「ハイネケン 誘拐の代償」を観てきました。
ストーリーは、
1983年、世界的に著名なビール会社「ハイネケン」のフレディ・ハイネケン会長(アンソニー・ホプキンス)が何者かに誘拐され、高額の身代金が要求される。巨大組織による犯行の線も考えられていたものの、犯人たちは犯罪に手を染めたこともない幼なじみ5人組だった。計画は順調に進んでいたはずだったが、次第に人質であるハイネケンの威圧的な言動に振り回され、誘拐犯たちの計画に狂いが生じ始める。
というお話です。
幼馴染の仲間4人が建築会社をやっていたのですが経営が苦しく、銀行に融資をお願いに行くのですが、担保になるものがほとんど無く、持っている不動産は、既に不法占拠されているアパートのみで、不法占拠している住民に交渉して出て行ってもらわなければ、担保価値は無いので、融資は断られてしまいます。
仕方なく、彼らは、アパートを不法占拠している住民を強制的に追い出そうとするのですが、住んでいる彼らには居住権があり、強制的に排除しようとすると、排除する方に法規制がかかり、逮捕されてしまいます。保釈金がかかったりして、経済的に苦しい彼らに、もっと苦しい状況が出来上がってしまい、彼らは、何か手を打たなければと考え始めます。
そして、大富豪とされる「ハイネケン」の社長のフレディ・ハイネケン会長を誘拐する計画を立てます。まず、強盗をして、準備資金を手に入れ、細かい計画を立てて、資金を使い、誘拐を計画します。準備にお金をかけて、4人+1人でやっているのではなく、大きな組織が誘拐を企ててやっているように見せて、会社の恐怖をあおって、早く身代金を手に入れようと画策するんです。
誘拐までは上手く行き、ハイネケン会長を監禁するのですが、誘拐したハイネケンは、とても頭の良い人物で、誘拐した彼らの不安をあおって、行きます。そして、会社の方は、警察の指示なのかは分かりませんが、直ぐに取引きの連絡をせず、彼らを焦らします。そして、ある日、やっと、身代金の受け渡しの連絡が、新聞の掲示板に載るのですが・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、とっても面白いのですが、警察とか身代金を要求されている会社の方の様子が分からず、今一つ、物足りないような気がしました。誘拐した犯人の方を中心に描いているので、相手方は、ほとんど描かれていなくて、まぁ、そういう映画もあるとは思うのですが、ある程度、誰相手に身代金の要求をしているのかとか、警察の動きをある程度描いてくれるとか、そういうことがあると、もっと盛り上がったのではと思いました。きっと、徹底して描かないことで、この映画の特徴を出して、玄人向けにしたのかも知れませんが、一般人の目から見ると、相手が分からないと、まるで雲をつかむような感じで、恐さや緊迫感が大きくなってこないんです。
ハイネケン役のアンソニー・ホプキンスは、やっぱりうまいですね。ただ、そこに座っているだけなのに、何かやるんじゃないか、何か仕掛けてくるのではないかと、心配になってしまいました。レクター博士の人格が出てきたらどーしようかしらって心配しちゃいましたよ。(笑)
犯人役も結構、豪華で、ジム・スタージェスとサム・ワーシントンが、幼馴染であり、この誘拐の主犯格です。ジム演じる”コルは、頭が良くて、何でも出来そうですが、イマイチ、行動力が伴わなくて、それを補うのが、サム演じるヴィレムなんです。最初は、良いコンビなんですけどね。
誘拐されて監禁されている時、ハイネケンは、何度か犯人と話をするのですが、彼のセリフで印象的なのが、「お金を取るか、友人を取るか、どちらか一つしか手に入らないぞ。」という言葉です。確かに、仲の良い友達でも、お金が、その間に入ってしまうと、どうしても上手く行かなくなるし、信頼が置けなくなる。これ、とても良く解りました。そういうもんなんですよね。どれ程、仲が良くても、たくさんのお金を目の前にしてしまうと、人間の恐ろしい欲が、もぞもぞと内部から出てきてしまうんです。気を付けてくださいね。私も、無くしたくない友達とは、お金で揉めないように気を付けます。
面白いと思ったのは、彼らの後日談かな。事実を元に作られた映画なので、後日談がエンディング前に流されます。ちょっと驚きましたが、一番笑ったのは、ハイネケンさんが、警備会社を立ち上げて、成功してしまっている事。自分が誘拐されて、実体験したというのは、とても強みになったのでしょう。なんて商魂逞しい人なんだろうと、驚きました。尊敬してしまいます。
私は、この映画、お勧めしたいと思います。でも、単館系のじっくり観る映画が好きな方でしたら、とても楽しめると思いますが、アクション&アトラクション映画を期待する方は、辞めた方が良いと思います。誘拐してからの、彼らの行動が長いので、私も、ちょっとうとうとしてしまいました。でも、演説も何もかも素晴らしかったです。ぜひ、観に行ってみてください。」
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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