経営者に混ざってしまう。放浪の果てに父親のわからない子を妊娠中のエリーザは、クラウディオが以前やっていた惣菜屋のアルバイトで、ホテルのメイド謙コックとしてホテルに来ることになる。
5人は、家の改装を始め、ホテルとして開業出来るように動き出すのですが、その地域を仕切る犯罪組織カモッラの一員ヴィートが、古いアルファロメオ・ジュリアで乗り込み、”みかじめ料”を要求する。しかし、彼らはヴィートを監禁し、車を庭先に埋めてしまう。しだいに仲間意識の芽生えたヴィートやガーナ移民アブーの助けを借りつつ、カモッラの嫌がらせをかわして、5人は食堂付きのホテルの開業にこぎつける。地中の車のカーステレオから不意に流れる音楽が話題を呼び、彼らの元に予約が殺到するが、カモッラの大物を監禁したことから形勢は逆転し、5人は聞きに陥る。そして・・・。
というお話です。
ディエゴは、車販売店で働いています。既に40代ですが、結婚はしていなくて、入院している父親が心配しています。病院に面会に行くと、夢を持たないで仕事を続けているだけでは、幸せにはならないぞと言われ、考え込むディエゴでしたが、その後、直ぐに父親が亡くなってしまい、父親に言われた言葉に従って、夢を見てみようと思いたちます。
不動産雑誌で見つけた、郊外の大きな農家が破格の値段で売りに出ているので、それを購入して、何かしようと、物件を見に行きます。すると、物件の見学に来た人物が他に2人も居て、3人で物件を見る事とします。案内に来た不動産屋は、広告の値段は間違いで、もっと高いことが判るのですが、3人で購入して、ホテルとして営業すれば、夢は叶うし、お金も回収出来ると相談し、現場で出会った、ファウスト、クラウディオとディエゴは、共同経営者として、物件を購入する事とします。
ホテルを開業するためにリフォームを始めた3人ですが、彼らには経験が無く、反対に壊すばかり。そこへ、ファウストに借金を取り立てに来たセルジョが、ファウストに金が無いことが判り、自分も混ざって、金を回収すると言い、リフォームをいとも簡単に始めてしまいます。セルジョのおかげで、ホテルは見る見るうちに、素晴らしくなり、さぁ開業となるのですが、そこへ、アルファロメオのジュリアに乗った男が現れ、ここはオレたちギャングの縄張りだから、みかじめ料を払えというのです。既に、リフォーム代などでお金を使い果たした彼らはお金を払えないので、その男・ヴィートを監禁してしまう。
ヴィートを監禁してしばらくすると、今度は2人のチンピラが現れ、ヴィートは何処に行ったと訪ねてくる。彼らもみかじめ料を要求して来たので、またも、監禁してしまう。ギャング3人を監禁し、どうしたら良いものかと考えていると、またもギャングが現れ、今度は、幹部クラスの奴らしい。もう、仕方ないので、またも監禁してしまう。
ギャングとの問題がある一方、ホテルは、盛況になっていく。何故なら、ヴィートを監禁した時、彼の車をプール予定地に埋めて隠したのですが、その車のステレオが壊れていて、時々、クラシックが地中から聞こえてくるんです。それを隠す為に、ディエゴは不思議なおとぎ話を考え、その話が話題を呼び、人が集まるようになったんです。
ホテルは盛況ですが、一方で、ギャングとの問題が膨れ上がり、もう、二進も三進も行かなくなった彼らは・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、面白かったです。大笑いしちゃいました。ちょっとぉ~って言うくらい、アホなんだけど、でも、憎めないし、ま、仕方ないかって思えて、なんか、気持ちが軽くなるお話で、これは、イイよね。
ディエゴっていう、車の営業マンだったダメ男の彼が、段々と、”イイ”男になって行くんです。他の3人も、何となく、イイ奴じゃんって思えて、やっている事はマジでおバカなんだけど、助けてあげたくなっちゃうのよねぇ。だから、エリーザという女性が、掃除も料理も全部完璧にやってあげちゃう気持ちが解らんでもないなぁって思っちゃいました。ま、エリーザが、とんでもなくイイ女なんだろうけどね。
若い頃って、あれになりたいとか、こんな仕事がしたいとか、夢が沢山あるんだけど、学校を出て、仕事を始めてしまうと、もう、働くのに精一杯で、夢なんて目指していられないのが現実ですよね。かと言って、仕事を辞めてしまうと、生活が出来ないし、どこの国でも、同じなんだなって思いました。で、ディエゴは、父親が亡くなったのを期に、心機一転するんです。スゴイ勇気だと思うけど、でも、やってみないと分からないものね。この勇気を分けて欲しいよ。
んで、ホテルを開業したは良いけど、ギャングにみかじめ料を払えって言われちゃうのよ。もちろん、警察にも言おうとするんだけど、警察もズブズブなのよね。というか、警察さえも賄賂を要求する始末。もー、最悪なんだけど、とても良い物件であったことは確かなの。だから、3人が買っちゃったのも、解らないでもないんです。
それにしても、お金を払いたくないから、ギャングを監禁するっていう発想が、何処から出てくるのよ。普通なら、殺しちゃうでしょ。肝心なところで、悪どい事が出来ないところが、可愛いでしょ。そして、どんどん監禁する人が増えちゃうっていうのも、大笑いでした。
これ、ぜひ、日本公開して欲しいなぁ。こんなに面白いのに、映画祭だけじゃもったいないよ。マジで笑ったよ。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。やっぱり、イタリアはコメディが良いなぁ。気持ちが軽くなるよ。嬉しいっす。もし、日本公開が決まったら、ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
イタリア映画祭 2016 http://www.asahi.com/italia/2016/