東京フィルメックスで「コインロッカーの女」を観てきました。
ストーリーは、
チャイナタウンで闇貸金業を営む“母(オモニ)”に育てられたイリョン。彼女は生まれた直後にコインロッカーに置き去りにされた女性だった。ハン・ジュニの監督デビュー作である本作は、仁川の暗黒街を舞台に二人の女性の愛憎関係を描いたパワフルな作品である。
という内容です。

ある少女がコインロッカーに捨てられる。その子は、ホームレスに助け出され、そのまま、ホームレスに育てられ、5歳くらいに育ったころ、借金まみれの警察官に誘拐され、闇金業をしている女に借金のカタに売られてしまう。闇金の”母”に、生きる為にしなければならない事を叩きこまれ、酷い扱いを受けながらも、這い上がり、”母”の片腕になるまでのし上がって行く。
年ごろの女性に成長したイリョンは、闇金の取立て屋として生きており、”母”の片腕として、ヤバそうな男からも平然と金を取り立てられる闇金として一目置かれていた。ある日、借金の取立てに行けと言われた先は、若い料理人の男性のところで、彼は、父親が借りた多額の借金を、海外から送られてくる父親からの送金で返済していました。この青年は、とても無垢で、それまで人間の汚い面しか見てこなかったイリョンにとって、初めての美しい人間でした。
そんな心の美しい青年でしたが、父親から裏切られ仕送りが来なくなり、彼を追い詰めなくてはならなくなります。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

この映画、面白かったです。とってもハードで、恐ろしい内容なのに、心がキュンっとするんです。イリョンという女の子は、ハッキリ言って、それほど可愛く無いんですけど、青年と出会う事で、心に変化が訪れて、段々と可愛く見えてくる。不思議なんですよぉ。
そんなキュンっとする展開があるのに、一方では、殺し殺され、惨殺という場面がバンバン出てきて、恐ろしいの。さすがにトンカチは無かったけど、なんだか、殺し方が残酷なんです。でね、殺しては、臓器を売っぱらうっていう、極悪な人達なんですよ。もう、酷いでしょ。あまりにも、そこら辺はハードで、こんな事、今でもやってんのかしらって、マジで思ってしまいました。
そして、イリョンと”母”の関係性も、とても重要で、微妙な均衡の上に成り立っているんです。それが、ひとつバランスを崩すと、全てが狂って来て、敵になったり、味方になったり。この女性2人の対決も凄かったです。でもね、本当の母親でなくても、育ててきたから、やっぱり”母親”なんです。どんな事があろうとも、やっぱり、最後は母親なんです。そこが、また、イイんですよ。

この映画、面白かったです。私は、超!お薦めしたいと思います。来年、この映画、日本公開するそうですので、待っていてくださいね。これは、見応えがあって、楽しめますよ。ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。

東京フィルメックス「コインロッカーの女」 http://filmex.net/2015/program/competition/fc09