「ピンクとグレー」を観てきました。
ストーリーは、
知名度のほとんどない俳優・河田大貴(菅田将暉)は、少年時代から友情を深めてきた人気俳優、白木蓮吾(中島裕翔)が急死したことで一躍世間の注目の的に。白木はなぜこの世を去ったのか。自ら命を絶ったのか他殺なのか。混沌とした状況の中、河田は……。
というお話です。

これ、62分後の展開が話題になっているので、あまり解説が出来ませんね。それに、その展開後の話が凄まじくて、驚きました。
河田大貴と白木蓮吾=鈴木真吾は、子供の頃からの幼馴染。石川紗理も一緒に、3人、仲の良い幼馴染でした。高校の頃、真吾のお姉さんが亡くなり、ショックを受けるのですが、「やりたい事では無く、出来る事をやるのだ。」という言葉と胸に、真吾は出来る事をやり始める。
渋谷に買い物に出かけた大貴と真吾は、読者モデルとしてスカウトされ、エキストラなどの芸能界の仕事を初めて、東京に引っ越してきます。アルバイトをしながら、芸能関係の仕事をして行き、真吾は、ある映画の出演をきっかけに売れて行きます。そして真吾と大貴の仕事に大きな差が出て来てしまい、とうとう、2人は別々の道を歩き始めます。
3年後、再会した2人は、お互いの違和感を埋めて、また、昔のような仲の良い二人に戻り、大貴は、良い友達としてやって行けそうだと感じるのですが、次の日、大貴は真吾の部屋に呼ばれて行ってみると、そこには、首を吊った真吾が待っています。そして、下には、大貴宛ての手紙と5通の遺書が残っており、この中で、白木蓮吾に一番相応しい遺書を選んで発表して欲しいと書いてあります。
驚いた大貴でしたが、真吾の望み通り、良い遺書を選んで、その通りに進めて行きます。しかし、大貴には、何故、真吾が自殺をしたのか解りません。確かに遺書はあり、白木蓮吾に相応しい死に方にはしたのですが、本当の真吾の気持ちは・・・。後は、映画を観て下さいね。
これ、原作を読んでいないのですが、映画通りなら、凄い小説ですね。ジャニーズの男の子が書いたとは思えないほど、深い話でした。噂の62分後の急展開というのは、まぁ、映画を良く観ていたり、本を良く読んでいれば、結構、ある展開なのですが、このお話の凄い所は、その後の、何故、白木蓮吾が死んだのかというのを探って行くところに凄い深さがあるんです。
芸能界の裏表、誰もがライバルであり落とすか落とされるかの世界、キレイでいようなんて思っていたら潰されるだけ、真剣に考えてたら壊れてしまう、そんなトンデモナイ世界の芸能界を良く描いていたと思います。それだけ芸能界が病んでいると描いていながら、白木の自殺の原因は違うところにあるのかもというところが、また、凄いなぁと思いました。
大貴は、凄い世界を覗いて恐ろしいと思いながらも、その世界に憧れているというのが、現代の若者の考え方なのかなぁと考えました。そんなに怖ければ、芸能界なんて関わらなければ良いのにね。今の子って、スカウトされると、直ぐに事務所と契約とか読者モデルとか、やっちゃうみたいですね。
その昔、私も、渋谷でスカウトらしき人に捕まり、マンションの事務所のようなところに連れて行かれ、とても恐い思いをした事を覚えています。まだ子供だったから良く分からず、名前とか書かされて、その後、自宅に何度も電話がかかって来ていました。私、売られちゃうか、変なビデオに出されちゃうかと思って、マジで怖かったなぁ。今、調べてみると、マトモな事務所だったらしいけど、子供には分からないもんねぇ。その頃は、ネットも無いから、その事務所がマトモな会社かどうかなんて、調べられないし、恐ろしかったです。
真吾の自殺ですが、自殺の真相を突き止めようとしても、自殺の理由なんて、明確には分からないですよね。だって、何となく死にたくなって死んじゃうとかって、ありますもん。これが原因っていう、確実な理由って、自殺にはほとんど無いと思うんです。会社倒産とかで死ぬ人は別ですけどね。私だって、たまーに、高い所に登ると、”ああーこのまま落ちてしまいたい。”と思う事がありますよ。もちろん、飛ばないけどね。でも、きっと、飛んでしまう人も居ると思うんです。それは、仕方ないでしょ。
えーっと、ちょっと話をボカシながら感想を書いているので、分かりにくいかも知れませんが、映画を観た方には、このバラバラした感想が分かるかと思います。あの展開があって、白木の自殺真相、芸能界の負の部分、が描かれてくるので、あまり考えず、素直に受け取って、「誰が殺したクックロビン」と囁いて来て欲しいかな。
私は、この映画、超お薦めしても良いかなと思います。このお話は面白いです。考えれば考えるほど、それぞれのキャラクターの考え方も二転三転して行くので、何の目的で何をしているというのが見えてくると、超楽しめると思いますよ。ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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