「裁かれるは善人のみ」を観てきました。
ストーリーは、
ロシア北部の小さな町で、自動車修理工場を経営しているコーリャ。住み慣れた家で、妻リリア、先妻との息子ロマと生活していたが、市長のヴァディムが彼の土地を買収しようとする。権力を武器に自分の土地を容赦なく奪おうとするヴァディムに激しい怒りを覚えたコーリャは、モスクワから友人の弁護士ディーマを呼んで市長の悪事を暴露して徹底抗戦に挑む。やがて両者の攻防は激化し、思わぬ事態を引き起こす。
というお話です。
ロシアの田舎町で自動車修理をしているコーリャ。妻と、先妻との間の息子ロマと生活をしています。ある日、市長のヴァディムが、彼の住んでいる土地を買収しようとします。その為、コーリャは、軍隊時代に部下で、今は弁護士をしているディーマを呼び寄せて、買収を止める為に訴えを起こそうとします。
そこはロシア。権力を持つ者の好き勝手が許される国であり、正当な手段で訴えるだけでは、決して勝てる訳がありません。そこで、ディーマは、ヴァディムの悪事を探り、その悪事をバラされたくなければ手を引けという取引を持ちかけようとコーリャに話します。しかしコーリャは、汚い手段を使う事にあまり乗り気ではありません。しかし、これ以外に手が無いので、コーリャも了承します。
訴えようとするのですが、今度は、裁判所にも、警察にも、検事局にも、ヴァディムの手が周っており、受付が出来ないように、阻止されてしまいます。そこで、ディーマは、ヴァディムにコンタクトを取り、会って、ヴァディムの悪事を暴いた資料をみせて、バラされたくなければ手を引けと脅します。裏に汚い仕事を暴かれたヴァディムは、このままでは自分の身が危なくなると思い・・・・。後は、映画を観て下さいね。
うーん、この映画、超!辛い内容でした。まぁ、これが現実なんでしょうねって思えるようなお話で、生きる事って、辛いよねぇ~。キレイ事を言っていたら、あっと言う間に突き落とされて、這い上がれないようになってしまう。だからと言って、長い物には巻かれろ的な生き方も納得出来ないし、本当に困ります。どこの世界も同じだけど、まだ、民主主義だと、言論の自由と言って、言いたいことを発信出来るから良いけど、共産主義だと、どうしようもないもんね。自由と言いながらも、全部統制されているんでしょ。それは、無理だよねぇ。
コーリャは、自分が手に入れたと思っていた土地で、少しづつ、自分で家を作って、大きくしていったようでした。それは、愛着のある家だったと思いますよ。場所としては、風当りが強くて、周りに家などが無いような土地であり、それ程、良い土地とは思えないのですが、見晴らしが良いんです。そして、周りに何も無いので、風景が良いんですよ。そこに目を付けられてしまったのだと思います。
ヴァディムは、汚いことをやってやって、ヤリまくって、市長にまで登り詰めたような男でした。自分に歯向かってくる奴は、トコトン潰して、目の前から消し去るんです。ここまで徹底していると、反対に、気持ち良くなってくる。これなら、先までやって行けるのではないかと思います。どこかで情を出してしまったら、なし崩し的に落ちて行ってしまいそうですもん。この悪役はこれで良かったのだと思いました。
この映画でも、やっぱり女により、全てが狂うのだと言う事が描かれていました。うーん、そんなに女って、罪深いのかしら。確かに、最悪のバカ女のせいで、計画が狂っていくんですけど。いやぁ、なんでそんなに下半身が軽いかね。男が可哀想に見えました。だって、女に迫られたら、男は抗えないでしょ。うーん、可哀想・・・。酷かったね。

社会は、キレイ事よりも、汚い事で回っているのが現実です。それに飲み込まれて良いとは思いませんが、いつもいつも、キレイ事を言って、自分だけが気持ち良くなっているという人間は、誰からも相手にされなくなります。大人は皆、手が汚れているから大人なんです。だから私は、泥だらけでも欲しい物は手に入れたいし、白い眼で見られようと、相手よりも一歩先に出たいと思っています。
でも、ここで一つだけ。自分の周りの全ての事で、汚い手を使ってでも前に出ようとするのでは、その内、必ずしっぺ返しを食う事になります。何故なら、自分より能力がある人間は、沢山いるからです。だから、何を選択して、何で勝つのか、それを上手く選択出来た人間が、最終的に前に出れると思います。選択を誤らないよう、いつも目と耳を磨いておいてくださいね。
私は、この映画、ぜひ、お薦めしたいと思います。これは、面白いと思います。ただ、ハッピーエンドを期待して観るのでしたら、辞めて下さい。ハッピーはやってきません。でも、この内容を噛み砕くと、何か見えてくるものがあると思いますよ。ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・裁かれるは善人のみ@ぴあ映画生活