「ピエロがお前を嘲笑う」の試写会に連れて行って貰いました。
ストーリーは、
世間を震え上がらせたハッキング事件を起こし、さらに殺人容疑で追われる天才ハッカーのベンヤミン(トム・シリング)が警察に出頭してくる。ハッカー集団「CLAY」に加担して盗んだ情報によって殺人事件を引き起こしてしまい、今度は自分が狙われていると告白。その自白を基にベンヤミンの身辺調査に着手した捜査員は、不可解な事実を次々に見つけだす。
というお話です。
ネタバレをしないで、この映画の面白さを伝えるのは難しいかも知れませんが、ネタバレしちゃうと面白く無いのでやりません。いやぁ、でも、言いたくなっちゃうなぁ~。(笑) だって、面白いんですもん。私の好きなタイプの映画です。
子供の頃から、不遇な境遇を味わってきているベンジャミン(ベンヤミンと訳してありました。)は、高校の同級生のマリーにピザ宅配のバイトの届け先で久しぶりに会い、彼女への思いが蘇えります。彼女が、大学のテストの情報が欲しいと言っているのを聞き、大学へ忍込み、サーバーにアクセスしてテスト情報を盗んでいる所を捕まってしまいます。初犯のため、50日の奉仕を課せられ、仕方なくゴミ拾いをしていると、そこで、同じようにハッカーで捕まったマックスと出会い、パーティーに招待されます。
パーティー会場で、マックスの仲間のポールとステファンに紹介され、一緒にハッカーとして楽しんでみないかという事になります。4人は、ドイツ右翼の集会を攻撃したり、製薬会社を襲ったりなど、ハッカーとして名前を馳せて行きます。しかし、ハッカー界で尊敬されているMRXという偉大なハッカーは目に止めてもくれず、彼らを無視。4人は、CLAYという名前を名乗り、MRXに目をかけて貰えるように行動して行きます。
そしてMRXに声をかけられ、ある依頼を受けて攻撃をし、データを盗むのですが、それが元で、MRXと行動をしていたFR13NDS(フレンズ)の1人のハッカー・クリプトンが殺されて見つかります。これはヤバいと思ったベンジャミンは、MRXに罠を仕掛けて、彼を捕まえさせようとするのですが、それも読まれていて失敗してしまいます。
後が無くなったベンジャミンは、命の危険を感じて、警察に投降し、自分を証人保護プログラムで逃がして欲しいと願い出ます。そこにユーロポールのシステム関係の捜査をしているハンネ・リンドバーグ調査官が現れ、ベンジャミンの話を詳細に聞き始めます。しかし、何度聞いても、合っているようで、合っていない部分が出てきて、どーも腑に落ちないんです。彼女の同僚も、ベンジャミンの話には、穴があると言い、捜査官たちは、ベンジャミンの過去を徹底的に調べ始めます。すると、色々な事が・・・。
彼の話は、どこから何処までが本当の話なのか、本当に彼はハッカーなのか、彼の仲間とは誰なのか、それをユーロポールのハンネは調べて行くのですが、確かに、MRXとFR13NDSというハッカーは、ユーロポールも追っているので、ベンジャミンが協力してくれて逮捕出来るならと、協力を頼み、MRXに罠を仕掛けます。そしてベンジャミンは、証人保護プログラムを使って、自由になれると思うのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。
これ、面白かった!まず、オープニングから、超カッコいいんですよ。それこそ、まるで音楽PVのようにスタイリッシュで、イケてるんです。音楽も、もちろん良いんですけどね。そんなところから入り、話が2転3転していくのは、もう、気持ちが良いというか、次は何がくるの?みたいな感じで、楽しいんです。面白かったですよ。
このベンジャミン、とっても弱そうな男の子なんです。まぁ、確かに弱くて、最初は、透明な男の子なんだけど、ハッカーとして行動し始めると、すごい存在感を発揮するんです。そして、CLAYの重要な存在になって行くのですが、今一つ、自信が無いように見えるんだけど、最後まで観ると、この自信が無さそうな表情も、何だったんだろうなぁって思うかも。
こんな風に、システムをいじって行くだけで、世界が簡単に変わって行くというのが、良く描かれていて、楽しいと思いました。今どき、戦争だって、システム上でやるものなんだから、安保法案がどうなろうと、戦地で戦うなんて事は無いんだろうなぁって思いました。だって、無人偵察機で調べて、無人爆撃機を差し向けるだけでしょ。相手にハッキングして、相手の爆撃機を落とせば良い訳でしょ。もう、システムだけで、いくらでも出来ちゃうじゃん。それなら大人よりも、子供にやって貰った方が、強そうですよね。ゲームで鍛えているんだから、大人の出る幕じゃない。恐ろしい時代です。
中国は、既に、小さな頃からシステム関係の勉強をさせて、素晴らしいハッカーを作っているんでしょ。日本だって、それに対抗するくらい、頑張って欲しいなぁ。このベンジャミンたちくらいには、出来るのかしら。軍によってでは無く、彼らによって、世界が良い方向に向かっていくなら、それも時代だと思って受け容れて行きたいと思います。アナログな、旗を持って町中を歩いているような人間たちは、その内、誰も相手にしなくなる時代が来るんでしょうね。
そうそう、MRXというキャラクターなのですが、仮想世界での表現の仕方が、顔に白いマスクを被って、真ん中にXと書いてあるんです。なんか、「20世紀少年」の”ともだち”を思い出してしまいました。仮装空間だから、何度、顔を暴いても、またXの顔が出てきて、あー、これ、観た事あるなぁと嬉しくなっちゃいました。でも、大丈夫、ちゃんと、本当の顔は判りますよ。
今回、私、マックスがタイプだったなぁ。ちょっと、荒っぽいけど、優しそうで、CLAYのリーダー的な存在なんです。ステキでした。これ、ハリウッドでリメイクされるらしいのですが、誰がやってくれるのかなぁ。楽しみです。でも、ドイツ版でも十分に面白いですよ。私にとって、今一つの部分は、ダークな部分があまり無かった事。結構、みんな、良い人なんですよね。ハッカーは、悪として、ダークヒーローとしての汚い部分が、もう少し、ドロドロと描いて欲しかったかな。まぁ、このままでも十分に面白いので、蛇足かな。(笑)
私は、超!お薦めしたいと思います。グロい部分はありませんので、安心して観に行ってください。でも、頭を使うと思うので、元気な時に観て欲しいかな。でないと、あれ?それはなんだっけ、とか、小さな事がヒントになって、それで引っ掛けてくるので、良く観ていてくださいね。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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