「リップヴァンウィンクルの花嫁」を観てきました。
ストーリーは、
SNSで知り合った鉄也と結婚することになった派遣教員の皆川七海は、親族が少ないため「なんでも屋」の安室に結婚式の代理出席を依頼して式を挙げる。しかし、新婚早々に鉄也が浮気し、義母から逆に浮気の罪をかぶせられた七海は家を追い出されてしまう。そんな七海に、安室が月給100万円という好条件の住み込みのメイドの仕事を紹介する。そこで知り合った破天荒なメイド仲間の里中真白と意気投合した七海だったが、真白は体調がすぐれず日に日に痩せていく。そんなある日、真白はウェディングドレスを買いたいと言い出す。
というお話です。
皆川七海、20代中盤から後半の女性だと思いますが、それまで、あまり男性と付き合うなどをしてこなかった女性に見えます。彼女は、そろそろ結婚という周りの雰囲気に伴い、自分も彼氏を作るために、出会い系サイトに登録し、鉄也という男性と知り合います。そして、順調に付き合いを進めて、鉄也と結婚をすることに。ネットで知り合ったので、それ程、相手の事を知ることも無く、結婚に至ってしまいます。
それまで、彼女は、学校の派遣教師をしていましたが、教師にも関わらず、声が小さく、生徒にマイクを用意されてしまう始末。学校からも、生徒に舐められてしまうということで、契約解除をされてしまいます。そんな時に結婚が決まったので、上手く寿退社という事にしたのですが、最後まで生徒にはバカにされてしまいます。
七海は、出会い系サイトで鉄也と知り合う前から、SNSに、”クラムボン”というハンドルネームで自分の思いをつづっているのですが、結構、シビアな書き込みをしており、ポンポン拍子に決まった鉄也との結婚式で、鉄也に「こんな事を書いている女性がいるけど、もし相手の男性が書き込みを知ったら、ショックだろうね。」と言われ、”クラムボン”は私では無いと嘘をついてしまいます。
嘘と言えば、この結婚式で、鉄也の親族に対して自分の親族が3人くらいしかいない為、SNSで知り合った”ランバラル”に何でも屋を紹介してもらい、何でも屋の”安室ユキマス”に、親族のダミーを依頼し、鉄也の親族に合うような数をそろえて、結婚式に挑みます。何とか、結婚式を無事に済ませた七海は、それまでの派遣の教師の職も無く、専業主婦として生活を始めるのですが、夫・鉄也の浮気を疑い始めます。
浮気を感じた時に問い詰めれば良かったのに、黙って生活をしていたら、浮気相手の彼氏という男が現れ、責任を取って欲しいと七海に詰め寄ります。仕方なく、話をしようとすると、二人に仕返しをしてやりましょうと言って、七海に迫ってきます。断る七海でしたが、後日、その時の写真とビデオが夫の母親に浮気の証拠として渡り、息子と別れるようにと言われてしまいます。
鉄也の浮気と思った出来事は、母親が”別れさせ屋”に頼んだ為の罠であり、その罠にはまってしまった七海は、言い返すことも出来ずに、無理やりに別れさせられてしまいます。鉄也は、マザコン男であり、七海を一切庇う事も無く、あっさり別れてしまいます。
一人で何も失くしてしまった七海は、どこかの町のホテルに泊まりながら、アルバイトをしているのですが、そこに”安室”から連絡があり、結婚式のダミーのアルバイトを依頼され、やることになります。傷心の七海に、そのアルバイトで知り合った真白と仲良くなり、SNSのハンネを交換します。
その後、しばらくして、”安室”から、またアルバイトを頼まれ、1ヶ月100万円でメイドの仕事をして欲しいと言われます。そんなに割の良い仕事は無いので、それまでのアルバイトを突然辞めて、メイドのアルバイトを始め、その屋敷に行ってみると、先に仕事に付いていた真白と再会します。そして、二人でのメイドの仕事を始め、楽しい毎日を過ごし、どんどん仲良くなって行きます。
ある日、二人で出かけた時に、真白がウエディングドレスなどを扱うウエディングショップを見つけ、ウエディングドレスを着てみようと言います。二人でドレスを身に着け、記念に写真を撮ってもらい、ドレスを購入して、家に帰ります。
ドレスを購入した二人は、ベッドに寝ころび、会話を始めますが・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、長いんですよ。3時間もあるので、あらすじも長くなってしまいました。ゴメンナサイ。映画としては、素晴らしい出来であり、私は、大好きと言って良い1本のなったのですが、この主人公の七海ちゃん、ツッコミどころが山ほどある、とんでもないダメ女なんです。
まず、SNSで簡単に男を見つけて、表面のみを信じて結婚してしまったこと。そして、マザコン男の母親に罠にかけられ、あっさり離婚してしまう事。アホでしょ。ちゃんと、言う事は言わないと付け入れられるだけなんだからね。それに、こんな分かり易い罠にハマらないでください。どう考えても、あの男、怪しいでしょ。
次に、人を信用してしまうと、どこまでも信用してしまう事。”安室”の事、信用しすぎでしょ。SNSで出会った男を、そこまで信用してどーするっつーの。騙し易過ぎる~。私も、七海ちゃんみたいのが居たら、ぜひ、騙させてもらいたいっす。(笑)

この”安室”さん、まぁ、ガンダム世代の私には、ランバラルやアムロなどなど、美味しいところばかりで、嬉しくなりましたが、こんなにオタクで良いのかしら。ユキマスって・・・。(笑)それに、この男、すごく仕事にはシビアですよね。映画を観て頂けば判りますが、”何でも屋”と言うからには、引き受けた仕事は、完璧にこなす男です。それは、もう、どんな仕事でも、依頼を受けたならば、どんなに酷い事でも、平気な顔をして人を騙し、無理強いはせずに相手を陥れるという事に長けています。これをホラーと言う方もいらっしゃいますが、仕事として受けたんだから当たり前。仕事の一環です。もし、自分が好きな人で、やりたくなければ断れば良い。断らなかったんだから、彼にとって、彼女も道具の一つなんです。

この”安室”という名前、最後の最後で、この名前の意味と掛け合わせていたのではないかと思ったのは、AV女優の母親が、娘の仕事を認めないと言いながら、裸になって娘の仕事を理解しようとする場面があり、この場面、”アムロ”が母親に会って、母親に拒絶されホワイトベースに戻るのを、母親が涙ながらに砂漠に膝間づいて追いすがる姿と重なりました。同じように”安室”も、母親に拒絶された過去があるのかも知れないと思ってしまいました。知っている人は解りますよね。母親は、何故、その仕事をしなければならなかったのか、何故、続けなければならなかったのか、理解出来ない、イヤ、したくないんです。
もっともっと、深い部分があるのですが、もう、既に、すごく長くなってしまったので、もし、機会があったら、また、感想を書きますね。この映画、3時間にも関わらず、とても面白い内容でした。

私は、超!超!お薦めしたいと思います。やっぱり、岩井監督作品、イイなぁ。好きです。本当に好きです。面白かったなぁ。ゆっくり観ていたい作品でした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。

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