【フランス映画祭】「エール!」子は親を、親は子を思う気持ちは、何ものにも代えられない。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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フランス映画祭にて、「エール!」を観てきました。


ストーリーは、

フランスの片田舎の農家であるベリエ家は、高校生の長女ポーラ(ルアンヌ・エメラ)以外、全員が聴覚障害者。ある日音楽教師トマソン(エリック・エルモスニーノ)に歌の才能を認められ、パリの音楽学校で行われるオーディションを勧められたポーラは喜ぶものの、歌声を聴けない家族から反対される。家族のコミュニケーションに欠かせないポーラは、考えた揚げ句……。

というお話です。


エール

高校生のポーラは、学校生活を楽しんでいたが、家の仕事の手伝いも多く、忙しい日々を送っています。何故なら、彼女の家は、田舎で農家を営んでいるのですが、両親と弟という家族が、全員、聴覚障害者だからなんです。農家の色々な備品の注文や、銀行とのやり取りなど、電話が出来る彼女しか出来ません。
その為、小さい頃から、家族の他人との声のコミュニケーションは、ポーラの役目であり、当たり前の事と思ってきたんです。

ポーラも、普通の高校生と同じように恋をして、好きな男子と同じコーラスのクラブに入ろうとし、試験を受けてみると、コーラスの教師が、ポーラの歌声の素晴らしさを見抜き、彼女に歌の道に進む事を薦めます。思っても見なかった事に驚いたポーラは戸惑いますが、その楽しさに気付き、歌をやって行きたいという気持ちになります。

エール

しかし、歌の学校への進学を希望すると、パリの学校へ行かなければならず、家族とは離れなければなりません。家族は、頼りにしていた耳を失う事になるので、ポーラは、家族に歌の道に進みたいという事を伝えられずに悩みます。そして、学校への入学試験は刻々と迫り、ギリギリになって、ポーラは、両親に話します。

両親は、娘が家を出て行ってしまう事を歓迎出来ず、まして一人でパリに住むなんて許さないと怒ります。家族にも喜ばれず、かと言って、歌も諦められず、悩むポーラは・・・。後は、映画を観て下さいね。

この映画、面白かったですよ。これは、フランスで大ヒットするはずと思いました。色々な要素が、とても上手く溶け合っていて、それぞれに含みを持たせて、最後まで持って行くんです。上手いと思いました。

エール

まず、家族が聴覚障害者だという事。映像を見ていると、ただ、静かな家庭に見えて、生活音だけが、大きく響いているような映像なのですが、そこにポーラが出てくると、突然、声が入って来て、手話を交えた会話が始まるんです。普通の家族なのに、そこに声が無いけど、会話はある。不思議な光景なんですけど、この家族には、それが普通なんですね。いつも知っている家庭の風景と違うけど、とても新鮮に見えて、素晴らしいと思いました。

エール

耳が聞こえるのと聞こえない事って、会話が出来るなら、何の障害にもならないんですよね。それに、映画祭で監督と主演のルアンヌさんがおっしゃっていたんですが、手話は、ほとんど、どこの国のでも大体解るらしいんです。もし、誰もが、手話をやる事が出来たら、万国共通の言語があると一緒じゃんって思って、全ての人が手話を出来るようになったら、グローバル化が進むんじゃないかって思ったんです。手話があるだけで、どの国の人とも会話が出来るなら、誰もが英語を学ぶと同じように、手話を勉強する必要性があるんじゃないかな。


エール

とても考えさせられたのが、ポーラが歌の学校に行きたいと言った時、母親が、「私は育て方を間違えた。産んだ時に、この子だけ耳が聞こえると解って、育てられるのかとても不安だったのよ。」って言うんです。考えてみたら、健常者が耳が聞こえない子が産まれたら不安になるように、聴覚障害者が耳の聞こえる子を産んだら、自分が生きている世界とは違う世界を生きる訳だから、それは、どう育てたら良いのか不安になりますよね。すごくこれって解ると思いました。もちろん、ポーラは、とても良い子に育っているし、深い愛を与えて育てたので、育て方は間違っていないんですよ。でも、この母親の気持ちって、本当に解りますよね。考えさせられました。


エール

もっともっと、凄く考えさせられたし、面白いし、楽しいし、まるで「最強のふたり」を観た時くらい、ワクワクしましたが、それを書いて行くと、感想が終わらないので、後は、皆さんが観て、考えて下さいね。


私、いつも思うんですけど、やっぱり、障害者の方も、同じ学校で、普通の子と一緒に勉強する事が大切なんじゃないかしら。知的障害がある子は同じ勉強というのは難しいのかも知れないけど、聴覚障害や視覚障害、アスペルガー症候群や、他の障害など、大変だとは思うけど、今は、子供の数も少ないのだから、一緒に勉強して、障害者と共に生きる”生き方”も学ぶべきなんじゃないかと思うんです。


エール

私が学校に行っていた頃は、知的障害の子供が、クラスに時々来ていたけど、他の障害者とは付き合う事が無かったから、そういう人にどうやって対応して良いのか解らないんです。助けてあげた方が良いのか、関わらないであげた方が良いのか、町中や電車の中で出会うと、考えてしまうんです。もし、子供の頃から、傷害を持つ方と共に生きていれば、接し方も解っただろうし、どんな時に手を貸してあげれば良いのか解ったと思うんだけどな。障害者の方と接して、自分が気が付かない事を教えてもらえたら嬉しいなと、今も、良く思うんです。

エール

この映画、障害者との関わり方という事も描いていますが、親と子の温かい関係性も深く描いていたり、教師と生徒の良い関係、初恋の可愛いエピソードなどなど、本当に、沢山の楽しい事が入れ込まれていて、良くここまで描いているなというくらい、良く出来ています。私は、超!超!お勧め映画なので、ぜひ、沢山の人に観て欲しいと思います。これ、10月末に公開なんで、少し待っていてくださいね。ぜひぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ



エール!@ぴあ映画生活



エール