「無伴奏」を観てきました。
ストーリーは、
日本中の学生たちが学生運動を起こしていた1969年の仙台。同級生とともに学園紛争を行っていた女子高校生の響子は、友人に連れられて足を運んだ喫茶店「無伴奏」で、大学生の渉とその仲間たちと出会う。パッヘルベルの「カノン」をリクエストする渉に興味を抱いた響子は、次第に渉に強く惹かれていく。
というお話です。
1969年の仙台。ある女子高で、大学の扮装をまねて、学校側と闘っている女子がいました。名前は野間響子。家は普通のサラリーマン家庭であり、高校3年になる時に、父親の転勤により、家族は東京に行ってしまい、それまでに住んでいた家に父方の叔母が住む事になったので、そこに一緒に住んで、仙台で高校を卒業することになっています。学校に対して、制服の撤廃を求めて、集会をしたり、ビラを撒いたり、大学生さながらの運動をしていました。
しかし、所詮は真似事。そんな運動が通る訳も無く、響子は、友達と何となく退屈な日々を過ごしていました。そんなある日、「無伴奏」という喫茶店に初めて入ります。そこは、コーヒー一杯でクラシックを聞かせてくれる喫茶店。喫茶店の壁にスピーカーが取付けられており、そのスピーカーに向かって、学校の教室のように同じ面に向かってソファーに座り、音楽を聞くんです。
その喫茶店で同席した男性・堂本渉と知り合い、その友人たちの関祐之介、高宮エマとも仲良くなって行きます。それから、いつも4人でつるんで遊ぶようになり、響子と渉は付き合い始めます。2人は、親密になって行くのですが、何故か、いつも関が2人を冷たい目で見ている事が気になり始めます。響子は、いつも関と一緒に居なければならない事に不満を言い始め、渉に詰め寄るのですが、渉は、離れたいけど、離れられないんだよと話します。その意味が分からず、響子は悩みます。
そんな時、関と付き合っていたエマが妊娠したと告げます。一瞬、驚いた顔をした関でしたが、直ぐにエマに優しくするのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。
うーん、古い時代を描いた映画で、イマイチ、時代背景などが分からずに、それほど感動は出来ませんでした。学生運動が盛んな時期だと言う事は解るのですが、映画を観た感じでは、それくらいの事を仙台でやっていても、何の役にも立ってないじゃんって思ったのは私だけなんだろうか。学生運動って、あんなことをやっていたんですかね。無駄な事をしていたんだなぁ。まぁ、今みたいに、ネットもないし、発言する場所も無かった時代だろうから、仕方が無かったのかしら。とても不思議でした。
そんな時代に、クラシックを聞かせてくれる喫茶店って、これも、すっごく不思議でした。音楽は、家で聞けばいいじゃん。それも、人と向かい合うのではなく、みんな同じ方向を向いていて、何やってるんだろうって感じで、吹き出してしまいました。音が良かったのかしら。でも、あの四角い部屋には、反響を抑える措置もされていなかったし、なんだかなぁと思いました。
響子は、自分より少し大人っぽくて、ストイックな渉に惹かれていくのですが、その渉に影のように寄り添っているのが関なんです。関は、エマという彼女がいて、彼女との付き合いも順調にいっているのに、何故か、2人だけでは無く、4人でつるむことを好んでいるんです。まぁ、それには訳があるのですが、この時代は、性に関して、今よりももっと開放的だったように思うのですが、そうでも無いんですかね。三島由紀夫の時代だから、結構、イケイケだったのかなって思ったんだけどな。
いやぁ、あの、誰が誰とくっつこうが、何をしようが、別に良いんですけど、人に見せつけないでよ。男だろうが、女だろうが、私は、何度も言っているように、自由を尊重するけど、でも、見せないでっ!キモち悪いからっ!服を着ているとこまでにして欲しいっす。そこまでなら、美しいと思って終われるから、お願いしますよ。
それにしても、好きな人を異性に取られたらどうなんだろうか。夫に話してみたら、女が女に取られるより、男に取られた方が、敵対心が湧かないんじゃないの?って言われました。根本的に好き嫌いが違うから、勝った負けたじゃないから、許せるんじゃない?って言われて、うーん、と悩んでしまいました。確かに、勝った負けたではないけど、何か、”トンビに油揚げをさらわれた”ような気持ちになって、呆然としてしまいそう。しばらくは、男を欲しいと思わなくなるかもなぁ。(笑)
ま、ラストは、ショックな内容でしたが、面白く観させていただきました。結構、”えっ、そうなるんだ!”って感じでしたよ。思っていたよりも、最後の方に、大きく展開して、驚きました。
私は、まぁ、お薦めしても良いと思います。凄く面白いかと言われると、古い時代のお話だし、ちょっと退屈な部分も多かったけど、時代に関しての事以外は、結構、楽しめました。ショッキングなシーンもあって、驚きましたよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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