「ぼくらの家路」子供が育てられないなら産むな!子供たちの気持ちになってみろ! | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「ぼくらの家路」を観てきました。


ストーリーは、

母親と6歳になる弟マヌエル(ゲオルグ・アームズ)と、ベルリンで生活している10歳の少年ジャック(イヴォ・ピッツカー)。だが、母親はジャックたちを愛しながらも、友人と夜遊びに出掛け、恋愛に夢中になって家を空けることが少なくない。そんな中、あることが原因でマヌエルは母親の友人宅、ジャックは施設へ預けられることに。施設に溶け込めず、夏休みになったが母親からすぐに来られないと連絡が入る。ジャックは、施設を飛び出して家へ向かうものの母親の姿はなく……。

というお話です。


家路

ジャックの家は母子家庭です。母親と弟のマヌエルと自分の3人。母親は、ジャックやマヌエルの父親が誰なのか、解っているのかどうかも解りません。彼女は、母親でありながら、まるでおもちゃをかわいがるように子供たちをかわいがり、男が出来れば、おもちゃは、そのまま忘れてしまいます。ハッキリ言って、子供たちを、自分の子供=生き物として認識しているかどうかも怪しい状態です。

適当に働いて、男と知り合い、遊びまわり、弟の面倒は、兄のジャックに任せっぱなし。炊事洗濯などは、ほとんどやりません。ある日、弟をお風呂に入れようとすると、お風呂のお湯の調節が上手く行かずに、弟に火傷を負わせてしまいます。児童保護局が訪れ、子供だけにして仕事や遊びに出てしまう母親に預けておくのは心配だという事で、兄のジャックは、児童保護施設に収容することになります。

家路

仕方なく、児童保護施設に入るジャックでしたが、そこではいじめなどがあり、馴染むことが出来ません。でも、夏休みになれば、母親と一緒に暮らせると思い、それまではガマンすることにします。そして、念願の夏休みになり、母親が迎えに来てくれるものと楽しみにしていたのですが、突然に連絡があり、迎えに来れないとの事。2日後には迎えに行くからと言って、電話を切られてしまいます。

家路

施設に残っていたジャックは、年上の男子に虐められ、つい、喧嘩をしてしまいます。傷つけてしまったじジャックは驚いて、そのまま施設を抜け出し、家に逃げて帰ります。家に付いてみると、誰も居ずに、鍵もいつもの所に無く、電話も通じません。母親の職場に行くと、出勤していなくて、弟のマヌエルは預けられっぱなし。迷惑がられていました。仕方なく、弟を引き取り、家の近くで母親を待つことにしますが、いつまで待っても帰ってこず、一晩明かしても帰って来ません。知り合いを訪ね歩くのですが、誰も知らず、お前たちは母親に捨てられたんだと言われます。

捨てられたことを認めたくないジャックは、それからも家の近くを廻り、母親の帰りを待ってみると、3日ほど経って、自宅に電気が付いている事に気が付きます。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

家路

もー、映画を観ながら、ムカついて、歯ぎしりをしてしまうほどイライラしました。何故なら、母親なのに、母親では無いんです。子供を二人も産んでおきながら、全く自覚が無く、ペットくらいにしか思っていない。自分の遊び友達と、公園などでピクニックをして話をしているのですが、「セックスが好き。コンドームは面倒だから嫌い。」と平気で言っているんです。子供が出来てしまう事を、なんとも思っていない。自分の欲望が満たされれば、別に、子供が出来ようと、ほおっておけば育つと思っているんです。マジで、テメぇ、いい加減にしろよと言いたくなってしまいました。

ハッキリ言わせてもらいますが、子供を育てられないなら、産むなと言いたい。セックスが好きなら、子宮を取りなさい。そうすれば、いくらでも好きなだけデキるから。唯の穴にしてしまえ。その方が、世の為です。あなたたちのような人間の遺伝子が増えてしまうのは、迷惑です。それなら、優秀な遺伝子の子供をシャーレで作って、産ませた方がよっぽど地球の為です。冷たい事を言ってごめんなさい。でも、それくらい、怒りが込み上げてきました。

家路

そんな親から生まれた子供は、どうやって生きて行ったらいいの?だって、その子供からしたら、そんな母親でも、母親なんです。あまりにも可哀想で、どうしてあげたら良いのか、分からなくなりました。愛されない子供ほど、可哀想なことはありません。愛をもらう為に、一身に受ける為に、子供は生まれてくるんです。


こんな風に、親に愛を貰えなかった子供たちって、多いのでしょうね。そういう子を助けてあげる手立てって、無いのかな。どんなに周りの人間が愛してあげても、親に愛されるほどには出来ないだろうし、難しいですよね。愛してもらえなければ、子供でも、一人で生きなければならず、精神的に大人になってしまう。そんなの辛いです。この映画でも、観ていて、辛くて辛くて、涙がツーっと落ちてしまいました。

家路

ジャックは、最後の最後に、決断をするのですが、あまりにも哀しいと思いました。誰でも良いから、後ろから抱きしめてあげて欲しいと思いました。こんなに小さな身体で、大人に成長してしまうなんて、なんて酷い社会なんだろうと悩んでしまいました。

これは、ドイツ映画なのですが、同じことが、世界のあちこちで起こっていて、もちろん日本でも起こっていると思います。子供を愛せない人間は、子供を産まないで欲しい。子供はおもちゃではありません。責任を持って育てて行ける人のみ、産んでください。いい加減に、大人になれよ。そんな事を思う映画でした。


家路

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。これは、みんなで考えて行かなければならない社会の問題です。育てられない母親からは子供を預かり、母親には産めないような処置を施すくらいの事をしない限り、しあわせな社会は作れないと思います。プライバシーやら、個人の自由と言うなら、それを言うだけの責任を誰もが取るべきです。責任が取れないなら、何もするなと言いたい。それくらい、怒りに震えた映画でした。ぜひ、観てみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




ぼくらの家路@ぴあ映画生活


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