「ふたつの名前を持つ少年」ユダヤ人というだけで、何処までも追われてしまうなんて。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ふたつの名前を持つ少年」を観てきました。


ストーリーは、

8歳の少年スルリック(アンジェイ・トカチ、カミル・トカチ)は、ポーランドのユダヤ人強制居住区から脱走。森へと逃げ込むものの寒さと飢えに襲われてしまう彼だが、ヤンチック夫人に助けられる。聡明で愛嬌(あいきょう)のあるスルリックに魅了された夫人は、彼にポーランド人孤児のユレクだと名乗るように諭し、架空の身の上話を頭にたたき込む。夫人のもとを離れ、農村を回りながら寝床と食べ物を求めるスルリック。やがて心優しい一家と出会って安息を得るが、ユダヤ人であることがばれてしまう。

というお話です。


ふたつの

スルリックは、まだ8歳の男の子。ポーランドのユダヤ人居住区から脱走し、森へ逃げ込み、そこで出会った、自分と同じようなユダヤ人の子供たちと一緒に行動するようになります。近所の農家から家畜や野菜を盗んだりして、食糧を手に入れ、草むらの中で眠る毎日です。そんな生活も、森の捜索にやってきたドイツ兵に壊されてしまいます。ドイツ兵に追われ、散り散りに逃げた子供たちは、ほとんどが捕まってしまったのか、スルリック一人になってしまいます。

ふたつの

森を彷徨いながら何とか生きているのですが、雪が降り、極寒の森で凍死寸前になり、農家を探して、助けを求めます。ポーランド人の女性は、自宅の前に倒れたスルリックを看病し、自分の息子の子供の頃の洋服と靴を与えて、ドイツ兵から隠してくれます。彼女の家で身体が良くなるまで匿って貰い、元気になって行くスルリックですが、彼女の家も、ドイツ兵に目を付けられてしまい、仕方なく、スルリックに食べ物を持たせて、裏から逃がします。スルリックにキリスト教を教え、十字架も持たせてくれて、それでユダヤ人だと言う事を隠して行きなさいと教えてくれました。

ふたつの

またも、1人で生きて行かなければならなくなったスルリックは、ユダヤ人だと言う事を隠し、ポーランド人で、両親を子供の頃に亡くして、孤児なんだと言って仕事を探します。住み込みで農家に雇われ仕事をするのですが、仕事中に手に怪我をして病院に運ばれると、ユダヤ人だということがバレてしまい、マトモな治療を受ける事が出来ずに、右手を切断するような事になってしまいます。

片手を失ったスルリックは、ドイツ兵に追われ、病院からも逃げ出して、ある鍛冶屋一家に雇って貰うことになります。その家族にとても良くして貰い、学校へも行かせて貰い、平穏な生活を続けていると、戦争が終わり、ドイツ兵に追われる事は無くなります。しかし、今度は、ユダヤ人孤児を保護する人が迎えに来て、スルリックを鍛冶屋から連れ出そうとします。スルリックは、どんな決断をするのか、後は、映画を観て下さいね。

ふたつの

この映画、ユダヤ人の実話を映画化したようで、結構、辛い内容でした。アンネの日記とは違って、スルリックは、収容所から脱走はする事が出来たけど、でも、1人で生きて行く事は、非常に大変なことだったと言う事が分かりました。一見、ユダヤ人だと判らないようにしているのですが、ユダヤ人は、小さい頃に”割礼”を行うようで、男の子は、下半身を見ると、ユダヤ人かどうか、判ってしまうらしいんです。だから、どんなにキリスト教のお祈りをして、十字架を付けていても、下半身を出せと言われてしまうと、隠しようが無いようで、可哀想でした。

ふたつの

それでも、スルリックは、良い人に巡り合ったようで、随分、色々な人に助けて貰えていました。ドイツ軍の将校にも出会うのですが、気に入られて、農家で働いているのを内緒にしてくれたりと、敵ではあっても、その中の個人は、良い人も居たんだと言う事が分かります。今と同じように、世論は分かれていたんですね。ユダヤ人を心から憎む人も居ただろうけど、そうでない人だって、沢山いたんです。

捻くれた考え方かも知れませんが、やっぱり、ドイツ兵は加害者で、ユダヤ人は被害者なんですね。確かに、ヒトラーはキ○ガイだったんだろうし、ナチスのユダヤ人虐殺は人間的に許されない事だけど、もう少し、冷静になって、なんでユダヤ人がそれ程に嫌われたのか、追求する事は無いんでしょうか。何か理由があるはずでしょ。気持ち的な感じの解説はあるけど、これがナチスのユダヤ人迫害の理由ですっていう、確実なものって無いのかな。私の調査不足かも知れませんが、そう言う事が書いてある本を見つけられないんですよね。

ふたつの

確かに、こんな風に親が殺され、1人になってしまった子供たちも沢山居たのだと思います。だからって、イスラエルを作って、そこからイスラム教徒を追い出しても良いという理由にはならないし、核爆弾を持って良いという理由にもならないし、隣の国を攻撃して良いと言う事にもなりません。自分たちが痛い思いをしたのなら、他の人に同じ思いをさせないようにすべきじゃないのかな。だから、どんなに被害者だって訴えていても、どーも、今のユダヤ人を見ていると、本当に被害者だったんだろうかと疑ってしまうんです。

いつも大きな声を出している人が正しいとは限りません。必ず、疑ってみるべきだと思います。ユダヤ人は可哀想だけど、シンドラーは良い人だったのかも知れないけど、でも、裏の顔は判らない。このスルリックだって、可哀想だけど、彼のせいで家を焼かれた人々や、彼の面倒を見てあげた人々にお詫びやお礼をしたんだろうか。彼に家畜や野菜を盗まれた家の人は、もしかしてその食糧が無くて、死んだかも知れない。私は、一方向から見た映画は、必ず、相手方からの見方もあるので、実話と言われても、全て信用はしません。可哀想な少年の映画でしたけどね。

ふたつの

私は、この映画、まぁ、お薦めして良いかなと思います。誰かが幸せになれば、その反対に不幸になる人が居る。必ず、対面にいる人間が居るのだと言う事を知りながら観るのであれば、とても良い映画として、観る事が出来ると思います。万人が納得出来る解決なんて、この世の中に無いのですから。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




ふたつの名前を持つ少年@ぴあ映画生活



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