22作目
東京国際映画祭 コンペティション部門「神の思し召し」を観ました。
ストーリーは、
トンマーゾは腕利きの心臓外科医。しかし自分の腕の良さを隠そうともしない傲慢な性格だ。長年連れ添っている妻カルラとの仲は冷え気味である。子供はふたり。姉のビアンカは、ずぼら人間だ。期待をかけている弟のアンドレアは、医大に通わせ、トンマーゾの後を継ぐ準備もできている。しかし、最近アンドレアの様子がおかしい。アンドレアの告白の前に、家族全員が心の準備をするが、それは全く予想もしない内容だった!
というお話です。

トンマーゾは神の手と言われるほどの心臓外科医。自分は万能の手を持っていると思い、神と対当くらいの気持ちを持ち、傲慢な性格です。妻のカルラは、そんな夫に長年仕えて、そろそろキレそうな気配。長女と長男を持っているのですが、姉のビアンカは不動産業の夫と共に、実家の隣に住み、いつも食事は実家で取ります。弟のアンドレアは、誠実な子なのですが、ちょっと気が弱そうで、最近、夜に男友達と出かける事が多く、トンマーゾは、心配しています。

アンドレアを心配したトンマーゾは、ある夜、彼の後を付けてみると、男友達と嫌に仲が良く、もしかしてゲイなのかも!と心配になります。数日後、アンドレアから話があるから、家族に集まって欲しいと言われ、もしかして、ゲイと告白されるかもと心配しているのですが、実は、聖職に就きたいと話され、またも、心配になってしまいます。
トンマーゾは、ゲイならまだしも、自分が一切信じていない”神”を崇めて暮らすという息子を受け入れられません。アンドレアを神の道に引き込んだ神父のピエトロを調べてみると、前科者ではあるが、今は更生し、一点の曇りも無いと警察の友人に言われ、何とかピエトロの汚い部分を見つけて、アンドレアに聖職を踏みとどまらせようとピエトロに近づき、罠を張ります。

ピエトロに何か、犯罪らしきものを起こさせて、それをアンドレアに突きつければ、聖職を辞めてくれると思い、自分は仕事も無く、貧困なので、犯罪でも良いから仕事を紹介してくれと頼むのですが、神父は、誠実に取り合い、仕事を見つけたりしてくれるだけ。これでは汚い部分なんて見つからないと思っていると、トンマーゾがピエトロを騙して、罠を張っていたことがバレてしまい、ピエトロに、お仕置きを言い渡されます。古い教会の修復する為に、空いた時間、手伝いに来るようにと言われてしまいます。

医者の仕事が空いた時間、教会の修復に行きながら、ピエトロと仲良くなり、神というものが、もしかして居るのかもという漠然とした思いになりはじめ・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、超!面白かったです。ずーっと笑ってました。本当に、楽しいコメディだと思います。トンマーゾは、最初、性格が悪くて、イヤな奴なんです。そりゃ、天才的な心臓外科医かも知れないけど、患者に対しての心遣いとか、全く無くて、診察して欲しければ、金を持ってこいって、平気で言いそうな人なんです。
だけど、家族の事は、一応、心配していて、息子が神父になりたいと聞いた時は、ダメとは言えないけど、でも、心の中では、辞めて!!って思っているんです。まぁ、医者をやっていれば、神頼みをしても死んでいく人を沢山見ているだろうから、神なんて信じられなくなるのは、解らないではありません。医者だった祖父も、神頼みをして助かるなら、医者なんて要らないよなって、言ってましたもん。でも、祖父は神様とか言伝えとかを信じてましたけどね。
トンマーゾは、ピエトロ神父との交流によって、神を信じると言うよりも、人との交流により、神を受け入れる心の余裕が出来てくると言う方が正解かも知れません。心に余裕が出来て、妻との仲も良くなり、娘、息子との関係も良くなりました。そして、病院での部下との関係も、良くなり、全てが順調に思えてくるのですが・・・。うーん、面白かった。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。これは、日本公開したら、人気が出るでしょう。誰が観ても楽しめる内容なので、配給が付くのではないかなぁと思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
東京国際映画祭 コンペティション部門「神の思し召し」
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