6作目
東京国際映画祭 コンペティション部門「ぼくの桃色の夢」を観ました。
ストーリーは、
中学生のチャオ・シャンシャンは学校一の美人リー・チュンシアに密かに恋心を抱くが、いじめっ子が無理やり彼女を自分のものにする。しかし、チャオ・シャンシャンの想いは変わらない。その想いを抱いたまま無気力な大学生活に入るが、そこでチャオは映画に出会う…。中学入学と同時に好きになった女性を大人になるまで愛し続ける男の心の彷徨と、その想いへの決着の付け方を鮮やかに描く作品。中国が経済大国への道を歩み始める80年代中盤からスタートし、少年と中国の成長の歩みが重なっていく。
というお話です。

中学校に入学したチャオ・シャンシャンは、同じ村出身のリー・チュンシアに恋をします。でも、とってもシャイな性格なので、告白などはもっての外。いつも、ストーカーのように見つめているだけでした。中学校では、身体の小さかったシャンシャンは、不良に取り入って仲良くなり、虐められないように身を守るような毎日。不良4人組は、結構、イイ奴らで、シャンシャンは、楽しい中学時代を過ごします。そして、高校に上がり、まだまだ、チュンシアには告白出来ません。相変わらずのストーカー状態で、チュンシアもシャンシャンの気持ちに気が付き始めていたのですが、シャンシャンが行動に出ないので、全く進みません。

シャンシャンは、高校を卒業し、都会に出て、映画を作りたいという夢を持ちます。そして作りたい映画とは、自分のチュンシアへの思いでした。映画を作るには、資金が必要で、まず、資金を集める為に、色々な所に出没し、何となく、出資してくれるという人と出会い、映画が作れるかなと言うところまでこぎつけます。そして、チュンシアを映画にするのだからと、チュンシアの行方を探すと、不良と結婚し、上手く行かずに別れて、今は、県知事の運転手の愛人?的な感じになっていると聞き、それでも、彼女への思いは変わらず、シャンシャンは、チュンシアに会いに行きます。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

監督自身の経験を基に映画化したそうです。ほとんど80%くらいが実話だっておっしゃってたかな。
主人公は、彼女が好きで好きでたまらないんだけど、ずーっと告白は出来ないんですよ。何年も何年も、思い続けてて、見た目は成長しているんだけど、頭の中は、子供の頃のままで、いつまでも中途半端で、何も成さず変わらない。私のような性格から見ると、早く告白しろよって思うのですが、そうも行かないようでした。

一瞬、もしかして上手く行くかもって雰囲気もあるのに、ダメなんですよね。でも、なんか、とっても人間らしい気持ちがしました。こういう性格の人達だって居るんですよね。私のように、好きなら好き!、嫌いなら嫌い!みたいなことって、ダメな人も多いのかも。でもね、言う事は言わないと、何も進まないし、人生が動かないんです。どこまでも”残念”な人生になってしまう。諦めの人生になってしまうので、どこかで一歩、踏み出さないとね。
このシャンシャンだって、一歩は踏み出すんですよ。まぁ、それがものになるかならないか、それが、彼の望んでいた事なのかというのは、映画を観て考えて下さい。結構、その部分が深いです。彼の想いと、彼女の想いは、同じものかどうなのか。同じ好きでも、その種類ってあるんです。それが、何となく、私は、唸ってしまいました。うーん、解り合うのって、難しいよね。男と女っていう事もあるんだろうけど、色々、難しいもんです。
子供の頃から、大人になるまでの長い間の恋を、じっくり、そして可愛らしく描いていて、とても微笑ましい映画でした。中国のこの時代というのも、良く反映していて、やっぱり共産主義の国って、官職についている人達が、一番力を持っていて、汚いことを沢山しているんだなって思っちゃいました。
私は、この映画、まぁ、お薦めしても良いかな。私としては、ちょっとタイプの映画では無いので、少し、ウトウトしてしまったのですが、可愛くて、中国映画が好きな方には、お薦めだと思います。私、ハッキリしない男って、イライラしてしまうので、この主人公が、ダメなタイプなんです。かわいいんですけどね。日本公開は、解りませんが、もし、公開されたら、ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
東京国際映画祭 コンペティション部門「ぼくの桃色の夢」
http://2015.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=21