「コングレス未来学会議」自分の希望の未来で生きるならアニメでも良いの?私はヤダな。体温が欲しい。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「コングレス未来学会議」を観てきました。


ストーリーは、

2014年、俳優の絶頂期の容姿をスキャンし、そのデジタルデータを映画会社が好きなように使って映像を作り出すというビジネスが誕生。40歳を超え、女優としてのピークは過ぎ去ってしまったロビン・ライト(ロビン・ライト)は、子供たちのためにある決断をする。彼女は大金を得る代わりに、最後の仕事として新ビジネスの申し出を受けるが……。

というお話です。


コングレス

女優のロビン・ライトは、既に40歳を超えて、仕事がほとんどありません。昔は、お姫様女優として売れていて、誰からもちやほやされる存在だったのですが、そのせいで、性格は我が儘になり、ドタキャンをしたり、気分で仕事をしなかったりと、周りに迷惑をかける事ばかりになり、段々と、仕事は減って行き、今にいたるのでした。


ロビンは、エージェントから今回が最後の仕事の依頼になると言われ、その仕事の交渉に行きます。すると、自分の肖像権を売るという仕事でした。年を取ったロビンを使いたいという仕事は無く、今後、CGで作られる画像俳優としてロビンの肖像が使われる事となり、年齢も若い頃の顔で使われるとのこと。しかし、もし、この肖像権を売ってしまうと、その契約上、表舞台での演技などは出来なくなり、ロビンとしての仕事は、すべてCG画像のロビンが受ける事となり、その料金もCGクリエイターに入るというんです。


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最初は、嫌がっていたロビンですが、娘と息子を養う為、そして息子は病にかかっており、その治療の為にお金が必要なので、仕方なく、契約を結ぶこととします。全身の画像データを撮られ、表情などの画像も沢山撮られ、彼女はデータ化されます。そして、ロビンは、二度と表舞台に立つことは無くなります。

それから20年経ち、ある日、ロビンの元に、画期的な新開発の発表会の招待が届き、ロビンは、その招待に応じて、アニメーションで表現される世界へ出かけて行きます。世界は、いくつかの地域に別れ、その招待は、アニメーションとして自分の理想の世界を生きる人々の世界で行われるというものでした。ロビンは、ゲートを通り、アニメーションの姿となり、式典に参加します。


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その世界は、皆、自分の理想とする容姿を手に入れ、豪華な暮らしをしているとアニメーションでは描かれているのですが、実際の人々は、貧困に喘ぎ、酷い容姿をしていました。しかし、アニメーションとなって見えているので、その事に気が付きません。そして、世界は、歪んでいきます。後は、映画を観て下さいね。


うーん、これ、またも、一般の方々には、はぁ?という映画でしょうね。俳優たちが、すべてCGとなり、俳優が必要無くなるという未来は、もしかしてあるかも知れませんが、ここに描かれているような世界は、人々は望んでいないと思います。だって、誰もがライアン・ゴズリングになり、エマ・ワトソンになってしまって、自分というものが無くなってしまうんですよ。会っても、誰だか解らないじゃないですか。(笑)そんなの、何も面白く無いっす。そうなったら、誰が美しいだの、関係無くなっちゃいますよね。


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映画の中では、ロビンの顔を、沢山の人が使っているから、誰が本当のロビンか判らなくなっちゃっているんですけど、とりあえず、IDで識別してました。子供だって、自分の親の顔を知らないんでしょうね。だって、他の人の顔になっちゃっているんだから。まぁ、今の時代だって、親が整形してれば、本当の顔なんて判らないけどね。子供が、何で私はこんなにブサイクなのに、親はキレイなんだろうと思ったら、ただ整形だったなんて、ざらにあるんだろうなぁ。恐ろしいです。


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そんな世界に変わって行き、誰も、それは間違っているよって言わなかったところが、凄いなと思うけど、整形が標準化している韓国は、この世界と同じなんでしょうね。外見は同じ顔ばかりで、中身は壊れているって、誰かが言ってあげないと、困ったことになるのは、自分たちなのにね。


誰もが幸せな世界と言っているけど、ただ、薬漬けの世界なんです。全然、幸せそうじゃないの。でも、自分たちは、すごく幸せと呪いのように思い続けている人々が、恐ろしいなと思いました。誰かが目を覚ましてあげようよ。全然、生産性が無いんですもん。


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この容姿を好きな形にして、というところが、ブルース・ウィルスが主演していたサロゲートに似ているんです。あれは、自分たちの操る理想の容姿のロボットが、家に居る自分の代わりに働いたりしてくれるんでしたよね。自分は動かないで、意識だけロボットに入っているという感じでした。今回は、意識をロボットに入れているのではないけど、脳を薬で騙して、理想の容姿、理想の生活、理想の世界を描いているというところが、何となく似ているかなと思いました。


内容的には、笑える要素が多いとは思うのですが、結構、哀しい気持ちになるんです。赤いカイトがキーになってくるのですが、美しい自然の空を、自由に飛ぶカイトは、自由と言いながらも、ヒモで繋がれているんですよね。そこからは出て行けないんです。でも、人間は、自分の意志で、何処へでも飛んでいける。外に出る事が出来るんです。ヒモなんて切ってしまえば良い。でも、それが出来ない人間は、ただ、家畜と化して行くだけ。イヤな話です。映画としては、とっても面白いんだけど、この哀しさを感じられる人は少ないかもなぁ。

コングレス

私は、この映画、お薦めともお薦めしないとも言えません。これは観る人を選ぶし、SFの矛盾点や辻褄の合わなさを理解して、許容出来る人でないと、はぁ?となって、終わりそうな気がします。理想の世界が、アニメーションだってところで、拒否反応が出る人がいるんじゃないかと思うんです。その上、日本のアニメとは違って、何となくシュールな絵なので、どうなのかなぁ。観ていると、ちょっと手塚治虫先生のアニメに出てくる人みたいなのも描かれているんですけどね。まぁ、気になったら、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




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