「白鯨との闘い」の試写会に行ってきました。「ぴあ」のご招待でした。
ストーリーは、
1819年、一等航海士オーウェンと21人の仲間たちは、捕鯨船エセックス号で太平洋を目指す。やがて彼らは驚くほど巨大な白いマッコウクジラと遭遇し、激闘の末に船を沈められてしまう。3艘のボートで広大な海に脱出した彼らは、わずかな食料と飲料水だけを頼りに漂流生活を余儀なくされる。
というお話です。

1819年、オーウェンは航海から帰ってきて、妻の妊娠を喜びながらも、次の航海の準備に入ります。次は、船長として船に乗せてもらえるという約束があったのですが、会社に行ってみると、またも航海士として乗船して欲しいと言われ、船長には、その町の捕鯨の名家の息子・ジョージが付くことになってしまいます。起こったオーウェンですが、今回の航海で鯨油を2000樽、持って帰れば、次回は船長にしてくれるという念書を貰い、渋々、了承します。

鯨を追って、大西洋を周るのですが、鯨は全く現れません。小さな鯨の少ない油だけで帰る訳にはいかず、ある港で話を聞いていると、太平洋の随分行ったところに、沢山の鯨が居る場所があるが、そこには悪魔が居るから行きたくないと言っている船員を見つけます。話を詳しく聞いてみると、確かに鯨は居るのだが、大きな白い鯨が襲って来るのだと話します。ジョージとオーウェンは、鯨が捕まえられるなら、そこへ行ってみようと考え、太平洋沖へ向かいます。すると、そこには鯨の楽園のような場所があり、鯨が沢山いたのですが、銛を打とうとすると、何処からともなく白い鯨が現れ、船を襲ってきます。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

あのメルヴィルの白鯨の元になった話しがこんなに壮絶だったなんて、驚きでした。これ太平洋の日本近郊になるのかな。アメリカと日本の中間くらいかしら。よく、小型の船で助かったと思います。信じられませんでした。普通なら全滅している状態だと思います。
まず知らなかったのが、石油が見つかる前は、鯨さんから油を、取ってたんですね。身体の中に、特に頭の中に、あんなに油を蓄えているなんてビックリ。まして、その油の光で、人間が生活していたなんて、考えられません。あれだけの油なら、冷たい海に長時間泳いでいても、大丈夫だよね。鯨さんって凄い!石油が見つかったから、捕鯨をしなくて良くなったんですね。いやぁ、恥ずかしながら、この映画で知りました。
白鯨を読んだ時も、この映画を観ても、やっぱり人間の身勝手さを感じます。自分たちが生きる為に鯨さんを殺すんでしょ。仕方ないとは言え、やっぱり敬意を表して、無駄な殺生はしないようにしないと。もちろん、牛さんだって、豚さんだって、鶏さんだって、みんな命があって、一緒に暮らしていたら意思の疎通だって出来るのに、私たちは食べてるのよね。昨日、花子さんだった牛さんが、牛肉になって出てくる。ありがたいと思わないと。
この映画を観ると、命って事を本当に考えてしまいます。船員たちが生き残るために、ある事をして生き延びるのですが、そのある事と、鯨さんを殺すことは同じ事なんです。同じ命で、同じように意思がある。自分たちが生きる為に必要だからって事なんです。何とも言えない辛い選択です。
オーウェンと鯨さんが、相対する所があるのですが、鯨さんがオーウェンの目を見て訴えるんです。もう、俺たちに手を出すな。家族に手を出すなって。もう、涙が出ました。鯨さんも必死だったんです。白鯨にとっても、家族を守るための戦いだったんです。人間も、それを理解して狩りをしないとね。無駄な殺生はせず、命に感謝すること。これが大切でしょ。
現代では、あんなに問題になってるんだから、捕鯨、辞めれば良いのに。鯨さんを食べる必要って無いでしょ。他に家畜で補えるんだから。食べたいっていう欲で捕鯨するなら、我慢しようよ。あの眼を見たら、そんな気持ちになりました。捕鯨の伝統があるとは思うけど、相手にも意志があるんです。考えて欲しいなぁ。
ぜひ、楽しんできてくださいね。

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