「消えた声が、その名を呼ぶ」アルメニア人の虐殺という悲劇により引き裂かれた父娘の絆。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「消えた声が、その名を呼ぶ」を観てきました。


ストーリーは、

1915年の第1次世界大戦中、オスマン帝国のマルディン。アルメニア人の鍛冶職人ナザレットはある日突然、憲兵によって妻や娘と引き離され、砂漠に強制連行される。激しい暴行を受け、声を失ったものの奇跡的に生き延びたナザレットは、生き別れた家族に会うため灼熱の砂漠を歩き、海を越えていく。やがて8年の歳月が流れ、地球を半周したナザレットは遠くアメリカのノースダコタへとたどり着く。

というお話です。


消えた声が

オスマン帝国は、13世紀末からその勢力を伸ばし、中東を収めるほどに拡大し、ヨーロッパまでも侵攻していたのですが、18世紀には衰退が始まり、20世紀初頭、オスマン帝国の力はほとんど無くなり、第一次世界大戦で、帝政の廃止となってしまいます。


オスマン帝国に住むマルディンは、第一次世界大戦時に憲兵に連れて行かれ、戦争の為の道路建設に従事させられます。妻や娘と引き離され、強制労働をさせられ、身体も心もボロボロ。仲間は、身体を悪くして亡くなってしまったりで、いつまで続くのかと考えていたら、戦争が終わり、これで解放されるかもとおもったら、今度は拉致されて、アルメニア人労働者は虐殺されていきます。

消えた声が

マルディンも殺されそうになるのですが、マルディンに手をかけた人物がどうしても人を殺す事が出来ず、傷を付けただけで致命傷は施さず、後から戻って来て、マルディンを助けてくれます。しかし、喉を切られた為に、声が出なくなってしまいます。しかし、命は助かり、その場から逃がしてもらえます。


マルディンは、何とか家族の連れて行かれたらしい難民キャンプもどきにたどり着くのですが、そこには義姉が居て、今にも死にそうになっていました。話を聞くと、既に妻は亡くなっていて、双子の娘たちは、トルコの農民に預けられたと教えてくれます。きっとどこかで生きているハズだと思い、娘を訪ね歩き、色々な町を周り、荒野を旅して、アレッポに流れ着きます。アレッポの石鹸工場に拾われ、そこで働きながら、娘の居所を探し始めると、キューバの渡ったらしい事が分かります。

消えた声が

今度こそ、娘たちと会えるのではと期待し、お金を貯めてキューバへ渡るのですが、教えて貰っていたアルメニア人の所には居ず、結婚するはずだった人との結婚も取り止めていて、フロリダの縫製工場で働き始めた事を知ります。縫製工場に電報で問い合わせをすると、既に1か月前に辞めているとのこと。しかし、フロリダに行ってみないと手掛かりが無いので、今度はフロリダに向かう事に。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

このお父さんは、娘を訪ねて三千里、と言う感じで、何処までも娘を探して、旅をして行きます。それは、もう、長い長い旅でした。辛くて辛くて、何度も挫折しそうになるんだけど、絶対に諦めないんです。これは、家族愛ですね。本当に感動でした。

消えた声が

まず、オスマン帝国という国が、どうやって出来て、どうやって無くなったのかを知らなかったし、どの部分がオスマン帝国だったのかも、今回の映画を観て、調べて、初めて知りました。こんなにオスマン帝国って強くて、沢山の国を支配していたのに、なんで、あんまり映画が無いのかしら。オスマン帝国の歴史とかを映画にしたら、とっても面白そうなのになぁ。この国は、信仰の自由が与えられていたから、イスラム系のトルコとキリスト系のアルメニア人が一緒に住んでいたのに問題が起きなかったんでしょうね。その衰退によって、キリスト教が迫害=アルメニア人の虐殺に繋がってしまったのでしょう。

消えた声が

そんなオスマン帝国の末期、迫害される側になってしまったマルディン。それまでは、鍛冶屋として真面目に働き、幸せな家庭生活を送っていたのに、突然、家族と引き離され、過酷労働、妻は死に、娘はどこに行ったか分からない。酷い話です。娘を探す途中に、辛い事もあるんですよ。ネタバレ出来ないけど、辛い選択をする場面もあったりして、見ていられないような場面もありました。一つ言っておくと、キリスト教は、自殺は許されません。だから、キリスト教徒であるアルメニア人も自殺は許されないんです。辛いでしょ。

消えた声が

辛いことがいくつもあるけど、でも、娘と会えるまでは、決して諦めないというマルディンの意志は強かったです。娘たちも、あんなに色々な所を短時間で周ったんだから、過酷な生活だったんでしょうね。でも、2人で生きて行かなければと思ったのだと思います。女の子二人で、良く頑張って生きていたんだと思いました。

とにかくストーリーがとても良くて感動でした。でね、アレッポの石鹸が出てきて、やっぱりアレッポの石鹸を使おうと思いました。オリーブオイルで作ってある石鹸なんですが良いのよね。匂いが強いけど、でも、変な香水を付けるよりも、石鹸の香りがふんわりする方が良いでしょ。肌にも良いし、アレッポの石鹸、ちょっと高いけど、使ってみると良いですよ。映画の中で、作っている場面が出てくるんだけど、なんだか、とっても嬉しくなって、使いたくなっちゃいました。

消えた声が

なんか、感想がまとまらなかったけど、私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。長い映画だけど、オスマン帝国というものを知る事が出来るし、宗教対立というものも判るし、アレッポの石鹸も分かるし、強い父親の愛を感じられる映画でした。私は、とても気に入りました。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




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