「パージ」こんな法律をどうして合法化したの?パージ法では犯罪率は減らないと思うけど。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「パージ」の試写会に行ってきました。


ストーリーは、

年に12時間だけ、殺人を含む全ての犯罪行為を合法にする法律が定められたアメリカ。パージと呼ばれるその日を迎えたジェームズ・サンディン(イーサン・ホーク)は、最先端のセキュリティーシステムによって保護された自宅で妻子たちと夜を過ごすことに。だが、パージがスタートするや、ある男がジェームズの家に助けを求めてやって来る。息子がセキュリティーシステムを解除して彼を家にかくまうが、男を殺そうとする近隣住民が続々と集結。暴徒と化した彼らに囲まれたジェームズたちは反撃に挑むが……。

というお話です。


パージ

この映画の中のアメリカでは、パージ法というものが成立し、年に12時間だけ、殺人を含む全ての犯罪行為が合法となるんです。何をやっても犯罪ではないってことです。誰もが、その12時間に恨みつらみを晴らし、普段は、大人しく、その日を待つという生活を送っているんです。その為、犯罪率は1%以下まで落ちて、平和なアメリカとなりました。

ある街に住むジェームズは、セキュリティー会社に勤めていて、街の住民たちに、パージ時に自宅で自分達を守るためのセキュリティーシステムを販売し、彼のチームがセールスでトップを取ります。給料も上がり、裕福な生活を送っていました。そして、パージの日、自宅のセキュリティーシステムを起動し、完璧なガードが出来ていると安心していた矢先、息子のチャーリーが、助けを求めている男を見つけ、家のセキュリティーシステムを解除し、男を匿ってしまいます。

パージ

何て事をしてくれたんだっ!!って騒ぐジェームズですが、後の祭りで、その男を獲物として追っていたパージ参加者は、ジェームズの家を取り囲み、男を差出さないなら、この家のバリケードを破り、お前たちを殺すと脅してきます。ジェームズは、男を差出すから待って欲しいと頼み、家の中に逃げ込んだ男を探し始めます。しかし、息子のチャーリーは、男を助けて、自分の隠し部屋に誘導してしまい、ジェームズは見つける事が出来ません。

家のバリケードを壊す為の道具が届き、ジェームズが男を差出さなかったので、とうとう、家の周りのバリケードは壊され、ジェームズたちにパージ参加者が襲い掛かります。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

パージ

この映画、超、怖かったです。全く不条理な話なんだけど、この映画の中の世界では、それが法律で決まっていて、殺す事は犯罪では無いんです。それが、正しい事なんです。世界全体が、精神病院の中のような状態で、数少ない理性の持ち主や正常な人々が、異端とみなされて、殺されるという所が、もう、恐ろしくて、おおーいって感じなんです。

印象的なのが、息子のチャーリーなのですが、ちょっと個性的な普通の男の子なのですが、とても良く物事を見ているんですね。だから、何が正しくて、何が間違っているということが、彼にだけは見えているんです。誰もが、法律とか、民意だとか言っていて、大統領までもが、それが正しいので犯罪を無くす為にパージ法に賛成してくださいと話しているんです。おかしいでしょ。人を殺して良い法律って、何なんですかっ!!

パージ

だけど、誰もが、正しい事が見えなくなっていて、政治で決まった事が正しいと思い込んでいるんです。解り易く言うと、日本は昔から、女性に対してのレイプ犯罪などを抑制する為に、「遊郭」というものを造り、合法的に売春をさせていたでしょ。それを幕府が認めていたんだけど、今、現代で、それを政府がやったら、大問題で、国家で犯罪をやっていると言われてしまうでしょ。この映画の世界では、「遊郭」を政府がやっていると同じなんです。レイプ犯罪を無くす為に、風俗店を政府が作っている。日本だって、昔は、それが正しいと思っていた訳だから、この映画の世界だって、あり得ないとは言えません。

パージ

パージという言葉は、「浄化」を表していて、一年間の世界の膿を出して、新しくキレイなところから始めるという事なんです。それまでの怨みを吐き出して、スッキリした気持ちで、新しい一年を過ごすって事かしら。言葉で言うと、あ、それ良いかもなんて思うかも知れませんが、人を殺してはイケません。殺してスッキルするかも知れないけど、殺されることもある訳だし、死んだ人には家族も居るんです。死んだ人への補償とかって、国がしてくれるのかしら。そうしないと、国が殺して良いという法律を作っているんだから、納得出来ないよね。

パージ

それに、一度でも怖い目にあったら、どこで恨まれるか解らないから、誰もが家から出たがらず、引き籠りになりそうな気がするのは私だけかしら。引き籠りの人が絶対増えて、仕事をする人が減って、国の総生産量が減って、経済が衰退して行くと思うんだけど。そうすると、”浄化”も何も、国が破たんしてしまうかも知れないから、パージは12時間だけですよーなんて言ってたって、いつでも人を殺すようになっちゃうんじゃないのかな?国が荒れて、無法地帯化してしまいますよね。法律も何も、あったもんじゃない。

パージ

先を考えて行くと、どんどん恐ろしい方向に・・・。映画なんだけど、すごく考えてしまった・・・。それくらい、この映画、面白かったし、怖かったです。私は、この映画、超!お勧めだなぁ。これ、なんでもっと早く公開にならなかったのかしら。2013年作品なんですよ。そして、2014年作品の、この映画の続編も、半月後に続けて公開されます。「パージ:アナーキー」です。そちらも、超楽しみです。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ



P.S : そう言えば、殺人が合法となる話って、日本でもありましたよね。「フリージア」という漫画で、映画化されました。敵討ち法で、時間内に殺せば合法って感じだったかな。これも面白かったです。




パージ@ぴあ映画生活


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