舞台「家庭内失踪」を観てきました。
ストーリーは、
高校の教師をしていた野村は定年退職をして、年齢とともに性的不能の気配を見せ始めていた。年の離れた後妻・雪子は、そんな野村をなぐさめながらも、心の中ではむしろ喜んでいるようだ。というのも、雪子には、先妻の子供であるかすみが結婚した夜に、夫の性的欲求に耐えかねて別居を申し入れたが、野村に却下され、別居がかなわなかった出来事がわだかまりとして残っていた。
そんな夫婦の元に、かすみが出戻ってくる。もう夫の元には戻らないというかすみは、野村家で暮らし始め、夫婦の様子を観察し、その事を日記につけているようだ。「かすみ日記」と名付けられたその日記に、かすみから見た夫婦の有様がつづられている。
野村家には、かすみを連れ戻そうとする夫・石塚の名を受けた彼の部下・多田が時折訪ねてくる。説得に来ている訳だが、かすみは応じない。そして、煮え切らない多田の報告にじれた石塚に頼まれたという第二の男・青木も出現する。かすみと多田、そして青木。かすみは多田が雪子に会いに来ているらしいと疑うが、果たして?
また、野村のもとには望月という変な男が訪ねてくる。近所のアパートに住んでおり、いつも変装してやってくる彼は、家に妻を残して失踪しているが、実際には近くに住んでいて妻の様子を見ている。もう1年になる状況を、望月は野村に報告しているのだった。
ややこしく絡み合った、6人の男女の関係。人の心理が操り、操られ、じわり、じわりと、関係の様相が変化していく。
というお話です。
岩松さん演出の舞台です。結構、岩松さんの作品は観ているのですが、どーも、映画に出演されている姿が印象的で舞台の演出家の顔が、どーも直ぐに思い浮かばないんですけど、でも、観ると、すごく面白いんですよね。いつも最後に、人間って、しょうがないことばっかりしてるけど、なんだか、愛しいよねぇって思えるような感じで、ほっこりするんです。あ、でも、”シダの群れ”シリーズは、ちょっと違うかな。(笑)
今回は、風間さん演じる、定年した夫と、後妻の雪子の微妙な関係が、周りの変化によって変わって行くんですけど、結構、生々しい夫婦の関係が描かれていて、ちょっとハズかしくなりました。だって、一度、どちらかが、夜の関係を拒んでしまったら、その後の夫婦関係って、辛くなると思うのよ。気まずくなっちゃうから、また、元のようにやってみようと思っても、言いだすのが難しいよなぁ。そんな微妙な雰囲気が描かれていて、なんか、生々しかったのよね。
そんな夫婦を側で見ている娘なのですが、継母だから、そこら辺が、また、難しくて、冷静に見ているつもりなんだろうけど、やっぱり、本当の母親じゃないって感じが、ちょっと入っていたりして、そこに超えられない壁のようなものが見えるのですが、それが、段々と変わって来て、壁が低くなって行くというか、消えていく感じがあるんです。そこが、また、良かったな。

私は、この舞台、お薦めなのですが、もう東京は終わっています。これから地方を周ると思うので、もし、機会があったら、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「家庭内失踪」 http://www.satv.co.jp/0500event/20160403kateinaisissou.html
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