「ローリング」を観てきました。
ストーリーは、
地元、茨城県水戸市のおしぼり会社に勤務する貫一は、行方不明だった元高校教師の権藤と思いがけない再会を果たす。しかし、権藤には10年前に校内で盗撮事件を起こした過去があり、それが原因で教え子たちから罵詈(ばり)雑言を浴びせられる。プライドを傷つけられた権藤に追い打ちをかけるように、東京から連れてきたキャバクラ嬢のみはりが貫一を好きになり彼のもとから去ってしまう。やがてかつて権藤が盗撮した動画が、ある芸能事務所を巻き込んだ騒動を引き起こす。
というお話です。
高校教師の権藤は、10年前に教え子の女子高生の更衣室にカメラを仕込み、盗撮をしたため教師をクビになり、姿を消しました。それから10年、故郷に戻ってきた権藤は、飲み屋で、元教え子であり盗撮した女子高生だった生徒に鉢合せし、慰謝料を払えと追いかけられます。逃げている所を、元教え子の貫一に助けられ、交流を持つようになります。
権藤の彼女のキャバクラ嬢のみはりが、貫一の事を気に入り、権藤の元を去って、貫一の家に転がり込みます。教え子に彼女を寝取られた権藤は、何もかもどうでも良くなり、いい加減な生活を始めます。そんな時、他の教え子たちが、昔、盗撮した動画を見せろと迫り、その動画に映っていた、今は芸能界に入り、売り出し中の女優の女の子がいて、その盗撮動画を、芸能プロダクションに高く買って貰えるんじゃないかと持ち掛けます。既に、何もかもどうでも良くなっていた権藤は、元教え子と一緒に、芸能プロダクションを相手に、取引を持ち掛けます。
その芸能プロダクョンは、とても怪しそうな感じで、とりあえず、動画のハードディスクを渡し、お金を300万円程貰って、終わるはずだったのですが、彼女の動画がマスコミに漏れてしまい、大変な事に。反対に、芸能プロダクションに脅される羽目になってしまった権藤と元教え子たちは・・・。後は、映画を観て下さいね。
私、いつも書いているのですが、”先生”と呼ばれる人間に、マトモな奴は居ないんです。私も”先生”と呼ばれると、気持ち悪くて、私は変態じゃないぞーって叫びたくなるのですが、その場は流して、その後は名前で読んでくださいと言うんですよ。”センセイ”と呼ばれて気持ち良くなっている奴にロクな奴いないですよ。教師しかり、政治家しかり、飛び抜けて欲の強い人間が多いので、恐ろしいです。本当の事を言うと、学校の教室にだって、監視カメラを付けて欲しいくらいです。プライバシーの問題が出てくるだろうけど、もし、それが出来れば、いじめだって、早めに見つけられるし、先生も監視出来るでしょ。いじめを見てみぬ振りをしていたら、それも全部解る訳だから、責任も問えるし、子供が自殺する前に対処してあげられるかも。
話を戻して、この権藤って先生と同じようなタイプの先生、多いんじゃないかな。いい加減で、俺は教師だと言いながら、自分の欲望を抑える事をしないタイプ。いつも人の上に居ると勘違いしちゃっているから、何でもやっちゃうんですよね。相手を自分と対当だと思えず、自分が庇護してやっているんだと思っちゃうの。だから、酷い事を平気でして、その後に優しくして、俺しか守れないとか思っちゃうタイプ。きゃ~、イライラするわっ!
そんなタイプの権藤は、マジで酷い男でした。だけど、そんな酷い男に騙されてしまう女も居るんですよ。その優しさに騙されてしまうんです。まぁ、この容姿でモテていたから、SEXも上手かったのかも知れませんが。とにかく、最初から最後まで酷くて、私は、大嫌いなタイプなんですけど、どーも憎めないというところが、イイのかな。きっと、貫一も、どーも憎めなくて、手助けをしたのではないかと思うんです。キレイ過ぎる男より、こういう汚い男の方が、憎まれないのかな。
最低男だけど、誰からも相手にされずに生きているよりも、元教え子たちにいじられながらも、這いつくばって生きているのも、人間らしくて良かったんじゃないかな。あまりにも、酷くて最低で、汚くて、恐ろしい事に、それが愛おしく感じて来てしまうところが、この映画の面白くて怖いところかな。なんだか、そう思えてしまうんです。不思議でしょ。でも、人間って・・・って思えて、観た後に、不思議に清々しさが残るんです。なんだろう。面白かった。
私は、この映画、お勧めしたいと思います。泥臭くて、人間の汚さが溢れているけど、何か、不思議な魅力のある映画でした。お時間があったら、ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
・ローリング@ぴあ映画生活
- 乱暴と待機(通常版) [DVD]/キングレコード
- ¥4,104
- Amazon.co.jp
- パビリオン山椒魚 プレミアムエディション [DVD]/ジェネオン エンタテインメント
- ¥5,076
- Amazon.co.jp