「レインツリーの国」障害者をこんな風に虐めたり白い眼で見たりする人、イマドキいないと思うけど? | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「レインツリーの国」を観てきました。


ストーリーは、

高校時代に夢中になって読んでいた本「フェアリーゲーム」について、何となくインターネットで検索をしてみた伸行(玉森裕太)。「レインツリーの国」というブログに書かれた「フェアリーゲーム」の感想に興味を持った彼は、その管理人を務めるひとみ(西内まりや)にメールを送付する。それを機に、メールをやりとりするようになる二人。実際に会って話がしたいと考える伸行だったが、ひとみはその申し出を拒否し……。

というお話です。


レインツリー

伸行の実家は、父親の病気により実家の美容院を絞める事になり、伸行は実家の自分の部屋を掃除しに帰って来て居ます。整理をしていると、高校生の時に読んだ「フェアリーゲーム」という本の下巻だけが無い事に気が付き、必死で探すのですが見つかりません。仕方なく、ネットで「フェアリーゲーム」の最後を読もうと探してみると、「フェアリーゲーム」の感想を書いているブログ「レインツリーの国」を見つけます。

「レインツリーの国」の感想を読んでいると、自分と同じ感じ方もあったり、自分は思いつかなかったような意見があったりと、伸行は、それまで忘れていた「フェアリーゲーム」という本への思いを思い出し、「レインツリーの国」の管理人にその思いを伝えたくてメールをしてみます。すると、”ひとみ”という管理人から返事が来て、それから、メールのやり取りが始まります。

レインツリー

メールだけでは物足りなくなり、とうとう、伸行は「逢いたい」というメールを出します。すると、しばらくしてから”ひとみ”からメールがあり、彼女も逢いたいとのこと。そして、本屋の「フェアリーゲーム」のコーナーで逢う事を約束します。行ってみると、とても美しい女性がそこに居て、伸行は一人盛り上がります。

食事に行き、映画を観るのですが、今一つ、何が違う気がして、伸行は盛り下がっていきます。そして、エレベーターで満員にブザーに気が付かないひとみに、つい、”気が利かない。”というような事を言ってしまいます。すると、彼女は謝りながら、少しだけなら言わなくて済むと思ったけどと言い、自分が聴覚障害者だと言う事を打ち明けます。

レインツリー

彼女の障害に気が付かず、それを責めてしまった伸行は、失敗を取り戻そうと彼女をもう一度誘いだし、自分からもっと彼女に近づき、手助けが出来たらと思い、努力をし始めます。一方、人見利香の方は、今までも、聴覚障害の事で、仕事場であまり良い顔をされず、苦しんできたんです。だから、あまり目立たずに、人との関わりもしないようにしてきたんです。そんな2人が出会って、状況が少し動き始めます。

伸行は、もっと利香に自身を持って欲しいし、世界を広げて欲しいと思い、積極的に彼女にアプローチをして行くのですが、利香の方は戸惑い気味。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

うーん、ラブストーリーとしては、私は、ちょっと疲れてしまったのですが、障害者の気持ちを描いている作品としては、良く出来ているかなと思いました。確かに、障害を持っていると、何となく引け目というのかな、そういうのを感じている方が多いのかもと思います。でもね、障害者の方が思っているほど、周りの人間は、障害というものを、違和感を持って見てることは無いと思いますよ。だって、いつ自分が障害者になるか分からないですもん。目が悪かったり耳が悪ければ、言って貰えれば手を貸したいと思うし、何てことは無いんですよ。


レインツリー

この映画では、結構、周りの人間が冷たいような雰囲気に描いてあるけど、今時、こんなに障害者だって事で騒いで見たりする事って無いでしょ。あのね、障害を持っているから助けろみたいな傲慢な態度をされると、ちょっとイヤだけど、普通の人として普通に社会で生活していて、これだけは私は出来ないって言ってくれれば、いくらでも助けたいんです。だって、出来ないのはそれだけなんでしょ。別に、それを引け目なんかに感じる事無いんですよ。私だって、力が無いから重い物が持てないけど、それも障害と一緒でしょ。私には出来ない事なんだから。出来ない事を出来る人がやるのは当たり前。常識の範囲内なので、気にする事は無いんです。

レインツリー

だから、障害があろうとなかろうと、おしゃれをして、好きな事をして、好きな人を作って、面白いことを楽しんで、何でもやってください。人の迷惑になるからとか、考えなくて良いのよ。なんだか、この映画を観て、こんなに引け目を感じているなんて、ダメダメと思っちゃいました。


それに、会社で、こんな嫌がらせをしている女が居たら、言ってやれば良い。「私は障害を持っている事で会社に貢献しているけど、アナタは私の倍以上働かないと貢献出来ないのよ。」って。会社の障害者枠って、必ず埋めなくちゃいけない枠だし、障害者を雇う事で、会社もとても得をしているんです。障害を持っていることが、資格を持っている事くらいに考えていて良いんです。それは、自分が勝ち取った権利だと思って、全く引け目を感じる必要はありません。まして、障害を持っている仲間に協力出来ない社員なんて、大した仕事は出来ないでしょ。仲間を助けられる余裕がある人間でないと、仕事は出来ないんです。だって、余裕が人を大きくするんですから。余裕のある人間を選ぶことは、人を雇う時の鉄則です。

レインツリー

えーっと、話を映画に戻して、障害者を扱った話としては、私は、良く描けていたと思います。でも、こんな美男美女が、ネットを通して出会って、一人が障害を持っていてなんて、まぁ、あり得ないとは思うけどね。演技は、玉森くんも西内さんも、ちょっとたどたどしかったように見えました。うーん、何となく違和感があって、変だったなぁ。お二人とも、ドラマなどはやっていると思うんだけど、何故だか、上手く見えなかったのよね。演技は、次回作を楽しみにしています。

レインツリー

私は、この映画、まぁ、お薦めして良いかなと思います。すっごくはお薦め出来ないけど、障害者の気持ちを描いている部分は、結構、考えさせられる事もあり、良いかと思いますが、主演の2人が、私は、ちょっとダメだったかな。馴染めませんでした。でも、下手って訳でも無いんですよ。2人のラブストーリーが、どーもしっくり来なかったんです。ゴメンナサイ。でも、かわいい映画なので、ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




レインツリーの国@ぴあ映画生活


レインツリーの国 (新潮文庫)/新潮社
¥464
Amazon.co.jp