「ヒトラー暗殺、13分の誤算」を観てきました。
ストーリーは、
1939年11月8日、ドイツ・ミュンヘンでナチス指導者のヒトラーの演説が行われた。演説を予定よりも早く終わらせ退場したヒトラーだったが、その直後、会場が爆破される。逮捕されたのは、ゲオルグ・エルザー(クリスティアン・フリーデル)という男だった。ゲシュタポは犯行の黒幕を吐かせようとエルザーを拷問にかけるが、彼は爆破装置の製作や設置を一人で行ったと告白する。
というお話です。
ゲオルグ・エルザーは、ケーニヒスブローンなどで大工として働き、普通の若者のように青春を謳歌していました。愛する女性とも出会い、音楽をたしなみ、何処にでも居るような青年だったのですが、ドイツナチスの力が強まる中、友人たちが捕まったり、街の人がユダヤ人と付き合ったからというだけで辱めを受けるのを目にして、自分の自由がどんどん奪われて行く事に腹を立てていました。
しばらくはスイスで大工として働いていたのですが、母親からの帰って来て欲しいとの連絡によりドイツへ帰国し、以前よりもナチスの横暴が横行している社会に怒りを覚え、ミュンヘンのビアホールで毎年開かれているヒトラーの演説会を狙って、暗殺をしようと考えました。鉄工所で働いた時に覚えた時限爆弾の知識を使い、元々器用だった手先で高性能な時限爆弾を作成し、ビアホールの壁の中に爆弾を埋め込みます。そして、ヒトラーの演説中に爆発するように仕掛けたのですが、たまたま、ヒトラーが演説を13分前に切り上げたせいで、爆発する時間には、既にヒトラーはそこに居なかったんです。
エルザーは、結局、何の罪も無い人々、8人を死に至らしめてしまったのでした。何処までも、エルザーの運が無いのか、何処までも、ヒトラーの運が良いのか分かりませんが、暗殺は失敗に終わり、エルザーはスイスへ逃げようとしたものの、捕まってしまいます。
ヒトラーは、自分を暗殺しようとしたのはイギリスの陰謀で、エルザーの黒幕はイギリスだと息巻いて、部下のヒムラーに、エルザーに自白させるように命令しますが、エルザーは、一人で計画し、一人で実行したので、嘘を付く訳にはいきません。どんなに拷問を受けても、自分一人でやったと正直に話すので、ヒムラーは、何処までも拷問を続けさせます。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
ヒトラーって、同じドイツ人にも暗殺されそうになっていたんですね。それも、一般の人で、一人で計画していたなんて、驚きました。それだけ、ヒトラーという人物がやっていたのは酷い事だったんでしょう。でも、ヒトラーに付いて行ってしまった人には、その狂った感覚が分からなくなっていたのでしょうね。きっと、ナチスの人達だって、良い人が沢山いたのだと思うけど、その狂った世界に入ってしまうと、おかしいことが分からなくなってしまうんだと思うんです。外にいれば、狂っているという事が解るのに、入ってしまうと、解らない。それは、今の北朝鮮しかり、韓国・中国の反日教育しかりですね。
エルザーは、自由を大切にする人であり、自由に恋愛し、新しいものは、直ぐに取り入れたりして、ダンスも音楽も、何でも器用にこなす人のように描いてありました。女性を口説くのも上手くて、若い頃から、女性には人気だったように見えます。そして、人妻であったエルザに一目惚れして、夫が居るのに、彼女と付き合っていました。
しかし、段々と大きくなって行くナチスの影は、彼らの生活にも影を落として、自由がどんどん奪われて行くんです。同じドイツ人なのに、ナチス党員で無いというだけで、束縛され、出歩くだけで監視されるような毎日に嫌気が指したのではないかと思うのですが、毎年開かれるビアホールの演説を知り、会場を視察し、暗殺計画を練り始めます。映画の中では、前年の演説の後に、会場を探っている場面があったので、1年以上は計画をしていたのではないかと思われます。
それでも、暗殺計画は失敗してしまうんです。これ、私、思うんですけど、もし、ヒトラーという人物が、世界に居てはいけない人間ならば、もっと早く、こういう暗殺で死んでいたと思うんです。でも、こんなに何度も暗殺があったにも関わらず、死ななかったと言う事は、何故か、神がヒトラーを必要としていたのかと思えてならないんです。神が護っていたと言う事なら、この13分という誤差も理解出来るし、何度も繰り返される暗殺で死ななかったと言う事も、理解出来るかなと思います。
ここで、何故、ヒトラーが死ななかったかという事を考えると、ヒトラーが弾圧したユダヤ人が、もしヒトラーが居なかったとしたら、もっと強欲になっていて、世界を早く仕切っていたのかも知れないという事です。ユダヤ人が世界を支配していたら、どうなっていたんだろう。欲が世界に渦巻いただろうから、もっと酷い戦争が起こって、既に地球が壊れていたかも知れません。そう考えると、ヒトラーが生かされていた意味があるのかも知れない。歴史を考えると、本当に不思議な事が多くて、色々考えてしまいます。”もしも”の世界を覗くことが出来るようになったら、ヒトラーが居なかった世界を観てみたい。それは驚くような世界だったかも知れません。
でも、やっぱり、ヒトラーがやった事は間違っていると思うし、あんな酷い事を人間が出来たという事が、とても恐ろしいと思います。あんな大量殺人は、狂っていなければ出来ない事だと思います。どう考えても、おかしいと思う。だからこそ、エルザーも、同じドイツ人でも許せないと思ったのかも知れません。人の命を平気で奪う、人の自由を平気で奪う、それは、人間が人間に対して、決してやってはいけない事だったんです。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。凄く考えてしまいました。日本人だからこそ、同盟国だったドイツのヒトラーがやった事、そして何度も暗殺されたのに死ななかった事、同胞のドイツ人に殺されそうになった事、色々考えて欲しいと思います。歴史は繰り返す事なので、今、考えておかないとイケないんじゃないかって思いました。ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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