【TIFF2015】「地雷と少年兵」ナチスは酷い事をしたけど少年達にその罪を背負わすのは間違い。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

5作目

東京国際映画祭 コンペティション部門「地震と少年兵」を観ました。


ストーリーは、

終戦直後、デンマークの海岸沿いに埋められた無数の地雷の撤去作業に、敗残ドイツ軍の少年兵が動員される。憎きナチ兵ではあるが、戦闘を知らない無垢な少年たちを前に、指揮官の心情は揺れる。憎しみの中、人間に良心は存在するか?良心の痛みと葛藤する指揮官と、背負わされた罪の重さを自覚しながら明日を夢見る少年たちを描くヒューマンドラマ。本作はフィクションであるが、史実をベースにしている。二次大戦中にデンマークの海岸に埋められた地雷の数は2百万個に上り、戦後にその処理で900人が死んだという。

というお話です。


少年兵

第二次世界大戦が終わり、デンマークに進行していたドイツ軍は、撤退を余儀なくされた。そして、ドイツ軍がデンマークの各地に設置した地雷を撤去しなければならず、その労働者として、敗残ドイツ軍の少年兵が駆り出される事となります。少年兵は、兵と言いながらも、戦争をしていた訳では無いと思うのですが、仕方ありません。地雷の撤去の仕方を教え込まれ、危ない場所に送られることになります。


ある砂浜に派遣された少年兵14人。彼らは、カール軍曹の元、作業をすることとなります。ナチスドイツに酷い目にあわされたデンマークの人々は、ドイツ人を誰もが憎んでおり、少年兵が何をした訳では無いのですが、どうしても憎しみが込み上げてしまい、酷い仕打ちをしてしまいます。カール軍曹も他に漏れず、ドイツ人を憎んでおり、最初は、少年兵たちに、酷い扱いをします。


少年兵

食事もほとんど与えられず、ボロボロの小屋に収容されて、来る日も来る日も、地雷を撤去させられる少年兵たち。一つ間違えば、地雷が起動して爆発してしまうので、地雷撤去時に、何人もの少年兵たちが死んで行きます。さっきまで、作業が終わったらドイツに帰り左官屋さんをすると語っていた少年が、吹き飛ばされて跡形も無くなってしまうような状況の中、彼らを監視するカール軍曹にも変化が訪れます。

少年兵

ナチスドイツは憎くても、少年兵たちは、ただの少年なんです。戦争を彼らがしていた訳では無く、彼らに罪は無い。でも、彼らの国の人々がやった事の後始末をする為に、彼らは命を落としていく。そんな彼らの姿を前に、カール軍曹は、憐れみと憎しみと、どちらも捨てきれない自分に、どう整理をつけて行くのか。後は、映画を観て下さいね。

少年兵

この映画、良かったです。ナチスドイツを題材にした映画は沢山あるけど、ほとんどが、ヒトラーは悪者であり、ナチスは極悪集団のように描かれますが、それは、一方から観た見方であり、その時に、ドイツの中に居た人達は、普通の人だったと思うんです。日本だって一緒でしょ。みんな普通に暮らしていて、戦争なんてイヤだと思っていて、だけど戦わないと生きて行けない。戦争に賛同しないと生きて行けないっていう状況だった訳でしょ。ドイツ人だって、戦争はイヤだと思っていただろうし、ヒトラーを大手を振って歓迎していた訳では無いと思うんです。もし、ヒトラーに賛同していたとしても、それなりの理由があったハズなんです。

少年兵

一方、ナチスドイツに侵略された人々は、ドイツを許せないだろうと思います。そりゃ、酷い仕打ちを受けただろうしね。だからと言って、まだ10代になったばかりの子供たちに、過酷な事を強いるのはどうなんでしょう。彼らが戦争を始めた訳では無いし、まだお母さんのご飯が恋しい年代なのに、食べるものもほとんど与えずに、過酷な作業を強いるなんて、人間として間違っていると思うのですが、そうなってしまうほど、ナチスに酷い仕打ちを受けたと言われれば、それを止める事が出来ません。

少年兵

これは、何処まで行っても、解決の付かない話であり、最後には、なんで戦争なんて起こしてしまうんだろうという所まで行ってしまう話でもあるんです。人間は、何処までも強欲で、それを止める術が無い。だから戦争は無くならないんです。

少年兵

そんな事を感じる映画でした。軍曹と少年兵たちの心の動きが繊細に描かれていて、とても心を動かされる映画でした。私は、この映画、お薦めしたいと思います。この映画は、既に配給が決まったようなので、来年くらいには、日本公開されると思います。良い映画ですよ。少年兵たちが、とっても可愛くて、助けてあげたくなります。特に、双子の男の子たちが、私はお気に入りです。過酷な運命が待っている少年達ですが、感動しますよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




東京国際映画祭 コンペティション部門「地雷と少年兵」

http://2015.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=17