「ベトナムの風に吹かれて」老人介護の問題と、社会主義の異国での交流を明るく描く。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「ベトナムの風に吹かれて」の試写会に連れて行って貰いました。


ストーリーは、

ベトナムで日本語教師として勤務しているみさお(松坂慶子)は、父の死後に認知症が進んだ母シズエ(草村礼子)をベトナムに呼び寄せる。言葉は通じないが二人を温かく支えてくれる現地の人々との交流を通し、母は徐々に笑顔を取り戻していく。しかし、ケガをしてしまい以前よりも母の介護が大変になる。その老いと向き合ったみさおは、母が自分に注いでくれた愛の深さに気付き……。
というお話です。

ベトナム

みさおは、ベトナムに渡り日本語教師をしています。ある日、父親が亡くなったとの知らせが来て、一時帰国する事に。父親の葬式の最中、母親が誰の葬式だと言いだし、認知症が進んできていることを知ります。みさおの兄夫婦と一緒に住んでいる母親ですが、実は、兄は、母親の息子では無く、先妻の息子であり、兄は面倒を見ると言ってくれているのですが、みさおは、自分で引き取って面倒を見る事にします。しかし、みさおが住んでいるのはベトナム。母親を連れて行っても大丈夫なのか心配ではあるのですが、やってみようと言う事で、母親を連れて、ベトナムに戻ります。

ベトナム

ベトナムで新しい生活を始めた母シズエ。言葉も通じず、どうなるのかと心配はしますが、何となく打ち解けて、周りの手助けを借りながらも、生活を始める事となります。新しい地で、認知症ではありますが、少し、色々な理解をするようになるシズエ。これなら、なんとかやって行けるかもと安心するみさおですが、そう簡単には解決しません。

ベトナム

そんな時、みさおの学生の頃からの友人がバンコクに現れ、懐かしい話をするうちに、何となくロマンス的なものが・・・。でも、第二の人生を迎えるほどの年齢である2人なので、そう簡単には・・・。そんなほのかな思いを胸に、生活も安定してきた矢先、母親が怪我をしてしまいます。それ程酷い怪我では無かったのですが、病院に入った母親の認知症は酷くなり、家に連れ帰って来てからも、介護は、みさおの手に余るほどのもので、自信を無くして行くのですが、周りの手助けもあり、段々と、母親と向き合い、自分だけで背負わずに、助けて貰いながらでも良いのだと言う事を認識して行きます。後は、映画を観て下さいね。

ベトナム

この映画、ベトナムとの合作だそうで、結構、苦労したようです。その苦労が、映画の中にも現れていました。日本人とベトナム人の感覚の違いというか、ベトナムでは、ヒューマンドラマというものが、あまり定着していないのかな。アクション映画やサスペンス映画などは、映画館で公開されるのですが、それ以外はほとんど無いそうで、今回のような映画は、人が入らないとのこと。


だからなのか、日本のヒューマンドラマだと、介護が中心なら、それをグッと前に押し出して、他は、切ってしまうか、小さく取り上げるだけなのですが、この映画では、どのシチュエーションも大きくなり過ぎて、中心になるものが、小さく見えてしまうんです。主人公とお婆ちゃんの苦労を描くなら、それをもっと描けば良いのですが、ベトナム側からみれば、それだけじゃ物足りないでしょと言われてしまったのか、ガチャガチャしたような作りになっています。

ベトナム

そんな中でも、松坂さんと草村さんの母娘は、老老介護というものに近いだろうと思うのに、とっても元気で、かわいくて、良かったですよ。誰もが、こんな風に年を取って行けたら良いのだろうけど、難しいのでしょうね。映画の中では、ベトナムの俳優さんたちも多数出演されているのですが、昔の日本の下町のような、温かさがあるように見えて、人情ってものが、まだベトナムにはあるのかなと思えるものでした。出演している方々は、とっても良かったですよ。

ベトナム

ただ、やっぱり、話としては、まとまりが無くなってしまっていて、昔の恋人の話とかは、端折っちゃっても良かったのではないかなと、素人考えながら、思いました。カフェの店主の母親が有名女優だったという話をもっと広げて、どの国でも、老人の介護の問題はあるのだと、強く訴えたら良かったんじゃないかな。あれだけで女優さんのお話が終わってしまって、ちょっと残念でした。

ベトナム

私は、この映画、お薦めして良いのか悪いのか、何とも言えません。話は、ガチャガチャしていてまとまりが無く、ちょっと観るのが辛い映画ですが、一つ一つの内容を観ると、とっても大切な事を描いていて、それぞれの俳優さんたちも上手くて、何とも言えないんです。だから、どうかなぁ~と思いながら、観に行っていただけると、それなりに観れるのではないかなと思いました。草村さんのお婆ちゃん、カワイイですよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




ベトナムの風に吹かれて@ぴあ映画生活


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