「パパが遺した物語」を観てきました。
ストーリーは、
1989年のニューヨーク。小説家のジェイク(ラッセル・クロウ)は妻の死で心に傷を抱えながら、男手一つで幼い娘ケイティ(カイリー・ロジャーズ)を育てていた。さまざまな問題が降り掛かる中で、彼は自分と娘の物語の執筆を進めていた。25年後、心理学を学ぶケイティ(アマンダ・セイフライド)は、ある出来事により人を愛せなくなってしまっていた。そんなある日、父のファンだというキャメロン(アーロン・ポール)と出会う。
というお話です。
ニューヨークに住むケイティは、大学で心理学を学んでいます。彼女は、子供の頃に、母親を事故で突然に亡くし、父親も、その事故で脳に損傷を負い病院に入る事になってしまい、叔母の家に預けられました。父親は、ケイティを溺愛していましたが、病気を治さなければ、精神に異常をきたしてしまうと医者に言われ、仕方なく、ケイティを預けたのでした。父親は、ピューリッツァー賞を受けた素晴らしい小説家なのですが、病気には勝てません。
病気を治し、退院した父親・ジェイクは、ケイティを引取り、2人でニューヨークで生活を始めます。しかし、叔母夫婦は、病み上がりのジェイクに任せておくよりも、自分たちがケイティを育てる方が、ケイティの為だと言い、ケイティを養子にしたいと申し出ます。実は、ジェイクは、病気が完治しておらず、右手の痺れなどの症状に苦しんでいたんです。どうしても娘を手放したくないジェイクは、裁判費用を稼ぐために、小説を書き続けるのですが、無理して書いたために、酷評されて、破産に追い込まれます。
このままではと思い、自分がどうなろうとも娘を護る為に、ジェイクは娘への思いを小説に書き綴ります。それも、短時間で。そして、素晴らしい小説をかき上げ・・・。
一方、ケイティは、今は一人、寂しく暮らしています。どんなに誰かを愛しても、きっと、自分の前から居なくなってしまうという恐怖をいつも抱いていて、誰も愛する事が出来ません。だから、毎日のように、店で男を探し、一夜の情事を楽しむだけ。それだけを、ずーっと続けてきたんです。そうすれば、身体は満たされるし、心は苦しまなくて済むと思っていたんです。
でも、ある日出会ったキャメロンという男性は、父のファンの小説家。彼のケイティへの思いは真っ直ぐで、彼女を一人にはしないからと言ってくれます。もしかして、彼なら愛せるかもと思うのですが、しばらくすると、また不安が顔をもたげてきて、怖くなってしまいます。どうしても、彼だけを愛する事が不安なケイティは・・・。後は、映画を観て下さいね。
人を愛せなくなったケイティなのですが、バカなの?と思ってしまいました。愛したら失くしてしまうから怖いなんて、甘えた事言わないでよ。人は必ず死ぬんだから、それが、早いか遅いかの違いだけなのよ。それに、自分が先に死ぬかも知れないでしょ。恐いから、男漁りをするって、何なの?ただのヤリマンにしか見えませんでした。怖いから愛せないというなら、誰とも関わらなければ良い。身体も求めるなって。もー、ダメでしょ。
キャメロンという男性は、とっても単純な普通の男性でした。ケイティの父親のジェイクだって、有名な小説家だったけど、中身は、キャメロンと同じ、普通の男性でしたよ。なんで、娘がこんなに淫乱になっちゃったかなぁ。困ったもんだ。(笑)
ジェイクは、どれ程苦しくても、娘の為に、小説を書いていました。たとえ、自分がどうなろうと、娘を思って書けば、書けたんです。身体が病に侵されようとも、そんなの構わない。娘の為なら、何だって出来ると、ジェイクは書いていたんです。素晴らしい愛でしょ。でも、それほど深い愛だったからこそ、ケイティは、愛が恐くなっちゃったのかなと思いました。
映画としては、現在と過去が平行して動いていく構成だったので、ちょっと観にくくて、感動が出てきては消えて行くという、折角盛り上がってきたのに、ここで、淫乱娘の話かいっ!て思っちゃって、ちょっと、引いてしまいました。そこら辺が、残念でしたね。もう少し、ぐぐーっと盛り上げて、感動させてから、現代に戻って欲しかったかなと思いました。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。ちょっと、構成は難解ですが、父親と娘の愛が、とってもジーンときます。特に、ケイティが子供の頃を演じている子役の女の子がとっても可愛くて、ラッセル・クロウ演じる父親とピッタリなんです。ステキですよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・パパが遺した物語@ぴあ映画生活