「ポプラの秋」その手紙には人々の涙が綴られ、天国に居るであろう人に届いている。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ポプラの秋」の試写会に行ってきました。完成披露試写会で、主演の本田望結ちゃんと大森監督がいらっしゃいました。


ストーリーは、

父親をなくしてしまった8歳の少女・千秋(本田望結)は、母親(大塚寧々)と一緒にポプラ荘というアパートへ越してくる。新たな場所での生活への不安と期待、大好きだった父がいなくなった深い悲しみが入り交じる中、千秋はポプラ荘の大家(中村玉緒)と出会う。亡くなった者たちのいる天国に手紙を届けられると話す彼女を不思議に思いながらも、次第に心を通わせていく千秋。やがてその言葉を信じ、父への思いをつづった手紙を書いて大家に託すが……。

というお話です。


ポプラ

8歳の少女・千秋は、父親を亡くし、呆然としてしまった母親と一緒に、ポプラ荘というアパートに引っ越してきます。ポプラ荘には、年は取っているけど、とっても元気なお婆さんが大家として住んでおり、新しい環境に馴れない千秋に話しかけます。


千秋の母親は、仕事が忙しく、千秋の変化に気が付くことが出来ないようでした。大家さんは、千秋に、自分は天国へ行ってしまった人と、この世の人間の橋渡しが出来るのだと言うのです。この世の人間が書いた手紙を、天国の人に届ける仕事をしているそうで、千秋にも、もし、手紙を届けたい人がいるなら持ってきなさいと言います。

ポプラ

千秋は、直ぐに家に帰り、 父親宛ての手紙を書いて、大家さんのところに持って行きます。それからは、何度も手紙を書き、大家さんに届ける日々が続いて行きます。大家さんが言うには、タンスの一番上の引出しが手紙で一杯になったら、自分が死んで、その手紙を持って行くのだと千秋に話し、千秋は、あまりに沢山の手紙を書くと、大家さんが死んでしまうと心配し、それからは、小さな字で手紙を書き、回数を減らすようにします。

ポプラ

ある日、学校からポプラ荘に帰ると、見知らぬ男の子が居る事に気が付きます。その少年は、1階の西岡さんの息子・おさむくんで、両親の離婚により、普段は父親と離れて暮らしているらしいことが分かります。何となく仲良くなり、大家さんのお手伝いをしたりして、おさむくんは、お父さんと住みたいと思うようになり、ポプラ荘に越してこれるようにお母さんに話すからと言って、帰って行くのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。

ポプラ

この映画、これと言って、別に、何かがある訳では無いのですが、何となく、じーんとする映画でした。死んでしまった人に手紙を届けてくれるという大家さんは、一体、何故、そんな事をしているのか判らないのですが、ポプラ荘という大きな家に一人で住んでいるのですから、何か、昔、色々あったのでしょう。きっと、家族や愛する人を亡くし苦しむ人を見ていられずに、何か出来る事をと思って、始めたのではないかと思います。

ポプラ

それはそれは、多くの人々が、大家さんのところへ手紙を届けに来て、それぞれの思いを死んだ人に送るんです。人は、いつ死ぬのか分からないし、明日話そうと思っていたら、亡くなってしまったなんて事も、多々あるのだと思います。あれを言っておけば良かったとか、謝れば良かったとか、お礼を言っておけば良かったとか、本当に、沢山の思いが、その死によって、プツッと途切れてしまうのですから、残された人は、たまらないですよね。もう、この怒りを、何処にぶつければ良いのか分からずに、自分の歩く道をも踏み外してしまうかも知れない。そんな人々を救う為に、思いを伝えることが出来るのだと言ってくれたのではないかと思いました。

ポプラ

そんな大家さんの思いは、多くの人を助け、千秋も、千秋の母親も、その一人だったのだと言う事が、最後の方で判ってきます。そして、千秋の父親の死の真実も、判ってきます。それは、子供の千秋には受け止められない事でも、大人になって苦しみを体験した千秋には、受け止める事が出来る事実だったのではないかと思います。千秋の母親も、娘には話す事は出来ないし、随分と苦しんだのだと思います。家族の死を受け止めるのは、やはり辛いものです。

ポプラ

私は、この映画、まぁ、お薦めしても良いと思います。特別に何かあったり、すっごい謎が張り巡らされていたりなんて事は一切ありませんが、人の死というものが、残された人にどんな傷を与えているのかという事がしっとりと描かれていて、救いの手を差し伸べるやさしい心が、観ているこちらにも伝わって来て、感動しました。ちょっと、進み方が遅いので、ウトウト眠くなるかも知れませんが、最後に感動が待っているので、頑張って観てみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




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