「心が叫びたがってるんだ。」の試写会に連れて行って貰いました。
ストーリーは、
活発な少女だったものの、ある事を話したことで家族がバラバラになった上に、玉子の妖精にしゃべることを封印された成瀬順。そのトラウマが心に突き刺さり、隠れるようにして生きていく。ある日、通っている高校の地域ふれあい交流会の実行委員会のメンバーになり、さらにそこで上演されるミュージカルの主役を務めることに。困惑する順だったが、メンバーの坂上拓実、田崎大樹、仁藤菜月と行動を共にするうち、自分の中の変化に気付きだす。
というお話です。
成瀬順は、その街の山の上にあるお城に憧れていました。でも、そのお城は大人だけの秘密の場所、ラブホテルなんです。でも、子供の順には分からず、そのお城に入って行く父親の姿を見てしまった事から、家族がバラバラになり、順は、自分がおしゃべりなせいで、家族が壊れたのだと思い、それから口を閉ざしてしまいます。というか、話したくても、話す事に罪悪感を感じてしまい、話そうとすると、腹痛に襲われて話せなくなってしまうんです。
そんな順は高校生になり、ある日、担任から「地域ふれあい交流会」という催しの実行委員に任命されてしまいます。それまで、クラスではほとんど話さず、孤立していた順ですが、同じ実行委員の拓実に促され、ミュージカルで歌いたいという気持ちを、歌で表現します。

順は、しゃべると腹痛になるけど、歌えば言葉が発せられると言う事が分かり、それからは、意志の疎通を、携帯画面か、または、歌うかで伝える事となります。出来れば、おしゃべりがしたいのですが、自分自身で、心に精神的な壁を作ってしまっていて、どうしても話せないんです。
「ふれ交」実行委員の坂上拓実、田崎、仁藤と順の4人で、ミュージカルの内容を決めて、音楽を考え、演出を考えて、なんとか成功するように動き出します。そんな準備を始める中で、拓実には、父親との確執があり、言いたいことが言えていないということが解ってきます。そして田崎は、野球部に居ながら腕を怪我して戦えず、後輩との確執が大きくなっていき、言いたいことが言えないという事が解ってきます。仁藤は、中学の時に拓実と付き合っていたという事実があるのに、心を寄り添わせることが出来なかったという負目を抱いていて、言いたいことが言えずにいることが解ってきます。
それぞれに、言いたいことが言えずに心の中に貯めていて、悶々としていると言う事が、順の叫びたいけど叫べないと苦しんでいる姿を見て、自分の中のものに気が付いていきます。そして、それぞれが”ふれ交”でのミュージカルに、想いを込めて、心の叫びをぶつけて行きます。交流会での発表は上手く行くのか失敗するのか、それは、映画を観て下さいね。
この映画、かわいくて、良かったです。ちょっとネタバレになるかも知れませんが、この根本の原因は父親です。順は何も悪くありません。ハッキリ言って、この父親は”クズ”です。自分の子供が行けるような近場のホテルに女連れ込むアホな男なんて、普通、居ませんよ。完璧な能無し男のやり口です。あまりにも低能で、驚いてしまいました。マジで、タマ付いてんのかっ!って、私なら言っているような男です。その時に見つからなくても、それ程、頭が悪ければ、出世はしないし、一緒に居て、得になる男ではありません。別れて正解です。
そんなアホな父親を持ってしまった順ちゃんは、かわいそうでした。もう高校2年生ってことだから、随分、長い間、苦しんでいたのでしょう。なんで母親も、娘がそんな状態なのに、ほおっておいたのかしら。不思議でした。普通、娘が話せなくなっちゃったら、心配で心配で、病院に連れて行ったり、ケアをしてあげたりするだろうにね。母子家庭だから大変なのかも知れないけど、でも、アホな父親から、ちゃんと慰謝料をもらって、養育費も払って貰えば良いんです。いやぁ~、マジで両親にムカついたわっ!
拓実くんは、とっても良い子なんだけど、どこか冷めている感じがあるんです。彼も、自分では、普通に暮らしているつもりでも、本当は、叫びたいことが心の中にあって、それにより、冷めた子になっちゃっているんだと思いました。一言、叫ぶことが出来れば、もし、思い通りにならなくても、諦めが付くと思うのですが、叫びもしないのでは、ただ、悶々としたものが膨らんでいくばかりで、何も変わりません。でも、その事に自分でも気が付いていないんです。やっぱり、誰か側にいる人が気が付いてあげて欲しいよね。

きっと、誰もが、心の中に押し殺した思いがあると思うんです。それって、子供の頃や、青年期には、叫ぼうよ。大人になってしまうと、叫びたくても叫べなくなってしまいますからね。周りとのしがらみも出来て、何にでも責任が伴ってくるので、叫びたくても出来なくなっちゃうんです。社会に出るまでは、まだ大丈夫。叫びましょう。望み通りにならなくても、それでスッキリしますから。きっと、新しい道が開けてきます。そんな事が思える映画でした。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。やっぱり、学生の頃は、叫ぼう!大人になっても、こっそり叫んじゃいましょう。(笑)何となく、色々な人を応援したくなる映画でした。とっても感動出来ますので、ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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