「群青色の、とおり道」の試写会に連れて行って頂きました。
ストーリーは、
ミュージシャンになることを夢見て、勘当同然で群馬県太田市から東京へと飛び出した佳幸(桐山漣)。父親の年男(升毅)から連絡を受け、彼は10年ぶりに里帰りをすることに。厳格さの消えた年男、気丈で明るいままの母・明子(宮崎美子)、高校生となった妹・幸恵(安田聖愛)、そして教師として小学校で働くクラスメートの唯香(杉野希妃)と再会する。彼らと触れ合い、生まれ育った街の風景を眺めながら、自分を支えてくれていた人々と故郷への思いをかみしめながら、佳幸は10年間未完成であった曲を作り上げる。
というお話です。
まず、ミュージシャンになりたいからって、勝手に東京に出て行くんですけど、イマドキ、あり得ないでしょ。お金も無いくせに、出て行ける訳無いんだから、全部、親から出してもらったお金で東京に行くんだから、勘当同然でって事は無いんです。それなのに、カッコつけて、そういう事言っちゃうから、鼻に付くのよね。そんなんで、ミュージシャンで成功しようなんて、舐めたこと言ってんじゃないよって感じ。
で、10年ぶりに、父親から電話があって、里帰りすることになるんですけど、お父さんがガンになって手術をするというので、息子を呼んだんです。10年も帰って無いっていうのが、既に、腹立たしいのですが、それ以上に、田舎に戻っても、サングラスをかけていたり、ギターをずっと持っていたり、あり得ないっしょ。昭和の映画じゃないんだから、ギターは置いておこうよ。曲のフレーズが湧いたら、すぐにスマホに声で録音するとか、アプリだってあるでしょ。デカいギターを持ち歩くのは、昭和だけです。
と、文句ばかり書いてごめんなさい。でも、あまりにも、現実から離れている描写ばかりで、気になってしまって、ダメだったんです。10年も東京に居て、ミュージシャンとしての芽が出ていないのに、生活が出来ているっていうところが、舐めてるでしょ。みんな、苦しくて苦しくて、バイトをしても食べていけないくらいなのに、何やってんのよ。ずっと、親のすねかじりだったなら、最低の男だよ。
父親の手術という事があるのですが、これにも腹が立ちました。ガンの手術がどれほど大変なのか、全く調査しなかったんじゃないですか?胃を半分取ったら、しばらくは食事は出来ません。管を通して、胃に直接、牛乳のような栄養剤を入れて、それが3か月くらいかかるかな。合併症も考えられるので、1ヶ月は安静にする必要があるんじゃなかったかしら。私の父が胃を半分切った時は、本当に生きるか死ぬかでしたよ。あっという間に回復して、退院なんて出来ません。まして、5年間は、再発する恐れがあるので、検査の度に、ドキドキです。こんなに簡単に治る病気だと描いて欲しくなかったです。
細かいところは、まぁ、そんな事があったのですが、この映画、何を描きたかったのか、全く解りませんでした。家族の大切さとか、故郷の仲間の大切さとか、そういう事?それだけ?もし、それを描いているつもりなら、それ、表面的には解るけど、全然、心に伝わってきませんでした。群馬県太田市の良さを描きながら、感動の映画を作るつもりだったのだと思いますが、脚本が悪すぎるし、調査不足だと思いました。映画の観客を舐めないでください。
厳しい意見を並べましたが、本当に思ったことです。私、怒ると恐いんですよ。あのね、予算も無いのに、一生懸命調べて、努力して映画を作っている人たちが居るのに、この映画の様に、予算もあるのに、調査も不十分で、いい加減な作り方をされると、本当に腹立たしいんです。太田市がお金を出したんだろうけど、税金を無駄にするのは止めて欲しい。それだったら、太田市の良い場所の観光案内のフィルムを作った方が、何倍も良いものに仕上がったと思いますよ。
本当に申し訳ありませんが、私は、この映画、お勧め出来ません。私は、酷いと思いました。これだけの俳優を使って、この映画では、出演した方々も可哀想です。映画を作る時は、やっぱり誠実に作って欲しいなぁ。ふざけても良いけど、そこに必死さが無いと、観ている人間に、直ぐに伝わってしまいます。趣味で作るのなら、お金を取って観せるのは止めてください。気になったら、観てみてください。
楽しんできてとは書きたくないけど、一応、シメの言葉なので、楽しんできてくださいね。
・群青色の、とおり道@ぴあ映画生活