「罪の余白」女子高生だからってナメてはいけない。一番残酷な事が楽しい時期なんです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「罪の余白」の試写会に行ってきました。KINENOTE の招待で観てきました。私、こんなに映画を観ているにも関わらず、「キネマ旬報」を知らなかったアホです。KINENOTEのサイトを知ってから、「キネマ旬報」という雑誌を知りました。雑誌って、ほとんど読まないので、分からないんです。お恥ずかしい。


ストーリーは、

女子高に通う加奈は、ベランダから転落し命を落としてしまう。彼女は、女子高のカーストの中でトップに君臨する咲(吉本実憂)に憧れる友人グループの一人だった。加奈を男手一つで育ててきた安藤聡(内野聖陽)は自責の念にかられており、娘の死は事故だったと信じていた。ところが、死の真相を探ろうとする安藤の前に咲が立ちはだかり……。

というお話です。


罪の余白

カトリック系の女子高、安藤加奈は、クラスの中で、木場咲と新海真帆と3人グループになっています。咲は、とても容姿が美しく、性格もキツく、2人を支配しているという感じでした。真帆は、咲と加奈が仲良くしているのを見ると、咲を取られたと思い嫉妬し、加奈に冷たい態度をとります。そんな2人を楽しそうに見つめる咲は、2人を友達などとは思って無く、ただ、遊びの道具ほどにしか思っていません。


ある日、咲は、テストの点数で加奈と賭けをして、加奈が負けたのでバツゲームをしようと言いだします。ベランダの手摺に立って5秒耐えるか、笹川さんの胸に光る十字架を焼くか、どちらか選べと言うのです。優しい加奈は、人に迷惑をかけるのならと自分がベランダの手摺に立つ方を選択し、手摺に立ったところでバランスを崩し、落ちてしまいます。イヤなら嫌だと言えば良いのにと、責任逃れをする咲。しかし、落ちてしまった加奈は、病院へ運ばれます。


大学で行動心理学を教えている安藤のところへ、娘の加奈が学校で事故に遭ったとの連絡が入ります。昨日まで、一緒に買い物をしたり、楽しそうにしていたのに、どうしたのかと思い、急いで病院へ駆けつけると、既に危篤状態で手術室の中に。そして、加奈は、そのまま帰らぬ人になってしまいます。

罪の余白

加奈が何故、ベランダから落ちなければならなかったのか。事故か、自殺か、という警察ですが、自殺する理由が思い当たらず、自分が娘を解っていなかったのではないかと苦しむ安藤は、娘の遺書のようなものがないか、部屋を探すのですが、何もありません。そんな時、咲のクラスメイトの笹川七緒が訪ねてきます。加奈に最後のお別れを言いたいからというので、中に入れて、咲の事故の様子を聞こうとするのですが、何も知らないと話します。安藤は、娘が残したPCの日記を開き、一緒に見て欲しいと笹川に頼み、加奈の日記を読んでみると、サキとマホという子に嫌がらせを受けていた事実を知ります。それについて笹川に聞くのですが、何も知らないと言い、帰ってしまいます。

安藤は、真相を知るべく、娘の高校の学園祭に行き、先日、訪ねて来てくれた笹川を頼って、木場咲と新海真帆という子を教えてもらおうとし、笹川を呼び出すと、先日、訪ねてきた少女では無い事に気が付きます。そして、先日来た子が、木場咲だと言う事を知ります。

全てが木場咲によって行われ、証拠があるかを探りに来た事に気が付いた安藤は、執拗に咲を追って行きます。しかし、咲の方も、頭が良く、どんなに追い詰めようとしても、それをすり抜け、安藤を窮地に立たせるように仕向けてくるのです。後が無くなった安藤は、咲に、どう罪を償わせるのか、後は、映画を観て下さいね。

罪の余白

この映画、この年代を良く解っているなぁと楽しくなりました。そうなんです、女子高生に怖いモノなんて無いんですよ。この頃って、無敵ですもんね。何をやっても許されるし、犯罪を犯しても、未成年だから刑務所に入る事も無いし、成人してしまえば、罪も消えてしまいますから、殺人でも何でも、やりたい邦題なんです。ある程度の容姿をしていれば、女子高生というブランドで、女王のように振る舞える。

彼女たちには、まだ知識も少ないし、人との関わりも少ない。だから、窮地に立たされると、選択肢が少ないので、直ぐに強硬に及んでしまう。だから怖いんです。この世の中は、いくらでも選択肢はあるし、交渉が出来るのに、それを知らないから、直ぐに恐ろしい結論に行き着いてしまう。頭が良いように見えて、まだまだバカなんです。だから、成人年齢を16歳に下げて、罪は罪として、叩き込む必要があると思うんだけど、まだまだ、そこら辺が開けてきませんね。せめて殺人などは、どんな年齢でも、被害者に対しては全て公開すべきだと思っています。

川崎の殺人事件も、先日の高槻の事件も、この年代が事件を起こすと、あまりにも残酷で驚いてしまいます。高槻は、まだ犯人は捕まってないけど、まぁ、同じような感じじゃないかな。恐ろしいです。

罪の余白

この映画でも、安藤が、最初は、女子高生だからって、舐めてかかっているのですが、途中から、これは真剣に戦わないと無理だと言う事に気が付いていくんです。ちょっと、笑ってしまいました。だって、行動心理学者なら、この年代が残酷で、変に頭が良いということが解っていたと思うんだけど。途中で気が付いて、方向転換して行くところが、普通の大人とは違いますね。こういう年代相手には、やり方があるんです。

後半は、この先はどうなるのかとワクワクドキドキで、すごい心理戦が戦わされます。何処までも攻撃的な咲と、それをどう崩して、罪を認めさせるかという大人の行動が、何とも、言葉に言い尽くせないほどの盛り上がりを見せます。面白かったですよ。

観る前は、タイプ的に、「渇き」に似ているかなと思ったのですが、また違う世界を観せてくれました。内野さんが演じているので、追い詰めて行く中にも、何か優しさがあるんですよね。大人の冷静な判断を根底に持っているという感じがあり、この父親なら、間違った事はしないはずだと思えるんです。そこが、狂った人々の戦いとは違い、現実を感じられるところなのかな。良かったです。

罪の余白

私は、この映画、すごくお薦めしたいと思います。面白いです。咲役の吉本さん、最近出てきた子なのかな。悪魔役にピッタリだったけど、キレイだからなのか、顔の特徴が無いので、他のに出ていても気が付かないかも。これから自分だけの特徴を作って欲しいです。加奈役の子は、可愛かったなぁ。他の女優さんたちも上手かったです。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




罪の余白@ぴあ映画生活



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