「日本のいちばん長い日」戦後70年、戦争を真剣に考える時期なのかも知れません。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「日本のいちばん長い日」を観てきました。


ストーリーは、

1945年7月。太平洋戦争での戦況が悪化する日本に対して、連合軍はポツダム宣言の受託を迫る。連日にわたって、降伏するか本土決戦に突き進むかを議論する閣議が開かれるが結論を一本化できずにいた。やがて広島、長崎に原爆が投下され、日本を取り巻く状況はさらに悪くなっていく。全国民一斉玉砕という案も取り沙汰される中、阿南惟幾陸軍大臣(役所広司)は決断に悩み、天皇陛下(本木雅弘)は国民を案じていた。そのころ、畑中健二少佐(松坂桃李)ら若手将校たちは終戦に反対するクーデターを画策していた。

というお話です。


日本のいちばん

終戦記念日の次の日に観に行ったのですが、映画館が一杯で、驚くほど込み合っていました。みんな、やっぱり、戦争の事を考えようと思ったのかしら。邦画で、まして戦争関係の映画で、満杯って、驚きでした。

1945年7月、第二次世界大戦の末期、日本は、物資も無く、敗戦の色が濃く出てきていました。しかし、軍部は、負ける事はないと言い張り、本土決戦も最後まで戦うべきだという考えに囚われています。連合軍は、ポツダム宣言を作成し、その受諾を日本に突きつけてきました。


日本のいちばん

日本の政府は議論を重ね、連合軍への返答をまとめるのに時間がかかっていると、広島、長崎に原爆が投下されてしまい、状況は、最悪の状態へと動いていきます。このまま返事を長引かせれば、東京に原爆が落とされるかも知れないという状況の中、阿南陸軍大臣は、戦争を続けるべきだと訴える陸軍を抑えながら、政府の人間として、戦争を続けるべきでは無いとの思いに傾いていく。


政府の答えはまとまらず、鈴木総理大臣は、仕方なく、天皇に意見を仰ぎ「聖断」をして頂くしかないという結論に行き着きます。天皇の言葉なら、誰もが従うので、意見もまとまり、日本は負ける事が出来ると考えたのです。天皇は、鈴木の話に同意し、戦争は辞めさせなければいけないと、決断されます。そして、玉音放送を録音し、8月15日の正午に放送すると決めて、テープを保管します。

日本のいちばん

敗戦を政府が決断したという情報を聞き、陸軍の一部が反乱を起こし、玉音放送を流させないように、皇居に侵入し、天皇の警備をしている近衛師団に嘘の情報を流し、陸軍と近衛師団で、敗戦を止めようと動き出すのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。

この原作は、ノンフィクションだそうですが、こんな凄い事が、その時、起こっていたんですね。戦争を終わらせるのが、どれ程大変なのかということが、とても良く判りました。このままなら日本民族は絶滅してしまうという意見もあれば、このまま続ければ勝てるかも知れないと言う意見もあり、それは、大変です。でも、冷静に戦力などを計算していれば、直ぐに解ったハズなのに、それまでの日本は、戦争で負けた事が無かったから、負け方が分からなかったんでしょうね。

日本のいちばん

昭和天皇は、こんな風な方だったんですね。私も昭和生まれですが、もうヨボヨボした天皇しか覚えていないので、これ程若かった頃の天皇が、こんな大変な決断をして、戦争を辞めさせたなんて、驚きでした。私は、天皇というのは、ただの飾りだと思っていたのですが、ご自分の意見も、キチンと言う方だったんですね。それなら最初に、戦争はやっちゃダメですよって言ってくれれば良かったのに。

でも、これ程、若い天皇だったからこそ、止める事など出来ずに、軍部が暴走したのかも知れませんね。今更、何を言っても変わらないのですが、色々考えてしまいます。映画の中に、東條が出てくるのですが、やっぱり、この人が最後まで戦争をさせたかった人だったんですね。昔から、この人嫌いです。

日本のいちばん

阿南陸軍大臣の苦労が、とても伝わってきました。だって、陸軍は戦争を続けたくて続けたくてたまらないんですもん。絶対に辞めさせないで欲しいと言っていて、何万人かを特攻させれば勝てますとか言っちゃってるんです。もう、完全に狂っているとしか思えなくて、驚きました。戦争に勝つための頭脳になるべき陸軍のトップたちが狂っていたら、日本は沈没するしかありません。そんな事を予言するような言葉が、阿南の部屋に飾ってあるんです。忘れちゃったけど、”狂人が右を向けば、全員が右を向く”というような言葉でした。

日本のいちばん

この映画で、日本がどのようにして戦争を終わらせることが出来たのかという事が分かりました。とても解り易かったし、何となく、ありがとうという気持ちになりました。もし、戦争が続いていたら、今の日本は無いんですからね。恐ろしいです。戦争は、何があっても止めなければいけません。それは、今の日本人は、誰もが思う事だと思います。

日本のいちばん

私は、この映画、とってもお薦めしたいと思います。お年寄りから、若い人まで、一度は、知っておくべき日本の歴史なので、ぜひ、観て欲しいと思います。本を読んだりするよりも、映画で観る方が、分かり易いし、気持ちも伝わり易いのではと思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ




日本のいちばん長い日@ぴあ映画生活


決定版 日本のいちばん長い日 (文春文庫)/文藝春秋
¥648
Amazon.co.jp

日本のいちばん長い日 [東宝DVD名作セレクション]/東宝
¥2,700
Amazon.co.jp