26作目
東京国際映画祭 ワールド・フォーカス部門「シュナイダーVSバックス」を観ました。
ストーリーは、
家族が自分の誕生パーティの準備をしているなか、シュナイダーに仕事の電話が入る。「バックスを殺せ」。一流ヒットマンという裏の顔を持つシュナイダーは家を抜け、支度を整え、作家のバックスが住む湖畔の家を目指す。それは、夜のパーティまでに帰れる簡単な仕事のはずだったが…。
というお話です。

シュナイダーは、2人の娘を持つ、優しいお父さん。美しい妻を持ち、生活も中流以上であり、幸せに暮らしています。しかし、裏の顔は、凄腕のスナイパー。組織からの依頼があれば、必ず、それをやり遂げるという男です。

今日は、シュナイダーのお誕生日。朝から、娘や妻に祝福され、一日、ゆっくり家族と過ごせると思っていたのですが、組織の上司から電話が入り、作家のバックスという男を殺して欲しいと言われます。今日はダメだと断るのですが、今日しかダメだし、他の人間は、すべて出払っているので、シュナイダーに頼むしかないのだと言われます。以前から、今日は、家族と過ごすと約束していたのに、仕方なく、仕事を受けるシュナイダー。直ぐに戻るからと妻に話し、現場へと向かいます。
一方、バックスは、家でゆっくり過ごしているのですが、娘が訪ねてくることを思い出し、家に来ていた女を追い出し、娘の為に、家を片付け始めます。バックスの娘は、精神的に不安定になっていて、少し鬱っぽい状態です。バックスに会うのは1年ぶりであり、バックスもどう接して良いのか解らないという感じなんです。

シュナイダーは、バックスを殺す為に、変装をし、身分の偽装、車の交換をしてから向かおうとしているのですが、用意をしている途中に、その隠れ家に不審者が侵入してきます。侵入者に顔を見られてしまったシュナイダーは、その2人の身分を利用し、バックスの暗殺をしようと思いつき、彼らを拉致します。
拉致された2人の内、女性だけ、バックスの家に近づくのに利用するため、現場まで連れて行き、バックスの娘と接触させたりと、色々な協力をさせます。そんな途中で、自分にバックス殺害を指示してきた組織の上司が、実は、シュナイダーを罠にかけ、バックスに殺させようとしている企みが、シュナイダーにバレてしまいます。この上司が、超おバカなんです。

そして、上司も使い、バックスの殺害に向かい、牙を剥くシュナイダーでしたが・・・。後は、映画を観て下さいね。
これ、コメディだったのかしら。最初は、ちょっと、真面目そうなサスペンスアクション風なのに、どんどんお笑いになって行き、ずーっと最後まで、私は、笑ってしまいました。あまりにも、おバカなんですもん。この組織って、何なの?こんなおバカが組織の指示係なんて、絶対に、組織、ダメになるでしょ。直ぐにバレそうだもん。暗殺なんて出来ませんよ。頭が悪すぎるもん。(笑)

組織はダメダメっぽいけど、シュナイダーとバックスは、結構、凄腕のスナイパーっぽかったです。相手の動きを読んで、色々な手を打とうとするところは、スパイ映画さながらの内容でした。まぁ、笑えるんですけどね。
この2人の対決だけだったら、それ程、他のアクション映画と変わらないと思うんですけど、この2人の対決に絡んでくる人がとっても多いところが、面白いんです。それも、一筋縄では行かないような、濃~い人々で、そんなエキストラに特徴を付けなくてもいいじゃんっていうような人にまで、濃い特徴が付けて会って、笑えるんです。
まず、バックスの娘は超ネガティブで生真面目なタイプ、バックスの父親は女好きで孫でも構わず手を出そうとするタイプ、人質になった女性は男にDVを受けていたり、組織の上司はとてもおっちょこちょい的な人、そして・・・挙げて行くとキリが無いほど、変人ばかりなの。だから、スナイパー同士の戦いと言っていながら、そちらの人物の描き方の方が気になっちゃって、大笑いしてしまうんです。この監督の前の作品である「ボーグマン」も、不思議な映画だったけど、今回も、ちょっとおかしな雰囲気です。まぁ、「ボーグマン」よりは、ストーリーも起承転結がしっかりしていて、観やすい作品かも知れません。

私は、この作品、お勧めしたいと思います。だって、大笑いしながら、サスペンスアクションを楽しめるって、面白そうでしょ。途中で、何度も吹き出すほど、マヌケなシーンがあるので、誰もが楽しめると思いますよ。但し、単館系のアクションだと思ってください。派手なシーンは少ないです。日本公開があったら、ぜひ、観てみて下さい。これ、シッチェス映画祭とかに最適だと思うんですけど、どうですかね。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
東京国際映画祭 ワールド・フォーカス部門「シュナイダーVSバックス」
http://2015.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=137