【東京フィルメックス】「わたしの坊や」母親以外に愛を貰えなかった少年が、ついに感情を爆発させる。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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東京フィルメックスで「わたしの坊や」を観てきました。


ストーリーは、

5歳で最愛の母を事故で失くし、14歳で手術しなければ余命数ヶ月の身体であることを告げられた少年。絶望した少年は恨みを持つ人々への復讐を決意する。ショッキングなストーリーの中に復讐することの意味を問うジャンナ・イサバエヴァ監督第5作。

という内容です。


わたしの坊や

小さな頃から病気だった少年は、母親の死からずーっと、誰からも愛されず、無口になり、何となく暗い感じの少年に育って行きます。そして、ある日、病院へ行くと、14歳で手術をしないと、もう命の補償は無く、あと少しで死に至ると告げられてしまいます。それまで、良い事なんて、ほとんど無かったのに、ここで、いきなり、命が亡くなると告げられた少年は、今までガマンしていた怒りを爆発させます。

わたしの坊や

母親が死んだ時に、相手側からお金を貰ってなぁなぁに済ませてしまった父親に対しての復讐、自分を迷惑がっていた叔母に対しての復讐。もう、命は無いものと思っていた少年でしたが・・・。

この映画、とっても乾いた感じで、観ていて哀しくなりました。母親が死んでからは、全く、良い事が無くて、友達は居るんですけど、家族には迷惑がられて、酷い扱いを受けているんです。これ観ていたら、そりゃ、爆発するわなぁって思いました。私でも、これ、同じ事をしていると思います。

わたしの坊や

人間って、ある程度は、誰でもガマンって出来ると思うのですけど、さすがにそこまではっていうラインってあると思うんです。やっぱり、人間には、やって良い事と悪い事ってあるでしょ。それを超えたら、どんなにガマン強い人でも、キレることはあると思います。

この少年も、自分の命が無いと言われ、それじゃ、なんで今までガマンしてきたんだよって思ったんだと思うんです。その上、親族に、アンタが病気でお金がかかるから悪いと言われたら、それは、無理でしょ。こうなるのは、当たり前だったと思います。

わたしの坊や

カザフスタンのこの地域は、警察やら行政も、とてもいい加減で、その事件の処理がスゴイんですよ。最後の最後で、このラストは、笑っちゃいました。でも、これが、現実なんでしょうね。これ、観ると、衝撃だと思います。こんな事がまかり通っている地域だからこそ、この少年のような事が起きてしまうんだろうと理解出来てしまうところが、面白いと思いました。

わたしの坊や

私は、この映画、まぁまぁ、お薦めしたいと思います。でも、これ、日本公開は、分かりません。難しいかもなぁ。一般受けしそうに見えなかったもん。でも、観た後に、自分の中で反芻していると、とても味の出てくる作品です。もし、機会があったら、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




東京フィルメックス「わたしの坊や」    http://filmex.net/2015/program/competition/fc01