「母よ、」を観てきました。
ストーリーは、
恋人とも別れ、娘の進路問題も抱え、兄とともに入院中の母親の世話をしている映画監督のマルゲリータ。撮影中の新作映画は、アメリカ人俳優バリー・バギンズが撮影に参加した途端、思うように撮影が進まなくなる。ストレスが募る中、追い討ちをかけるかのように、病院から母親の余命宣告を受けてしまう。
というお話です。
映画監督をしているマルゲリータ。最愛の母親は、既に高齢になり、身体の不調があり、病院に入院させます。そんな母親の介護をしながら、別れた夫との間の娘の進路問題もあり、悩みは山ほど。仕事と介護と娘に精一杯の彼女は、付き合っていた恋人とも上手く行かなくなり、別れる事に。
新作の仕事も入り、撮影が始まって、主演のバリー・バギンズが参加したとたんに、撮影が上手く回らなくなり、彼に振り回されてしまいます。スタッフとの間にも亀裂が入り、若手のスタッフは彼女の意図が読み取れません。イライラが募って行く中、母親の病院の医師から呼び出され、話を聞くと、母親の余命宣告を受けてしまいます。
高齢だし、治療の方法も無いので、そのまま入院を続ける事となるのですが、検査入院だと聞かされていた母親は、家に帰りたがります。只でさえ忙しくて、病院に来るのが大変なのに、家に帰って介護は出来ないと思い、入院していて欲しいと話すマルゲリータですが、孫娘に帰りたいと何度も話している姿を見ながら、申し訳ないと思うマルゲリータでした。
仕事との掛け持ちにイライラしてきたマルゲリータは、毎日、兄が食事を作って、母親に届けに来ているのを見て、仕事は大丈夫なのかと聞くと、兄は、両立する事が難しいので、仕事を辞めたと言います。仕事を捨てられず、介護も満足に出来ず、娘の気持ちも解らない自分は何なんだろうと思い始めたマルゲリータは・・・。後は、映画を観て下さいね。
うーん、あまりスッキリしなくて、もやもや~とした感じがありましたが、一応、落ち着くところに落ち着いたかなという感じでしたかね。有りがちなパターンではあると思いました。国は違えど、誰もが、介護というものに対して陥りがちな出来事が描かれています。
今までは、活動的で、尊敬していた母親なのに、今は、トイレに行くにも大騒ぎで手間がかかるとなれば、キレちゃうことだってありますよね。仕事も忙しくて、何も捨てないでやろうと思ったら、そりゃ、ダメだと思います。人間、何もかもを完璧に熟そうなんて、無理なんですよ。だから、何かを犠牲にしないと出来ないんです。でも、ここで間違えてはいけない事は、何を選ぶかって事。選ぶものを間違えると、いつまでも、自分の心に”しこり”が残る事になります。ま、残らないと言う人も居るかも知れないけど・・・。
でもね、私が思うに、そんなに介護を真剣にやるべきじゃないと思います。側に付いていてあげるのは良いけど、介護ばかりでキーキーしてしまうと、介護されている方の方だって、気持ちが参ってしまうから、程よく、人を頼って、息抜きした方が良いですよ。本当は、簡単な仕事でもやった方が良いのではと思います。何事も、良い”塩梅(あんばい)”というものがあるから、集中してしまわないように、気を付けた方が良いかな。

話戻して、この映画、良いことを描いているんだけど、眠くなりました。だって、大人しい映画だと言う事と、結果、やっぱりそうなるのねっていう話だったので、良い映画なんだけど、不満が残りました。私は、最後まで、自分のやりたい事も捨てないと思うけどな。どちらも程々という事にして、完璧を目指さずに続ける事なら出来るから、人を頼り、信頼して、どれも続ける事が、何に対しても、責任を持つと言う事なんじゃないかと私は思うからです。それには、信頼できる人を作っておかなければならないので、1人で強く生きてきた人間には難しいかも知れないけど、でも、強く生きている人が、強い人間とは限りません。
私は、この映画、まぁ、お薦めしても良いかなと思います。良いことを描いているのは確かですが、とても静かな映画だし、やはり、お決まりのコースを辿るので、介護系の映画を何本か観ている方には、ちょっと物足りなく感じるかも知れません。ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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