「あの頃エッフェル塔の下で」の試写会に連れて行って貰いました。
ストーリーは、
外交官で人類学者のポールは、長かった外国暮らしを終えて、フランスへと帰国する。ところが空港で、彼と同じパスポートを持つ”もう一人のポール”がいるという奇妙なトラブルに巻き込まれる。偽のパスポートが忘れかけていた過去の記憶を呼び覚まし、ポールは人生を振り返り始める。幼い頃に亡くなった母、父との決裂、弟妹との絆。ソ連へのスリリングな旅、そしてエステルとの初恋。憧れのパリの大学に通うポールと故郷に残ったエステルは、毎日手紙を書き綴った。変わらぬエステルへの思いに気づいたポールは、数十年ぶりに彼女からの手紙を読み返し、ある真実に想い至るが・・・。
というお話です。
ポールは、大学で人類学に興味を持ち、ベナンなどアフリカの国々の研究をしていたポールは、その語学力を買われ、外交官として世界を周る仕事に就きました。そして、フランスへの帰国が決まり、現地の恋人と別れ、フランスへ入ろうとすると、彼と同じパスポートを持った人物がもう一人いるというトラブルに見舞われます。入国審査官に止められ、話をしている内に、まだ10代の頃にソ連を旅して、パスポートを人に渡してしまった事を思い出します。もう昔の事で、懐かしい思い出ですが、それが、今になって、こんな形で出会う事になるとは・・・。

驚いたポールは、過去の記憶に思いを飛ばします。両親との確執、弟妹との絆、スリリングなソ連旅行、そしてエステルとの初恋。エステルと出会い、彼女無しでは生きられないほどに求めあっていたのに、ポールは大学に行く為にパリへ出て行き、遠距離恋愛となります。2人は、求めあいながらも、寂しい自分を慰める為に、互いを傷つけると解っていながら、何度も浮気を重ねて、それでも別れられずに、手紙で愛を確かめ合っていた、あの時代。
想いを巡らせ、あの頃の自分には解らなかった真実が、今、ポールの前に突きつけられます。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
若い頃の自分を思い出して、後悔をする映画って言ってイイのかな。マチュー演じるポールが、若い頃は、こんな事があって、メチャやってきたなぁと思いかえすのですが、エステルという彼女の事だけは、良い思い出だとは割り切れないという事なんですけど、ちょっとどーなのよ、この男っ!!
そりゃ、誰だって、後悔はするし、ああしてれば良かった、こうしてれば良かったって思いますよね。そんなの日常茶飯事でしょ。もちろん、重要な選択で間違える事もある。結婚する相手を間違えたり、就職する会社を間違えたり、でも、それは、自分が選択したことでしょ。過去は戻らないんです。どんなに頑張っても、時間は過ぎてしまっている。過去に囚われても、何も生まれないんです。
私は、どんなに後悔する事が在っても、決して、それを後悔とは認めないと心に決めています。自分が決めた事に、間違いは無いと言い聞かせて、辛くても、過去に囚われない道を探します。もちろん、ふと、思い出して、あの人と一緒に居たら・・・なんて思う事だって、人間だからありますよ。でもね、それは今の自分を否定する事だから、今の自分が一番だと思い直して、今までの選択に間違いは無いと思うようにしています。
もし、どうしても、もしかしてが諦められないなら、もう一度、最初から始めてみれば良いんです。彼や彼女に会いに行けば良いし、人生をやり直せば良い。別に、自分の人生だし、年を取ってしまっても、相手も年を取っているんだから、何て事無いでしょ。彼女が他の人と結婚してようが、アタックしてみればいいでしょ。そして、お互いに自分の運命の人だったのなら、そこでやり直せるハズです。そうでなければ、自分の独りよがりですよ。
この言葉を、映画のポールに言ってやりたいです。思い出して、ウジウジしても、何も変わらないんだから、悪いのはアンタなんだよって目を見て話してあげたいです。(笑)そうです、このポール、ちょっと中2病って感じかな。今さら、何言ってんだよ、オッサンって感じです。
可哀想だから、これ以上虐めるのは辞めましょう。描いているのは、うじうじしたオッサンでは無く、若い頃のポールとエステルの事。彼らは、愛し合っていながらも、傷つけ合わなければ居られないという、何とも辛い恋を続けるんです。これ、でも、現実的に多いと思うなぁ。好きな人が、自分が思うように動いてくれないと、何か、ムカついて、つい意地悪したくなっちゃうのって、ありませんか?これ、どちらか一方だけなら良いけど、2人ともが同じような性格だと、お互いに意地悪し合ってしまうので、上手く行かなくなるんですよ。どちらかが素直に言う事を聞くか、ガマンするしか無いんだけど、若いと難しいのよね。
そんな若い頃の恋と、大人になって色々な事を理解して、ほとんどが自分の思い通りに動くようになってから、ふと、昔の事を思い出すと、昔の事は、全く思い通りになっていない事に気が付いて、自分が間違っていた事に気が付くって、まぁ、多いですよね。でも、諦めてね。さっきも書いたけど。
私は、この映画、まぁ、お薦めしたいと思います。派手な場面は無く、ポールの歴史を追って行くので、淡々と時が過ぎて行く過程の中の恋が切なくなるというものです。だから、単館系の映画に慣れている方にお勧めかな。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・あの頃エッフェル塔の下で@ぴあ映画生活
- アルノー・デプレシャン DVD-BOX/紀伊國屋書店
- ¥15,552
- Amazon.co.jp
- そして僕は恋をする [DVD]/紀伊國屋書店
- ¥5,184
- Amazon.co.jp